【BtoB】海外向けWeb広告運用のポイントを国別に解説

【執筆者紹介】稲垣 達也
この記事の執筆者
稲垣 達也
【経歴】
テクノポート株式会社「海外Webマーケティング」サービスの責任者
名古屋工業大学大学院 電気機械工学専攻 博士前期課程卒業
同大学 機械工学科卒業

【保有資格】
TOEIC L&R:990/990、英検一級:合格、TOEFL iBT:108/120
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テクノポート株式会社の稲垣です。
BtoB企業向けの「海外向けWebマーケティング」サービスの責任者を務めています。

この記事では、海外向けにWeb広告を配信する際に国別の傾向や注意するべき点を紹介します。
今回の内容は、海外の新規顧客を目的としたWeb広告の出稿をご検討されているBtoB企業の事業者の方に参考になるかと思います。
ただ、本記事の内容はあくまで一般的な傾向であるため、同じターゲット国においても業界や商材によって広告配信の手法は変わることをご理解いただけると幸いです。

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東アジア

中国

広告媒体 ・GoogleやFacebookは規制で使えないため、Baidu広告(検索)WeChat広告が中心
・LinkedInも中国版サービスが終了したため利用不可(中国国内ではLinkedInに近いMaimaiが使用されている)
規制・法律 ・中国広告法では「最高」「最善」「No.1」のような絶対的表現が禁止され、違反すると処罰対象
・国家の尊厳を損なう内容(例:地図で台湾を別の国扱いするなど)は厳禁
・個人情報は中国国内に保存するなどサイバーセキュリティ法や個人情報保護法(PIPL)によるデータ規制にも留意が必要
文化的配慮 ・宣伝は過度に直接的な売り込みを避け、ブランド信頼や専門知識の発信(例:WeChat公式アカウントで業界知識を発信し、80%は有益情報、20%をプロモーションに抑える「80/20ルール」が推奨されている)
・中国語(簡体字)でのローカライズは必須で、現地の商習慣や祝祭(春節など)を考慮して広告の配信時期を決定する必要がある
その他 ・中国向けWebサイトの公開は中国現地法人の担当者を経由してICP登録を行い公開する必要がある(日本のサーバーを使用したWebサイトが現地で表示されることもあるが、表示速度が大幅に遅くなる可能性が高いため非推奨)

韓国

広告媒体 Naver広告(韓国最大の検索エンジン)とGoogleの両方が利用可能
・SNSはビジネス層にはLinkedIn(利用者はまだ限定的)、国内SNSのKakao系サービス(例:Kakaoトーク上の広告)が候補に入る
規制・法律 個人情報保護法(PIPA)により、ユーザーデータの収集・利用には明確な同意が必要
・広告表示に関しては誇大広告や不当表示を禁じる公正取引委員会の規制があり、虚偽の効果効能などは処罰対
文化的配慮 ・コンテンツは韓国語で作成すると反応が得やすい(英語でも一定範囲の層にはリーチ可能)
その他 ・BtoB業界の傾向として半導体・電子、自動車、造船など大手財閥系企業が占める産業が多く、取引は既存関係が重視されがちである一方で、スタートアップも増えつつあり、オンラインで新規サプライヤを探す動きも活発

台湾

広告媒体 ・Google広告が主流(中国とは異なりGoogle広告も配信可能)
・Yahoo!はポータルやニュースで一定ユーザがいるものの広告効果は限定的(日本国内からYahoo!広告を直接配信することはできない)
規制・法律 ・広告に関しては中国本土ほど厳しい表現規制はないが、薬機法など業種別に広告表現を制限する法律が存在する
・虚偽誇大広告は公平交易法(不当競争防止)で禁止され、違反時は処罰の対象
文化的配慮 ・言語は繁体字中国語を使用し、台湾固有の文化やアイデンティティに敬意を払った表現が好まれる
その他 ・国内産業としてハイテク製造(半導体など)や電子機器産業が突出しており、同分野におけるデジタルマーケティングも急速に発展している(台湾国内では、英語と中国語の二言語でコンテンツ制作や広告配信に取り組む企業が増加している)

