海外向けWebサイトのドメインの種類・選び方 (目的別で解説)

【執筆者紹介】稲垣 達也
この記事の執筆者
稲垣 達也
【経歴】
テクノポート株式会社「海外Webマーケティング」サービスの責任者
名古屋工業大学大学院 電気機械工学専攻 博士前期課程卒業
同大学 機械工学科卒業

【保有資格】
TOEIC L&R:990/990、英検一級:合格、TOEFL iBT:108/120
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テクノポート株式会社の稲垣です。
BtoB企業向けの「海外向けWebマーケティング」サービスの責任者を務めています。

この記事では、海外向けのWebサイトに使用するドメインの選び方を、Googleの公式情報と個人の見解を交えて解説します。
なお記事は、2024年2月24日に最新のGoogleの公式情報をもとに修正しました。

主な参照元

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ドメインとは?

ドメインとは、ホームページのアドレス「http://www.〇〇〇.com」の「〇〇〇.com」の文字列のことを指します。

ドメインとはインターネット上の住所のようなものです。現実の住所に重複したものが存在しないように、ドメインにも重複したものは存在しません。ドメインについての詳しい説明は、以下の記事をご参照ください。

海外向けサイト(多言語サイト)で使用されるドメインの種類

海外向けのWebサイト(例:多言語サイト)で使用されるドメインは、以下の分類で区分することができます。

  • ジェネリックトップレベルドメイン(gTLD)
  • 国別コードトップレベルドメイン名(ccTLD)

順番に解説します。

ジェネリックトップレベルドメイン(gTLD)

ジェネリックトップレベルドメイン(gTLD)は、特定の地域に関連付けられていないドメインです。例として以下のようなドメインが挙げら得れます。

gTLDの種類 使用用途
一般的なgTLD .com 商業組織用。世界の誰でも利用可能。
.org 非営利組織用。非営利の団体やコミュニティによって使用されている。
.net ネットワークサービス提供者用。当初は技術的インフラ組織向けに割り当てられましたが、現在では一般的な用途にも広く使用されている。
スポンサー付きgTLD .edu 教育機関用。主に米国教育省公認の認定機関から認可された教育機関に限定されて使用されている。
.gov アメリカ合衆国政府機関用。
.mil アメリカ軍用。アメリカ合衆国の軍事機関に限定されて使用されている。
新しいgTLD .app アプリケーション開発者用。アプリ関連のウェブサイトに使用されます。
.blog ブログ。個人や企業のブログサイトに使用されている。
.tech テクノロジー関連企業や技術系プロジェクト用。テクノロジー業界の組織や個人によって使用されている。

出典:ドメイン名の種類 – JPNIC

gTLDは先ほど紹介した通り「特定の地域に関連付けられていないドメイン」になりますが、以下のような方法で特定の地域に関連づけることもできます。

地域に関連づけられるgTLD

gTLDを使用し、かつ地域への関連付けを示したい場合は、以下の3つの選択肢を取ることができます。

  1. gTLDを使用するサブドメイン
  2. gTLDを使用するサブディレクトリ
  3. URLパラメータ

※Googleサーチコンソールの「インターナショナルターゲティング」という機能を使うと、gTLDを使用している場合でも、どの国を重要視しているかの判断材料となっていましたが、現在ではこの機能のサポートは終了しています。

Google は場所の meta タグ(geo.position、distribution など)や、地域ターゲティングの HTML 属性は無視します。

出典:多地域、多言語サイトの管理 | Google 検索セントラル  |  ドキュメント  |  Google for Developers

A. gTLDを使用するサブドメイン

1つ目は、gTLDとサブドメイン(例: us.example.com)を組み合わせて使用する方法です。
この方法を選ぶメリットとデメリットは以下の通りです。

メリット
  • 手軽に導入可能:個別の国別ドメインを取得する手間が省ける
  • 複数の場所のサーバーを使用できる:サブドメイン毎に個別のサーバーを選択して使用できる
  • サイトの分割が簡単:WebサイトのURLによる混同が起こりやすく計測(例:Googleアナリティクス)がやりやすい
  • サイトのドメインスコアが共有できる:大元のドメイン(例: example.com)のドメインスコアをサブドメインのサイト(例: us.example.com)でも共有することができる
デメリット
  • ユーザーはURLのみから地域ターゲティングを認識できない場合がある:例えば「de」が言語なのか国なのかがわからない
注意

メリット4つ目の「ドメインスコア」については、弊社で使用するドメインスコア計測ツールを使用し独自に調査した内容をもとに記述しているため、必ずしも情報の正確性を保証するものではありません。

B. gTLDを使用するサブディレクトリ

2つ目は、gTLDとサブディレクトリ(例: example.com/us/)を組み合わせて使用する方法です。
この方法を選ぶメリットとデメリットは以下の通りです。

