アマゾンに出品する際に気を付けたいこと

【執筆者紹介】亀山 夏樹
この記事の執筆者
亀山 夏樹
役職:かめやま特許商標事務所 所長 弁理士
執筆テーマ:中小企業における知的財産(特許・商標等)
【経歴】
千葉県生まれ
筑波大学院 理工学研究科 理工学専攻 修了(1999)
電気メーカにてネットワーク機器の商品企画・開発設計に従事(~2004)。
その後、特許業界にて、特許・商標等の出願業務の他、契約交渉、技術開発支援、セミナー講師などを行う。
技術分野:金型、工具、ソフトウエア、鉗子、内視鏡、医療機器、筆記具、塗料、食品等
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中小企業専門の弁理士の亀山です。新型コロナウイルスの影響もあり、ECサイト出展に関するお問い合わせが増えています。今回は、アマゾンに出品する際、気を付けて欲しい点についてお話したいと思います。

出品方法は2つ

AMAZONへの出品方法は2つあります。

  1. 新規出品
  2. 相乗り出品

以降、それぞれの違いについて説明します。

新規出品のメリットとデメリット

アマゾンでは、原則、商品ページは1商品につき1ページというルールになっています。

このため、新規出品をしたい場合は、「セラーセントラルの商品登録」において、ご自身で新しい商品のページを作成する必要があります。新規出品のデメリットとしては、商品ページの作成が大変ですが、オリジナル商品を販売できる分、ライバルが少ないため、価格競争に陥りにくいです。

したがって、中長期的に見て収益力のある事業を構築しやすくなります。

さらに、新規出品では、Amazon Brand Registryを利用することができます。Amazon Brand Registryを利用すると以下のメリットが得られます。

  • ストアページ(商品紹介用のLP)が作成・公開可能
  • スポンサーブランド広告(Amazon.co.jp内における広告)が掲載可能
  • 事前に商標権の保有を証明しているため、相乗りをしている同業他社の排除が容易

相乗り出品のメリットとデメリット

相乗り出品とは、既に作成されている商品ページに出品する方法です。商品ページの作成の手間がかからないというメリットがありますが、ライバルが多く、価格競争に陥りやすいです。したがって、中長期的に見て収益構造を構築しにくいです。

また、商品ページの修正もできませんし、オリジナル商品の販売にも向いていません。もちろん、Amazon Brand Registryも利用できませんので、そのメリット(上述)を受けることができません。

Amazon Brand Registryの利用のために必要なこと

Amazon Brand Registryのためには、商標登録が必要です。しかし、商標登録には時間がかかります。通常審査であれば約6か月ですが、1年近くかかるものもあります。また、商標登録は必ず取得できるとも限りません。使用しようとする商標が他社商標権に抵触するもの等である場合、商標登録を受けることができませんし、そもそも使用することもできません。新規出品をすでに始めている方はもちろんのこと、これから予定されている方は、Amazon Brand Registry のために商標登録の準備を早めにしたほうが良いです。

そして、使用予定の商標が、

  • 合法的なものであるか否か
  • 登録登録できるものであるか否か

を担保すべく、出願前の調査から始められたほうが良いと思います。

まとめ

  1. 出展方法は、新規出品と相乗り出品の2つある。
  2. オリジナル商品を出品をする場合は、新規出品が必要。
  3. 新規出品による宣伝力&ブランド力向上のためにはAmazon Brand Registryが必要。
  4. Amazon Brand Registryのためには、商標登録が必要。
  5. 商標登録の前に事前調査が必要。
この記事の執筆者
亀山 夏樹
役職:かめやま特許商標事務所 所長 弁理士
執筆テーマ:中小企業における知的財産(特許・商標等)
【経歴】
千葉県生まれ
筑波大学院 理工学研究科 理工学専攻 修了(1999)
電気メーカにてネットワーク機器の商品企画・開発設計に従事(~2004)。
その後、特許業界にて、特許・商標等の出願業務の他、契約交渉、技術開発支援、セミナー講師などを行う。
技術分野:金型、工具、ソフトウエア、鉗子、内視鏡、医療機器、筆記具、塗料、食品等
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