南アジア

インド

広告媒体 ・Google広告と並んで、ビジネス特化のLinkedIn広告の重要性が高い市場(例:LinkedInユーザーが1億人を超え米国に次ぐ規模)
・英語圏向けの広告プラットフォームは概ね利用可能で、FacebookやYouTubeも利用者数が多い
・Googleリスティング広告出稿時の平均クリック単価が他の英語圏(例:アメリカ、ヨーロッパ)よりも安くなりやすい
規制・法律 ・デジタル個人データ保護法(2023年成立)により、個人データの取り扱いに包括的ルールが設定
広告基準協議会(ASCI)がガイドラインを定め、根拠のない効果、謳い文句や比較広告で競合を中傷する行為は禁止
文化的配慮 ・対象業界・地域に応じて英語に加えヒンディー語などローカル言語での情報提供を考慮する必要あり
・スマホをビジネス用途で使用するユーザーの割合も多く、広告配信時にもデバイスの選択肢として考慮する必要がある
その他 ・ITサービス産業が突出し、グローバルに展開する企業が多いのが特徴
・インドのBtoBバイヤーは購入前にオンライン調査を徹底する傾向があり、インド独自のオンラインマーケットプレイスでの購買も盛ん(例:IndiaMart

東南アジア

シンガポール

広告媒体 ・Google広告やLinkedIn広告がBtoBマーケティングで特に有効
・中国系企業や華人コミュニティを狙う場合、WeChatなど中国発のプラットフォームを選択肢として検討する
規制・法律 個人情報保護法(PDPA)により、広告で取得する個人データの利用には明確な同意が必要
・シンガポールには広告基準協議会による自己規制コード(SCAP)もあり、誤解を招く表現は禁止
・電話勧誘の「Do Not Call(DNC)」制度があり、未承諾の営業電話やSMSは罰金対象
文化的配慮 ・多民族国家で、ビジネスで使用される言語は英語であるが、公用語としての華語やマレー語話者も多いため、ターゲット層に応じて言語をローカライズさせる必要がある
その他 ・東南アジアのハブであるシンガポールでは、金融サービスやIT・テクノロジー産業を主要ターゲットとする場合が多い
・電子機器や化学品などの製造業も盛んで、周辺国向けの地域拠点が多い

タイ

広告媒体 ・FacebookとLINEがタイでは圧倒的なユーザー規模を持ち、BtoBにおいても認知拡大に活用可能(タイではSNSでビジネス上のコミュニケーションをとることも多いため、LINE公式アカウントを開設しチャットで問い合わせ対応するなど、ローカルアプリを使った顧客対応が好まれる)
・検索マーケティングはGoogleが主体、LinkedInの利用者も増えていますが、主に都市部のホワイトカラー層が使用する傾向がある
規制・法律 タイ個人情報保護法(PDPA)が2022年に施行され、ユーザーの明示的同意なしに個人データをマーケティング用途で使用することは禁止
・広告コンテンツについても、王室や宗教への不敬を避ける厳格な表現規制がある(例:王室批判は違法)
文化的配慮 ・タイ語での情報提供は必須と言える(他のアジア諸国に比べて英語では反応が得られにくい)
その他 ・製造業(自動車・電子部品)が経済の柱であり、それに関連するBtoB市場が大きい
・農業国でもあるため食品加工や農業機械も市場が存在する

マレーシア

広告媒体 ・Google検索広告やFacebook広告が主流、LinkedInも規模の大きいBtoB企業で利用される傾向がある
・動画マーケティング需要が高く、YouTubeは都市部のビジネス層にもリーチできる媒体として活用可能
規制・法律 ・2010年に制定されたマレーシア個人情報保護法(PDPA)では、個人データを同意なくダイレクトマーケティングに利用することを禁止
・民族・宗教的にデリケートな話題(例:イスラム、仏教、ヒンドゥー)に触れる広告表現は避けた方が良い
文化的配慮 ・マレー語・英語・中国語・タミル語が公用語として使用される多文化社会であるため、それぞれの言語・文化圏への配慮が必要(例:イスラム教徒が多いマレー系向けにはハラルを強調する、華人系には漢字表記資料を用意する、といったローカライズが好まれる)
・マレーシアにおける広告配信では多言語による情報発信が成功につながりやすい(例:英語版に加えマレー語版のランディングページを用意することでコンバージョン率が向上しやすい)
その他 ・電子・電気機器製造業が盛んで、半導体や太陽光パネルなどの分野では関連製品・サービスのBtoB需要が大きい
・石油精製やパーム油など資源系産業、建設・インフラ産業も主要