メリット
  • 手軽に導入可能:新規でドメインを取得する手間が省ける
  • 管理しやすい(ホストが同じ):複数のホストを取得し管理する手間が省ける
  • サイトのドメインスコアが共有できる:大元のドメイン(例: example.com)のドメインスコアをサブディレクトリのサイト(例: example.com/us/)でも共有することができる
デメリット
  • ユーザーはURLのみから地域ターゲティングを認識できない場合がある:例えば「de」が言語なのか国なのかがわからない
  • サーバーの場所は1か所のみ:国や言語別でサーバーを分割して保有することができない
  • サイトの分割が難しい:Webサイトの混同が起こりやすく計測(例:Googleアナリティクス)がやりにくい

C. URLパラメータ

3つ目は、gTLDとURLパラメータ(例: example.com?loc=us)を組み合わせて使用する方法です。
この方法は、Googleが非推奨と公式文書に記載しているため、おすすめはできません。

デメリット
  • URLベースの分割が難しい:国や言語別やWebサイトの管理方法が難しい(混同する可能性が高い)
  • ユーザーはURLのみから地域ターゲティングを認識できない場合がある:例えば「de」が言語なのか国なのかがわからない

国別コードトップレベルドメイン名(ccTLD)

国別コードトップレベルドメイン(ccTLD)は、国や地域ごとに2文字のアルファベットが割り当てられるドメインです。例えば、example.co.jpドメインの場合「co」が「company」、「jp」が「japan」を表します。

こちらのドメインは日本に登記されている会社のみが登録可能であるため、このドメインが使用されているWebサイトは、日本国内の企業のものであるということを示します。(アメリカの企業である場合は「.co.us」になります)

このドメインは以下のGoolge公式の文書においても、Webサイトが特定の国を対象としていると判断するための材料として使用されることが明記されています。

国別コード トップレベル ドメイン名(ccTLD): これらのドメイン名は特定の国に結び付けられているため(例: .de はドイツ、.cn は中国)、ユーザーと検索エンジンは、サイトが特定の国をターゲットにしていることをすぐに認識できます。国によっては制限があり、誰でも ccTLD を使用できるとは限らないため、ご注意ください。また、Google はバニティ ccTLD(例: .tv、.me)を gTLD として扱います。このようなドメインは、特定の国をターゲットとするものではなく「ジェネリック」と見なすユーザーやウェブサイトの所有者が多いためです。Google の gTLD の一覧をご覧ください。

出典:多地域、多言語サイトの管理 | Google 検索セントラル  |  ドキュメント  |  Google for Developers

ドメイン以外でGoogleがWebサイトの対象地域の認識に使用する情報

また上記のドメインの選択に加えて、Googleは以下のような情報を使用しWebサイトの対象地域を判断していると紹介されています。

hreflangステートメント

hreflangステートメントは、同じコンテンツの異なる言語版や地域版を指定するために使用されるHTMLコードです。hreflangタグは、ウェブページのヘッドセクションまたはHTTPヘッダーに配置し、ユーザーと検索エンジンに対してそのページに対応する他の言語版の存在を示すために使用されます。(詳しくはこちらを参照ください)

サーバーの場所(サーバーのIPアドレスを使用)

以下、Googleの公式文書からの引用です。

サーバーの場所(サーバーの IP アドレスを使用): サーバーは物理的にユーザーの近くにあることが多いため、サーバーの場所はサイトのターゲット ユーザーを判断する手がかりとなります。一部のウェブサイトでは、分散コンテンツ配信ネットワーク(CDN)を使用している場合やウェブサーバー インフラの充実した国でホストされている場合があるため、サーバーの場所は信頼性の高い手がかりにはなりません。

出典:多地域、多言語サイトの管理 | Google 検索セントラル  |  ドキュメント  |  Google for Developers

その他の情報

その他にWebサイトの対象地域を特定する手がかりとして、以下のような情報があります。

  • Webサイトに記載されている住所や電話番号
  • 使用されている言語や通貨
  • 他のローカルサイトからのリンク
  • Googleビジネスのプロフィール情報(利用できる場合)

海外向けWebサイトに使用するドメインの選び方

前置きが長くなりましたが、上記の内容を踏まえて海外向けWebサイトに使用するべきドメインの選び方を、ステップ毎に解説します。

ステップ1:現状と目的を整理する

まず、以下の2つの質問に対する回答を整理しましょう。

Q.1:現在の日本語サイトのドメインは?

