調査レポート概要

調査実施者:テクノポート株式会社
調査概要:研究者、製品開発者の情報収集方法におけるアンケート&インタビュー調査
調査方法:インターネット調査
調査期間:2025年4月22日~同年4月29日
有効回答:従業員数300名〜5,000名以上の企業に務める研究者、製品開発担当者(合計269名)
※構成⽐は⼩数点以下第2位を四捨五⼊しているため、合計しても必ずしも269とはなりません。

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製品開発者の情報収集方法におけるアンケート

本調査は、製造業における新規顧客獲得の成功要因についてのアンケートをまとめたものです。

Q1、回答者の関わっている製品・技術分野

自動車関連が最も多く(35.6%)、次いで家電・電機、電子部品、化学・高分子など。自動車や電気電子分野を中心で、日本の製造業の基盤を支える回答者が多くなっています。

Q2、回答者の立場・役割

実務担当者(33.5%)、リーダー(30.5%)、マネージャー(24.9%)が中心。情報を探索・判断する層は経営層ではなく、現場寄りの技術者や中間層が主役です。自ら調査し社内に持ち帰って検討する役割を担っており、情報発信側は「意思決定の下地をつくる」支援を意識する必要があります。

Q3、業務上必要な技術に関する情報収集の媒体

技術者が日常的に活用している情報源には、展示会や論文といった従来のチャネルに加え、生成AIや動画といった新しい手段まで、幅広い選択肢が含まれているようです。
中でも展示会・学会は、実物を見たり対話を通じて得られる情報の価値が高く、今なお多くの技術者に支持されていることがうかがえます。一方で、特許情報や学術論文データベース、企業のWebサイトなども重視されており、これらは技術の選定や比較判断のための「理解のベース」として機能していると考えられます。
注目したいのは、生成AI(ChatGPTなど)を日常的な情報収集の手段として活用している技術者が2割を超えている点です。生成AIは、単独で完結するツールというよりも、検索エンジンや論文と併用しながら、調査の入口や要点整理に使われているケースが多い印象です。
技術者が単一の媒体に頼るのではなく、目的や状況に応じて情報源を使い分けているということです。技術マーケティングにおいては、このような複層的な探索行動に対応するために、知識レベルや意思決定段階ごとに情報を設計することが欠かせないといえます。

Q4、情報収集する情報の内容

技術者が情報収集の場面で最も重視しているのは、「最新の技術トレンド」(62.1%)、「技術原理の説明」(60.9%)、「製品仕様・カタログ情報」(60.1%)といった、技術の理解や判断の土台となる情報でした。
これらはいずれも、特定の製品や技術を「比較・評価・選定」する際の基準となるものであり、マーケティング活動においては“説得の前に必要な納得”を生み出すための要素といえます。
次いで「導入事例・実績」(45.2%)や「競合他社の動向」(44.0%)、「市場動向・業界情報」(41.5%)といった、判断の裏付けやトレンドを確認するための情報も高い関心を集めています。これは技術導入の意思決定において、“その技術がどこで使われているか”“市場でどう評価されているか”といった社会的な文脈が意識されていることを示しています。
この結果からは、技術者の情報ニーズが判断のための知識層を中心に構成されており、まず「納得できる理由」を探していることが読み取れます。技術マーケティングの場面では、こうした知識ベースの情報を丁寧に設計し、信頼の基盤を築くことがより重要になってきているといえそうです。

Q5、自社の技術で解決できない問題が発生した時の調査

自社技術では解決できない問題が発生した際、技術者たちはまず社内の他部署・他チームに知見がないか確認するという行動を最も多く取っていました(61.7%)。このことから、初動としては「身近なところから答えを探す」傾向があることがわかります。
次いで多かったのは、検索エンジンでの情報探索(55.0%)や取引先・サプライヤーへの相談(42.0%)といった社外接点の活用であり、現場の課題解決に向けては、自力調査と対話的アプローチの併用が行われている様子がうかがえます。
さらに、「生成AI(ChatGPTなど)に質問して情報収集した」と回答した人が24.9%に達している点は見逃せません。つまり、4人に1人がChatGPTなどの生成AIを“新たな技術検索ツール”として活用していることが明らかになりました。
これは検索エンジンと並ぶ情報収集手段として、生成AIが日常業務に浸透しつつあることを示しています。技術的な前提理解や調査の入口、概念整理などの用途において、AIが一定の役割を担っていると考えられます。