ベトナム

広告媒体 ・Facebookの利用率が高く、ビジネス向けの情報発信メディアとしても利用されている
Zalo(現地のメッセンジャーアプリ)は国内ユーザーが非常に多いため企業公式アカウントによる情報発信に活用
 ・検索広告はGoogleが中心だが、ベトナム語に最適化されたCoc Cocもベトナム国内では用いられる
規制・法律 ・2025年3月時点で包括的な個人情報保護法はないが、2023年にデータ保護に関する政令が施行され、ユーザーデータの国外持ち出し制限や利用目的の通知義務が強化された
文化的配慮 ・ベトナム語でのコミュニケーションが基本で他のアジア諸国に比べて英語での反応が得られにくい
・若年人口が多くデジタルネイティブ世代がスマートフォンでビジネス上のコミュニケーションを行うケースも多いため、モバイルデバイスへの広告配信を検討する必要がある
その他 ・製造拠点として世界的に台頭しており、電子機器組立や繊維産業向けの機械・部品の需要が高い
・インフラ建設や不動産開発に関連するBtoBサービスも活況

インドネシア

広告媒体 ・FacebookやInstagram、TikTokなどSNSの利用率が非常に高い
・リスティング広告はGoogleが主要で、LinkedInは都市部のプロフェッショナル層を中心にユーザーが急速に増えている
規制・法律 ・2022年に個人データ保護法が成立し、ユーザーの個人情報を収集・利用する際の同意取得や目的明示が義務化
・オンラインコンテンツ規制も強化されており、宗教や公序良俗に反する広告は法律で禁止
文化的配慮 ・インドネシア語(公用語)で情報提供することで高い反応を得られやすい
・ビジネスシーンで英語が使われることが多く、英語を使用した広告配信でも一定の反応を得られる
その他 ・農業・資源大国であり、パーム油や鉱業(石炭・ニッケル)関連のBtoB需要が大きい
・経済多角化に伴い製造業やインフラ投資も拡大しており、建設機械や工業部品の市場が成長中

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中東

トルコ

広告媒体 ・Googleが検索広告が主流だが、Yandexのシェアもかなり高い(Yandexはロシアで開発された検索エンジンであるが、トルコ向けにローカライズした機能の拡充を行った結果、トルコでも高いシェアを誇っている)
・ソーシャルメディアではInstagramやFacebookの利用者が多く、LinkedInも一般的に普及している
規制・法律 ・トルコには2016年施行の個人データ保護法(KVKK)があり、EUのGDPRに近い水準で個人データの取り扱いを規制
ソーシャルメディア法により、一定規模以上のプラットフォームは国内に代表者を置き当局のコンテンツ削除要請に応じる義務がある
文化的配慮 ・ビジネス上はトルコ語でのコミュニケーションが一般的だが、都市部では英語を話せる人の割合も多いため英語での広告配信も有効
その他 ・自動車製造や繊維産業が盛んで、それらサプライチェーン向けの機械・部品需要が大きい
・地理的に欧亜の結節点であるため、物流・建設分野のプロジェクトが多く、インフラ関連のBtoBビジネスチャンスが豊富
・都市部では展示会や見本市が盛んで、BtoBマッチングの場が多数存在する(参照

UAE

広告媒体 ・Google検索広告やYouTube広告の効果が大きい
・BtoBでは多くの企業がLinkedInを使用しており、ターゲットに応じ英語とアラビア語の2言語で運用されている
規制・法律 ・UAEでは2022年に包括的な個人データ保護法が制定され(EUのGDPRに類似)、マーケティング目的で個人情報を扱う際の同意取得やデータ管理が義務化
・断食月ラマダン中の派手な宣伝は避ける傾向がある
文化的配慮 ・ビジネス言語は英語が主流だが、官公庁やローカル企業向けにはアラビア語の使用を検討する必要がある
・UAEは多数の外国人が働く多文化社会のため、異文化に配慮した中立的な表現が好まれやすい
その他 ・UAEには地域本部を置く多国籍企業が多いため、中東全域の企業を視野に入れたマーケティングが必要
・UAE発のBtoBマーケットプレイス「Tradeling」の調査では、UAE・サウジ企業の約半数が調達をオンラインで行い、82%が今後オンライン購買が増えると回答