A. gTLD(例:.com)を使用している
B. ccTLD(例:.co.jp)を使用している

Q.2:海外向けWebサイトの役割として近いのは?

a. グローバルサイト(特定の地域を指定せず、世界中をターゲットとするWebサイト)
b. 特定の国や地域を対象としたWebサイト(例:中国語Webサイト)

ステップ2:現状と目的を複合的に考慮し適したドメインを選択する

先のステップ1の質問への回答の組み合わせと、その組み合わせに対するおすすめドメインの組み合わせを以下に示します。

質問への回答 おすすめのドメイン
A-a 日本語サイトのgTLDにサブドメイン or サブディレクトリを組み合わせて使用する example.com/en/ or en.example.com/
A-b 日本語サイトのgTLDに言語や国別のサブドメイン or サブディレクトリを組み合わせて使用する example.com/de/ or de.example.com/
B-a 以下の1と2のいずれか
1. 日本語サイトのccTLDに言語にサブドメイン or サブディレクトリを組み合わせて使用する
2. 新規でグローバルサイト用のgTLDを取得する
1. example.co.jp/en/ or en.example.co.jp
2. example.com
B-b 以下の1と2のいずれか
1. 新規でgTLDを取得し、言語や国別のサブドメイン or サブディレクトリを組み合わせて使用する
2. 新規で対象とするサイト用のccTLDを取得する
1. example.com/de/ or de.example.com/
2. example.co.de

ステップ3:その他の要素を考慮し具体的なドメインを決定する

上記の表をもとに、おすすめのドメインが絞り込めたら最後に具体的なドメインを決定します。
最終的な判断をするための判断材料となる情報を紹介します。

サブドメインか?サブディレクトリか?

サブドメインとサブディレクトリの最大の違いは、言語や国別でサーバーを選択できるかどうかです。
例えば、英語Webサイトと中国語Webサイトの2種類を作成したい場合、サブドメインを選択することをおすすめします。

理由は、サブディレクトリにより上記2種類のWebサイトを制作する場合、サーバーはどちらも共有のものを使用することになるためです。例えば、英語Webサイトで使用するサーバーを、中国語Webサイトでも使用する場合、中国語Webサイトの表示速度やSEO対策がうまくいかない可能性が高くなります。(中国向けのSEO対策は、中国本土のサーバーを使用したWebサイトの方が有利になりやすいため)

一方、すでにクラウドサーバー(例:AWS)を使用し、アクセスが発生した地域によらず一定の表示速度が確保できる場合は、サブドメインとサブディクレトリでは大きな違いは生じません。

その他、Webサイトの計測(例:Googleアナリティクス)では、サブドメインの方が独立したWebサイトとして計測がしやすい、という違いもありますが、初期の計測方法とデータ処理の方法を工夫すれば、それほど大きな問題にはならないです。

海外向けSEO対策をする場合、gTLDか?ccTLDか?

結論、どちらを選んでも海外SEO対策では大きな差は生じないと考えます。
こちらの記事によると、現在はccTLDを使用しているWebサイトが対象とする地域外でのSEO対策で不利になる傾向は減っているそうです。

すなわち現在ccTLDのWebサイト(例:example.co.jp)を保有している場合、海外SEO対策をやる際は必ずgTLDに切り替えないといけない、ということではないようです。

実際、弊社のお客様でもccTLDのWebサイトで、海外SEO対策がうまくいっている企業もあります。ただし、ccTLDを使用しているWebサイトのページは、gTLDを使用しているWebサイトのページと比較すると、海外の検索結果でのインデックス登録までの日数がかかる印象があります。(これはあくまでも個人の見解です)

ジェネリック地域トップレベルドメインについて

またgTLDの一つの種類として「ジェネリック地域トップレベルドメイン」というドメインが存在します。
これらのドメインは、一見特定の地域を対象としているように見えますが、Google公式の文書によるとこれらのドメインが特定の地域に関連づけられて認識されることはないそうです。

以下のドメインは地域に関連付けられていますが、通常はジェネリック トップレベル ドメインとして、つまり .com や .org と同様に扱われます。
.eu
.asia

出典:多地域、多言語サイトの管理 | Google 検索セントラル  |  ドキュメント  |  Google for Developers

まとめ

海外向けWebサイトのドメインの選び方について、2024年2月の最新のGoogle公式情報をもとに解説しました。
本記事の内容が、海外向けWebサイトのドメインの選び方のヒントになれば幸いです。

弊社(テクノポート株式会社)では、製造業向けに「海外向けWebサイト制作」サービスを行なっております。
無料オンライン相談(30分)」も実施していますので、お気軽ににお声がけいただければ嬉しく思います。

この記事の執筆者
稲垣 達也
【経歴】
テクノポート株式会社「海外Webマーケティング」サービスの責任者
名古屋工業大学大学院 電気機械工学専攻 博士前期課程卒業
同大学 機械工学科卒業

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