受託加工業 Webサイト制作 Webコンサルティング

コロナ禍のイベント自粛でWeb経由の売り上げが月1件まで激減。 注力するターゲットを変えV字回復

COMPANY PROFILE

会社名
第一フォーム株式会社
担当者名
ディレクター 津金 智子 様
事業内容
発泡スチロール加工
サイトURL
https://www.daiichi-foam.co.jp/
導入サービス
Webサイトの制作
Webコンサルティング

第一フォーム株式会社は、NC加工機を用いて発泡スチロール加工を行う会社です。CADデータをもとにした、精度の高い発泡スチロール加工を得意としています。2018年のWebサイト制作以来、展示会やイベントなどで使われる立体ロゴやモニュメントなどの発泡スチロール造形を中心に、Webマーケティング施策を行ってきました。

2020年、新型コロナウイルス感染症の影響による展示会や各種イベントの開催自粛を受け、電波の測定台などの治具や工業製品の緩衝材の引き合いを狙いとしたWebマーケティング施策に注力しました。
一時期はWeb経由の受注は月1件まで落ち込みましたが、1年後には過去最高の月17件受注を達成し、V字回復を果たしています。

コロナ禍でのWebマーケティングの効果

2020年と2019年を比較すると、工業分野の発泡スチロール加工品のページアクセス・問い合わせ数はともに3倍以上増加しました。
また工業用途の加工品は、イベント系の依頼と異なり、リピート率が高く継続した取引になることも大きな成果です。

Webマーケティング施策の概要

緊急事態宣言が発令された2020年4月から、工業分野へのWebマーケティングに注力するため、テクノポートでは方針を立てるためのキーワード・競合調査やコンテンツ案作成を実施。第一フォーム様には、既存顧客へのヒアリングや掲載事例の検討をしていただきました。

毎月の定期コンサルティングで、集まった情報や資料をもとに、Webサイト上のコンテンツの修正や追加をできるものから作成して継続的な更新を実施。
7月の後半からは検査治具や緩衝材などの問い合わせが増え始め、10月には大口の受注も入りました。

お客様の声 ディレクター 津金 智子様

コロナ禍の影響はいつ頃から感じましたか?

3月頃からです。3月までは1、2月の受注分があったので、まだ売り上げが立っていました。イベントの自粛要請が出てだんだんとイベント自体がなくなると、案件がなくなった連絡があったり、製作が完了しても納品できず弊社で保管をする案件が出てきたりして、よりコロナの影響を感じました。

4月に入って緊急事態宣言が出ると、問い合わせも売り上げも落ちて、4月はWeb経由で受注した売り上げは1件だけでした。もともと今年は、従来からのターゲットであるイベントや展示会での企業ロゴやオブジェ制作を検討しているお客様向けに、SNSでの発信を強化する予定でした。とはいえ、いつ元に戻るかもわからない中で、今までと同じ施策をとり続けることはリスクも大きいです。なので、コロナ禍でも影響の少ない工業分野で用いられる治具や製品の緩衝材の製作を軸とした施策に注力することにしました。

今までの「成功している分野」から、戦略を変えることに不安はありませんでしたか?

正直、全然心配していませんでした。
と言うのも「変える」というよりは、世の中のニーズや流れに合わせて私たちができること、持っているカードを出していくという感じだったんですね。

今まであまり着手してこなかったり、事例などが手薄だったりというのはあるんですけど、現場の肌感やWebマーケティングのレポートなどで、工業用途の発泡スチロール加工品の市場があることは確信していました。加えて、Webマーケティングで効果が出ることは、Webサイトを作っていただくなど、改善に取り組む中でわかっていたので不安とかはなかったですね。

SNS広告やオンライン展示会など、いろいろなオンライン施策について営業の電話やメールが届きましたが、特に迷うこともなく自社のWebサイトでの集客1本でいこうと思っていました。
うちはお客様の業界も広いので、ターゲットを絞り込むのはあまり向いていないと思っています。

まぁ、コロナは今までにない事態という認識があったので、「やるしかない」って緊迫感もあって、不安を感じている場合でもなかったです。(笑)

事例の掲載許可が得られないなどコンテンツづくりにおける課題に対して、工夫したことはありますか?

今まで工業分野のコンテンツづくりが進んでいなかったのは、掲載許可の問題もありますがイベント系のコンテンツづくりと比べて後回しになっていたからでした。
工業用途でのお客様は、図面があることが大半で素材も指定されていることが多いんです。なので、制作に必要な連絡は行っても、お客様の業界でどう呼ばれているのかや、発注の決め手は何だったのかなどまでは、忙しさを理由にして深掘りできていなかったと思います。
使用される業界も幅広く、理解が追いついていなかったのもありますね。

4月頃は時短営業にしても暇になってしまって、とにかく時間があったのでお客様にヒアリングしたり、業界のことを教えてもらう時間がしっかり持てました。加えて、過去の図面を引っ張り出してきて、受注している製品の用途や業界などの分析も改めて取り組みました

過去のものであってもモックアップなどは掲載ができないので、社内でWebサイトのためにドローンのモックアップを作成しました。これも時間があったからできたことです。

この1年を振り返ってどうですか?

Webサイトを作った当初は「発泡スチロール加工」で上位表示をしていけば、イベントに使うようなロゴオブジェから工業用途で使われる製品まで問い合わせが来るようになるかと思っていました。でも、今回お客様から話を聞いてみて、求められているポイントが違うことがよくわかりました。
この1年でお客様とも向き合いましたし、今まで以上に競合となる会社や狙っていきたい業界などが具体的になりました。もちろん今の世の中の状況は良くないですけど、この状況になったからできたことや見えてきたこと、見つめ直したことがたくさんあります。

今までは「発泡スチロールで面白いことをやっている会社」とアピールをしてきたのですが、これからは「多くの加工実績がある上で、新しいことに挑戦し続ける会社」として、より成長していきたいと思います。

最後にWebマーケティングに取り組む方へ一言お願いします。

Webサイトを作ったけど効果がないとか、コンサルティングをする会社がわかってくれないという話も耳にします。でも結果が出ないときは、まず自分たちが自社の課題やお客様のニーズに向き合えていないことが多いと思います。

テクノポートさんは私たちの考えている要望や課題に対して、事例を集めてイメージを共有したり問題を一緒に整理したりして、一緒に考えてくれます。
やった方がいいことを広げるばかりではなく、優先順位や着地点に落とし込んでくれるので、限られた時間やリソースでも取り組めていま宿題多いときもありますけど。(笑)
今後も引き続きWebサイトに注力して、コロナ禍で見えてきた新しいターゲットを狙っていきたいと思います!