サウジアラビア

広告媒体 ・LinkedInの普及が進んでおり、専門分野のグループや広告を通じて意思決定層にリーチ可能
・検索エンジンはGoogleが主であり、アラビア語での広告配信が有効
規制・法律 ・広告コンテンツの規制が厳格で、イスラム法に反する要素は一切許容されない
・広告キャンペーンは当局の事前承認を得ることが推奨されており、不適切な表現には「レッドライン」と呼ばれる禁止用語の基準が存在する
文化的配慮 ・アラビア語での情報提供が望ましい(英語での広告には反応が得られにくい)
その他 ・「Vision 2030」による経済多角化で、建設・インフラ(新都市NEOMなど)や再生可能エネルギー、観光開発などへの巨額投資が行われており、これら分野で海外企業との提携や調達が増えている
・政府系プロジェクトが多いため、公共調達の入札情報や政府系企業へのアプローチが有効

北米

アメリカ

広告媒体 ・Google広告(検索連動型)とMicrosoft広告、SNSではLinkedIn広告が主流(Microsoft広告はGoogle広告より平均クリック単価が下がりやすく、ビジネス向けの用途で使用される割合が高いため出稿を推奨)
・業界専門サイトやテック系ブログへのディスプレイ広告、ABM(Account-Based Marketing)プラットフォームによる特定企業向け広告配信も有効
・Googleリスティング広告出稿時の平均クリック単価が高くなりやすい(競争の激しさと物価高騰が影響している可能性が高い)
規制・法律 ・全米で共通のプライバシー法はないが、州法ではカリフォルニア州のCCPAをはじめ、バージニア州コロラド州などで個人データの収集・販売に対する規制が存在する
FTC(連邦取引委員会)のガイドラインで虚偽・誇大広告は禁止されており、BtoB広告でも事実に基づく表示が求められる
文化的配慮 ・結果志向かつ時間効率重視で、マーケティングメッセージも定量的かつ端的な価値提案が好まれる
・意思決定は合理的なデータ重視型が多く、ホワイトペーパーや事例紹介など裏付け資料が有効(ヨーロッパのユーザーほど個人情報の送信を伴う資料ダウンロードに抵抗がない)
その他 ・IT・ソフトウェア、金融サービス、製造業(航空宇宙・自動車・機械)、ヘルスケアなどが主要なBtoB市場

カナダ

広告媒体 ・カナダのBtoBマーケットでもGoogle/Microsoft(Bing)/LinkedInが主力
・英仏二言語市場であるため、英語圏向けには米国同様のチャネルを活用しつつ、ケベック州などフランス語圏向けには仏語の広告が有効
規制・法律 ・連邦法のPIPEDAにより個人情報の収集・利用・開示に関する包括的ルールが存在する
・商用電子メッセージに関しては世界でも厳しいCASL(迷惑メール防止法)があり、事前の明確なオプトインなしに営業メールを送ることは違法
文化的配慮 ・ケベック州を含む多文化社会であり移民も多いため、英仏バイリンガル対応を含めた多様性に配慮したコンテンツの作成が推奨される
その他 ・天然資源(石油・鉱物・林産)が経済の重要な部分を占め、資源開発やエネルギー産業向けのBtoB需要が高い
・政府調達では現地企業優遇策があるものの、インフラプロジェクトなどで海外企業にも商機がある

ヨーロッパ

イギリス

広告媒体 ・Google広告とLinkedInがBtoBでは主要なメディア
・BBCやFinancial Timesなど高信頼メディアの広告枠や、業界特化サイト(例:TechCrunch UK)への出稿も選択肢に入る
規制・法律 ・EU離脱後もUK版GDPRを維持しており、個人データの扱いはEUとほぼ同等に厳格
・広告規制はASA(広告基準局)が管轄し、CAPコード(非放送広告コード)に従って誇張・欺瞞のない広告表現の使用が必要(例:競合他社の名指し比較には十分な根拠表示が必要)
文化的配慮 ・イギリス英語のスペル・用法を遵守する
・人種・宗教的多様性への尊重は社会的に重要視されており、コンテンツの登場人物やメッセージでもインクルーシブな表現が好まれる
その他 ・金融サービス(ロンドンのシティ)やコンサルティング、ITスタートアップが盛んな市場
・ホワイトペーパーや調査レポートを活用したリードナーチャリングが一般的で、Web広告を同目的で使用することも一般的

