ホームページに掲載する製品写真の著作権について

【執筆者紹介】徳山 正康
この記事の執筆者
徳山 正康
テクノポート株式会社 代表取締役

製造業専門のWebマーケティング事業と技術ライティング事業を手がけるテクノポートの代表を務める。「技術マーケティングで日本の製造業に追い風を」を経営理念に、これまでに数名の町工場から東証プライム市場に上場しているメーカーまで、累計1,000社を超える製造業を支援し、数多くの企業の経営革新を実現。

グロービス経営大学院(MBA)卒業、(社)日本ファミリービジネスアドバイザー協会 フェロー、(社)Reboot 理事、(社)Glocal Solutions Japan 認定専門家

【寄稿実績】
間違いだらけの製造業デジタルマーケティング(MONOist)
精密板金企業が「Webでの引き合い」を売上につなげることができた、たった一つの理由(ビジネス+IT)
製造業のSEO対策を基礎から解説、「加工事例」が超重要なワケとは(ビジネス+IT)
製造業の「技術マーケティング」戦略、事例で読み解く自社技術の可能性を広げる方法(ビジネス+IT)
徳山 正康 が執筆した他の記事をみる

テクノポートの徳山です。

多くの製造業者様のホームページを制作していると必ず議題に挙がる「自社で加工した製品写真の掲載」。OEMで最終製品を製造委託されている企業であれば契約書内で禁止されていることが多いと思いますが、部品加工をしている企業にとってはグレーゾーンであることが多く、ホームページに掲載しても良いのか、弊社もよく相談を受けます。

今回のブログでは「ホームページに掲載する製品写真の著作権」について考えてみたいと思います。

自社で加工した製品の掲載について

基本的には最終製品を製造しているメーカーに著作権が帰属しますので、自社で加工しているものが最終製品を連想させる可能性の低い部品であっても、必ず掲載の可否を取引先に確認しましょう。

取引先(発注元の会社)に掲載許可を得る

機密保持などの契約を取引先と締結している場合は、契約違反になる可能性が高いので必ず許可を取りましょう。最終的には取引先との信頼関係となりますが、信頼を損なわないためにも一言声をかけるのがマナーかと思います。

また写真をそのまま掲載することが難しい場合でも、拡大して製品の局所部分だけ写っている画像に加工したり、重要個所(取引先のロゴマークなど)を画像加工して消してしまうことで掲載許可が降りる場合もあります。取引先側でルールが決まっている場合もありますので、必ず確認しましょう。また、取引先からクレームが入った場合には速やかに画像を削除しましょう。

掲載許可が降りない場合

取引先からの掲載許可が降りない場合ですが、テキスト情報だけでホームページを作成するのは何とか避けたいところです。テキスト情報はいくらでも捏造することもできることから、画像を掲載しているサイトと比べ信憑性が一気に下がってしまいます。このような場合は、ホームページ掲載用の加工サンプルを製造したり、製品をイラスト化することで掲載する方法があります。手間はかかりますが、検討してみてください。

フリー素材を利用する場合

色々と検討してみたが製品の写真も工場内の写真も何も載せることができない!という企業も中にはいらっしゃるかと思います。そんな時は著作権フリーの画像を探してみましょう。よく「フリー画像」と言われますが、無料(Free)画像ではなく著作権がフリー(放棄されている)という意味となります。フリー画像を探す方法は大きく分けて下記の2種類があります。

検索エンジン(Google)で画像を探す

他サイトから画像を転載するのは基本的にNGです。ホームページに載せるためには、他サイトに掲載されている画像をデータとして自分のパソコンにコピーし、そのコピーをホームページにアップロードすることになり、”複製権(著作権法21条)”と”送信可能化権(著作権法23条)”の侵害に当たりますし、その画像を他ユーザが閲覧した時点で公衆に画像をばら撒いたことになるので、”公衆送信権(著作権法23条)”も侵害したことになります。画像加工して載せればOK?かと思いきや、画像を加工した時点で”同一性保持権(20条)”の侵害になります。

Googleの著作権フリー画像検索

Googleには便利な画像検索機能があります。それは「ライセンスを指定して画像検索する機能」です。画像検索する際に [画像検索オプション] →[ライセンス] 欄で、目的に応じたコンテンツのライセンスの種類を選択することができます。これで検索した画像は自社のホームページに掲載しても問題ないでしょう。

詳しくは下記URLをご覧ください。
https://support.google.com/websearch/answer/29508?hl=ja

著作権フリー画像を使用する

フリー画像をまとめて紹介しているサイトも多く存在します。弊社がホームページを制作する際によく使うサイトを2つご紹介します。昔は工業系のフリー画像はかなり少なかったのですが、最近では工業系の画像も多く掲載されています。

ぱくたそ(無料)…当サイトはすべての画像を無料で利用することができ、登録の必要もありません。コストをかけたくない場合におススメですが、無料で多くの方に利用されていることから画像が他サイトと被ってしまう可能性が高くなってしまうのはご了承ください。

PIXTA(有料)…当サイトは有料のフリー画像を紹介するサイトです。有料なのでクオリティの高い画像が多く掲載されていますし、無料の画像と違い他サイトと被る可能性も低くなります。写真だけでなくイラストも多数あり、有料ですが、web用のサイズの画像であれば、1枚540円(税込)から購入できます。

以上、ホームページに掲載する画像の著作権についてでした。このような法的な問題は解決策がケースバイケースであることが多いので、上記内容に当てはまらず悩んでいらっしゃる方は弊社までご相談いただければと思います。

この記事の執筆者
徳山 正康
テクノポート株式会社 代表取締役

製造業専門のWebマーケティング事業と技術ライティング事業を手がけるテクノポートの代表を務める。「技術マーケティングで日本の製造業に追い風を」を経営理念に、これまでに数名の町工場から東証プライム市場に上場しているメーカーまで、累計1,000社を超える製造業を支援し、数多くの企業の経営革新を実現。

グロービス経営大学院(MBA)卒業、(社)日本ファミリービジネスアドバイザー協会 フェロー、(社)Reboot 理事、(社)Glocal Solutions Japan 認定専門家

【寄稿実績】
間違いだらけの製造業デジタルマーケティング(MONOist)
精密板金企業が「Webでの引き合い」を売上につなげることができた、たった一つの理由(ビジネス+IT)
製造業のSEO対策を基礎から解説、「加工事例」が超重要なワケとは(ビジネス+IT)
製造業の「技術マーケティング」戦略、事例で読み解く自社技術の可能性を広げる方法(ビジネス+IT)
徳山 正康 が執筆した他の記事をみる

関連記事