Q6、自社の技術で解決できない問題が発生した時の調査

自社技術では解決できない問題が発生した際、技術者たちはまず社内の他部署・他チームに知見がないか確認するという行動を最も多く取っていました(61.7%)。このことから、初動としては「身近なところから答えを探す」傾向があることがわかります。
次いで多かったのは、検索エンジンでの情報探索(55.0%)や取引先・サプライヤーへの相談(42.0%)といった社外接点の活用であり、現場の課題解決に向けては、自力調査と対話的アプローチの併用が行われている様子がうかがえます。
さらに、「特許情報の調査(29.4%)」「論文データベースの参照(26.0%)」といった専門情報の活用に加え、「生成AI(ChatGPTなど)に質問して情報収集した」と回答した人が24.9%に達している点は見逃せません。つまり、4人に1人がChatGPTなどの生成AIを“新たな技術検索ツール”として活用していることが明らかになりました。
これは検索エンジンと並ぶ情報収集手段として、生成AIが日常業務に浸透しつつあることを示しています。技術的な前提理解や調査の入口、概念整理などの用途において、AIが一定の役割を担っていると考えられます。

Q7、解決策を見つけるための最終手段

技術的な課題解決を目的に、過去1年間で技術者たちが実際に行った活動としては、「社内の他部署との連携」が最も多く(56.5%)、まずは社内で知見を集めながら検討を進めている実態がうかがえます。
それに続くのが、「展示会・学会での情報収集」(35.7%)や「他社との共同研究開発」(29.4%)であり、技術課題に対しては社内対応だけでなく、社外との協働や情報交換も積極的に行われていることが読み取れます。
また、「論文・特許情報の調査」(24.5%)、「大学との共同研究」(23.0%)といった、研究寄りのアプローチも一定の割合で見られており、課題の内容や目的に応じて、探索対象を広げている様子が感じられます。
このような結果から、技術者たちは課題の性質に応じて、社内外のネットワークを自在に行き来しながら、現実的かつ戦略的に解決手段を模索しているといえます。
技術マーケティングにおいては、こうした探索・連携の「きっかけ」や「比較材料」となれるような情報設計や接点づくりが、より重要になってくると考えられます。

Q8、検索エンジンでよく使うキーワードの種類

検索エンジンで技術情報を調べる際、最も多く使われているのは「技術の専門用語」で、実に約7割(69.9%)の技術者がこれを中心に検索しているという結果となりました。このことから、技術者たちは日常的に比較的高度なキーワードでの検索を前提にしていることがわかります。専門用語を軸にしつつも、「自分の理解を深めるための学習的なキーワード」や「現場で起きている問題を言語化するキーワード」も多く使われており、探索の目的に応じた使い分けが行われていることがうかがえます。
検索時に使われるキーワードには「専門性」「目的」「文脈」が反映されており、ただ情報を発信するだけではなく、“どう検索されるか”を想定しておくことがコンテンツ設計の鍵となります。特に技術系領域では、専門語と基礎語、課題語の3層構造を意識した情報設計が効果的だと考えられます。

Q9、Webサイトで重視する情報

企業のWebサイトで技術者が最も重視しているのは、「製品仕様・スペック」(65.4%)と「技術原理の説明」(62.8%)でした。これらはともに、導入判断における基礎的かつ核心的な情報であり、「この技術は本当に使えるのか?」「自社のニーズと合致するのか?」を見極めるための重要な判断材料といえます。
Webサイトの最前面に置くべきは「スペック」「技術原理」「事例」「成果」などの信頼構築型コンテンツであるという明確な示唆が得られます。技術的な製品・サービスを扱う企業にとっては、“まずは納得してもらうこと”を主眼に置いた構成設計が重要になるといえます。

Q10、ダウンロードしたいと思う資料の種類

企業のWebサイト上で技術者が「ダウンロードしたい」と感じる資料の種類として最も多かったのは、「技術仕様書」(70.6%)でした。この結果から、技術者が具体的な判断や社内での検討を行う際に、まず正確で網羅的な仕様情報を必要としていることが明らかです。「ユーザーマニュアル」(47.6%)や「技術レポート・ホワイトペーパー」(45.4%)も高い割合で選ばれており、導入後の具体的な使用方法や、専門的な知見の裏付けが求められていることもうかがえます。
この傾向から見えるのは、Webサイト上のダウンロード資料が「一時的な閲覧」ではなく、「社内資料として回覧・検討・保管される前提」で使われているということです。
この結果は、Webサイト上に掲載する資料を「誰に、どの段階で使われるのか」を踏まえて設計する重要性を示唆しています。技術マーケティングにおいては、仕様・理解・判断・比較の各ステージに応じた資料構成と、ダウンロードしやすい導線設計が今後ますます求められていくと考えられます。