フランス

広告媒体 ・Google広告とMicrosoft広告、SNSではLinkedInが主要な媒体(例:LinkedIn利用者は2,000万人以上)
・フランス語圏のビジネスフォーラムや専門メディア(例:Les Echos)での広告・記事掲載も有効
規制・法律 ・GDPRが適用され、クッキー使用時の明示的同意取得など徹底が求められる
トゥーボン法(言語法)により、広告は基本的にフランス語で行う必要があるため、コンテンツはフランス語で作成し、広告もフランス語での配信が推奨される(BtoB企業の配信する広告では、問題にならないことも多い)
文化的配慮 ・基本的にはフランス語での広告配信が望ましい上に反応も良い(英語での広告配信は可能だがトゥーボン法の観点から推奨はされない)
・自国文化への誇りが高いため、フランスの技術者による解説や「メイド・イン・フランス」の要素があると信頼性が上がりやすい
その他 ・航空宇宙・防衛(エアバスなど)、ラグジュアリーブランド関連産業、エネルギーが主要分野
・展示会(例:パリ航空ショー)など伝統的手法が今なお重要だが、デジタルではウェビナーやオンデマンド動画を用いた商品説明が増えている

ドイツ

広告媒体 ・Google広告とMicrosoft広告、SNSではLinkedInが主要な媒体であるがドイツ独自のXing(プロフェッショナルSNS)も選択肢に入る(LinkedInとXingはユーザー層が重複するが、ともに約2,000万前後のユーザーがいる)
規制・法律 ・GDPRの遵守はもちろん、ドイツではそれ以上にユーザープライバシーへの意識が高い(例:クッキーの承諾率やWebサイトに埋め込んだフォームへ個人情報を入力するユーザーの割合が低い)
・トラッキング許可を得ないクッキーの設置や、同意なしのニュースレター配信は厳格に禁止されている
文化的配慮 ・BtoBの広告の配信言語は英語でも高い反応を得られることが多い(ドイツ語の配信も有効)
・論理と実証データを重視する傾向があるため、白書や技術資料を含む根拠を提示するコミュニケーションが必要
その他 ・機械・自動車・化学といったエンジニアリング大国らしい産業が強み
・見本市のデジタル代替として、ウェビナー開催やバーチャル展示会への集客にWeb広告が積極的に活用されている

スペイン

広告媒体 ・Google広告/Microsoft広告とLinkedInが主要な媒体
・SNSではFacebook利用者も依然多く、BtoBでもターゲティング次第で活用可能
規制・法律 ・GDPR遵守に加え、スペイン国内法としてLOPD(個人データ保護法)LSSI(情報社会サービス法)があり、電子メールマーケティングにはオプトインが必須、ウェブサイトのクッキー使用には明示の同意が必要
文化的配慮 ・スペイン語での広告配信が推奨され、カタルーニャ語を含む地域言語については対象地域を考慮して決定する必要がある(英語での広告配信も一定の効果あり)
その他 ・観光・建設・自動車組立などが主要産業
・展示会や業界イベントを好む傾向がまだ強いが、デジタルではメールニュースレターやホワイトペーパーに力を入れる企業が増加傾向

イタリア

広告媒体 ・Google広告とLinkedInが中心(LinkedInユーザー数は1,500万人以上)
・Facebookも中小企業オーナー層にリーチするには有効
規制・法律 ・GDPRに準拠しつつ、イタリアはCookie規制やデータ転送規制に厳しい
競争当局(AGCM)が不当表示や誇大広告に対して監視を行っている(例:「100%安全」と謳った広告に対し罰金が科された事例がある)
文化的配慮 ・イタリア語での広告配信が推奨される(英語では反応が得られにくいこともある)
その他 ・ファッション・ラグジュアリー関連の製造、機械工具、食品加工機械など、中小企業が高い職人技術で支える業界が多い
・BtoBマーケティング手法としては古典的な代理店ネットワークや展示会依存も根強く、徐々にオンライン広告やSNSを取り入れている段階

まとめ

BtoB企業が海外向けの広告配信をする際の注意点と各国の特徴を解説しました。国別にWeb広告の配信を検討されているBtoB事業者の方は、ぜひ弊社までお気軽にご相談いただけますと幸いです。

弊社(テクノポート株式会社)では、製造業向けに「海外リスティング広告運用代行」サービスを行なっております。
壁打ち相談会(30分)」も実施していますので、お気軽ににお声がけいただければ嬉しく思います。

【2024年最新】調査レポートのご案内
BtoB企業の
海外向けマーケティングに関する
実態調査
資料イメージ

【調査期間】 2024年1月22日〜1月23日
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稲垣 達也
【経歴】
テクノポート株式会社「海外Webマーケティング」サービスの責任者
名古屋工業大学大学院 電気機械工学専攻 博士前期課程卒業
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