製造業勤務、機械系エンジニアライターの藤田です。今回は、製造業におけるチャットボット活用事例を紹介します。
この記事の目次
チャットボットとは
チャットボットとは、チャット(Chat)とボット(Bot)を組み合わせた言葉です。テキストや音声で自動応答するプログラムで、製品やサービスの問い合わせページによく設置されています。チャットボットの中ではLINEチャットボットがよく知られており、見たことがある人も多いでしょう。Web上の問い合わせページを開いたときに、右下にチャットボックスが出てくる場合が多いです。
チャットボットでできること
カスタマーサポートに活用して人件費削減
カスタマーサポートの電話対応は、お客様一人に対して一人のオペレーターが対応をします。一方、チャットボットは自動応答プログラムなので、同時に多数のお客様に対応できます。複雑な問い合わせのみオペレーターが対応することで、人件費削減につながります。
お待たせ時間短縮
お客様が電話の順番待ちをすることなく問題を解決できるので、満足度が向上します。
カスタマーボイス、問い合わせデータ蓄積
チャットボットは製品に対するお客様からの感想や、問い合わせデータを蓄積できます。そのため、製品やサービスの改善点などを把握しやすいです。どのような製品やサービスがお客様に求められているかわかるので、次世代の製品やサービス開発に活かせます。
24時間対応で機会損失を減らす
休日や夜間もチャットボットは稼動できます。そのため、問い合わせからカタログやホワイトペーパーへと誘導でき、リード獲得につながり、機会損失を減らせます。
社内ナレッジの検索に活用し、業務効率化
大きな企業では、社内のシステムが複雑であったり、ナレッジが膨大で情報検索をするのに時間がかかったりします。チャットボットで情報を検索するようにすれば、手間を減らして業務効率化できます。
製造業のチャットボット活用事例
製造業のチャットボット活用事例とその特徴を紹介します。
デンソー
株式会社デンソーは自動車部品のメーカーです。連結でおよそ17万人の社員がいる大企業です。製品設計ツールをはじめとするさまざまな社内システムの問い合わせに素早く対応するため、チャットボットを導入しています。時差に関係なくいつでもチャットボットが応答するので、社員は素早く情報を手に入れられます。また、世界中の社員が同じ情報を得ることで、共通理解が得られるので生産性が上がります。グローバル大企業に適した事例といえるでしょう。
オムロン
オムロン株式会社はFA機器やヘルスケア製品のメーカーです。ヘルスケア製品のカスタマーサポートにチャットボットを活用。ページ右下にチャットボックスが配置されていて、問い合わせを受け付けています。 キーワードを入力すると、よくある質問を表示します。
三菱重工工作機械
三菱重工工作機械株式会社は、工作機械のメーカーです。加工機の問い合わせ対応にチャットボットを使っています。チャットボットの回答に対して、GOODボタン・BADボタンで評価をつけることができます。また、フィードバックコメントも送信可能となっており、チャットボットに対する顧客の声を集めやすい設計になっています。改善しやすく設計されているチャットボットといえるでしょう。
チャットボットの作り方/サービスの選び方
チャットボットをゼロから自社で作るには、コーディングなどの専門知識が必要で、時間がかかります。導入コストをおさえ、短期間でチャットボットをつくる方法と、ポイントを紹介します。
導入、運用をサポートする会社に依頼
チャットボットの導入、運用をサポートする会社があります。中には製造業に納品している会社も。こうした会社に依頼すれば、コーディングなど専門知識や技術がなくてもチャットボットを導入できるでしょう。
導入時のポイント
チャットボットで解決したい課題を明確にする
チャットボットで何を解決したいか決めておきます。問い合わせ対応のオペレーターの数を減らしたい、お客様のリード情報をもっと獲得したいなど、できるだけ具体的に考えましょう。
チャットシナリオ設計
チャットでどのように質問対応するのか決めます。例えばカスタマーサポートの場合、製品やサービスのキーワードや質問などを事前に集めて、データを整備していきます。
複数の社員で検証
正しく動作するのか確認します。チャットボットの回答は、質問に対して適切かどうか、誘導したページが正しいかなどを検証します。一人の社員だけでなく、複数名で検証しましょう。
運用開始
チャットボットの運用を開始します。外注する場合は、運用中の調整方法などを確認しておきましょう。
まとめ
チャットボットは業務効率化、人件費削減、そしてお客様満足度向上に貢献できます。すでに製造業で活用している事例もあり、今後も拡大していくでしょう。自社でチャットボットを開発できない場合、サポートする会社に依頼する方法もあるので、一度検討してみてはいかがでしょうか。