大手メーカーの技術者へのインタビュー調査

上記で行ったアンケートに加えて5名の方に協力いただき、情報収集に関する細かいインタビューを行いました。情報収集のプロセスについてより粒度の細かい内容を知ることができます。

インタビュイーの紹介

5人のインタビュイーは分野は違えども、どの方も超大手の研究開発担当者です。

具体的な質問は以下の10個です。

  • Q1 日常的な情報収集について
  • Q2 問題が発生した際の情報収集方法について
  • Q3 外部の専門家や企業の調査方法
  • Q4 Web検索の使い方
  • Q5 Webサイトで確認する情報
  • Q6 Webサイトの資料ダウンロードについて
  • Q7 Webサイト内の動画について
  • Q8 SNSの閲覧について
  • Q9 AIの活用について
  • Q10 アドバイス

それぞれについて5人の答えを表にまとめました。

Q1、日常的な情報収集について

どの方も研究開発者は論文や学会情報を中心に情報収集を行っています。特にGoogle Scholar、パブメド、専門学会誌といった学術データベースを定期的に確認している傾向がありました。1名ですがYouTubeで検索して、論文の要約を見ている方もいました。

Q2、問題が発生した際の情報収集方法について

まず社内の関連部署や知見のある人材への相談。社内で解決できない場合は、関連する技術を持つと思われる企業のWebサイトや論文調査、特許情報の検索、展示会での情報収集なども行っていました。また、サプライヤーや営業担当者、大学教授など、外部の知見に頼るといった手法も見られました。

Q3、外部の専門家や企業の調査方法

Google検索や論文検索から始め、論文から特定の技術に関する企業や専門家を特定する方が多かったです。その他にも既存の取引関係のある企業からの紹介も重要なルートもありました。また、展示会に参加して直接コンタクトを取るか、オープンイノベーション推進部門などを通じたマッチングも活用されていました。

Q4、Web検索の使い方

具体的なキーワード(製品名、技術名、専門用語など)を使った検索が中心です。課題解決のための具体的な検索と、トレンド情報のための広範な検索の両方が行われています。近年はChatGPTなどのAIツールに情報収集を依頼する傾向も強まっており、GoogleなどのWeb検索の重要性が相対的に低下している様子が見られます。

Q5、Webサイトで確認する情報

製品仕様や技術原理、実績事例が最も重視されている情報です。特に製品の使用例や導入事例が充実していると参考になると評価されています。また、価格情報(目安でも)があると意思決定の助けになるとの声も多く聞かれました。

Q6、Webサイトの資料ダウンロードについて

積極的に資料をダウンロードする傾向があります。製品仕様書やカタログ、技術資料などが特に求められています。資料ダウンロード時の個人情報入力についても、必要な情報が得られるならば抵抗なく入力すると回答しています。

Q7、Webサイト内の動画について

埋め込み動画は見る傾向にありますが、YouTubeなどの外部サイトにわざわざ移動して視聴することは少ないようです。ただし、時間をかけて詳細を確認したい場合は文字情報のほうが好まれる傾向もあります。

Q8、SNSの閲覧について

研究開発の情報収集においてSNSはほとんど活用されていません。情報の信頼性の問題や、業務上の情報収集にはSNSが適していないという認識が強くあります。業務時間中にSNSを閲覧することに抵抗感があるケースも見られました。

Q9、AIの活用について

ChatGPTを中心に、AI活用が急速に進んでいます。特に基礎的な情報収集や概要把握において、検索エンジンよりもAIを使う傾向が強まっています。

Q10、アドバイス

新技術を研究開発者に知ってもらうには、学会や展示会への出展が最も効果的という意見が多く聞かれました。特にポスター発表や企業ブースでの展示は、専門家とのつながりを作る良い機会になります。技術情報がさまざまな場所に出ている方が発見される可能性が高まるため、論文発表、プレスリリース、ウェビナー開催なども併せて行うことが推奨されています。

まとめ

研究者・開発者の情報収集は、展示会や論文など従来の手段に加え、生成AIやYouTubeなど新しいチャネルも拡大しています。重視されるのは価格よりも技術原理や仕様といった理解の基盤であり、社内検討に使える仕様書やカタログ、技術解説資料などのダウンロード資料が特に求められています。

研究者は日常的に論文・展示会・学会から情報を得て、課題発生時には社内や取引先を起点に特許や専門家、AIなど多様な手段を組み合わせて解決を図っています。SNSは信頼性の低さからほぼ利用されず、新技術の発信には学会・展示会での露出と、Web上での技術原理や事例の充実が効果的と示されました。