テクノポートの廣常です。企業としてのSNS活用を検討される中で、Instagramを始めようと考えられる方もいらっしゃるかと思います。そんなInstagramには個人アカウントだけではなく、ビジネスアカウントがあるのをご存知ですか?ビジネスアカウントを利用すれば、自社のサービスや商品を効率よく宣伝できるため、集客につなげられる可能性がより高まります。
本記事ではInstagramの個人アカウントとビジネスアカウントの違いや、ビジネスアカウントのBtoB製造業活用事例についてご紹介します。
この記事の目次
Instagramの「ビジネスアカウント」とは
ビジネスアカウントでは、個人アカウントでは利用できないアクセス解析機能や、ストーリーズやフィードに広告を掲載できる機能が備わっています。ビジネスアカウントの作成は決して難しいものではありません。開設方法を参考にビジネスアカウントの作成を行ってみましょう。
概要
ビジネスアカウントを作成する上で特別な審査はなく、誰でも簡単にアカウントの作成ができます。まずはInstagramの個人アカウントを開設してから、ビジネスアカウントへ移行して、各種設定を行う流れとなります。ビジネスアカウントではアクセス解析だけでなく、広告を掲載できるメリットがあります。その反面、非公開アカウントに変更できないなどのデメリットがあるため、良し悪しを理解した上で運用しましょう。
開設方法(手順)
ビジネスアカウントを開設するための手順をご紹介します。登録方法は個人アカウントを開設する時の手順と同様で、スマートフォンもしくはパソコンからアカウントの開設ができます。
1. ユーザー登録をする
Instagramのアプリもしくはブラウザからユーザー登録を行います。下記3つの登録方法がありますので、自分が使いやすいものを選択しましょう。
①メールアドレス
②電話番号
③Facebookアカウント
2. 認証コードの入力
①で登録したメールアドレスもしくは電話番号に認証コードが届きます。認証コードを入力して次に進みましょう。
3. 基本設定
氏名、パスワード、生年月日を入力して基本設定を行います。
4. ユーザーネームの設定
ユーザーネームはビジネスに関係したものを使用しましょう。ユーザーネームは何回でも変更可能ですが、フォロワーの混乱を招く恐れがあります。企業アカウントを運用する上で、ユーザーネームの変更は慎重に行いましょう。
既存アカウントからの切り替え方法
Instagramをビジネス目的で運用したい場合は、個人アカウントからプロアカウントに切り替えなければなりません。プロアカウントへの切り替え手順は以下の通りです。
1. プロアカウントへ移行
「プロフィールを編集」もしくは、「設定」→「アカウント」から「プロアカウントに切り替える」を選択します。
2. カテゴリの選択
自社が提供するサービスや商品に合ったカテゴリを検索・選択。
3. アカウントのタイプを選択
アカウントタイプには「クリエイター」と「ビジネス」の2パターンがあります。企業としてアカウントを運用したい場合は「ビジネス」を選択しましょう。
4. Facebookとの連携
Facebookのアカウントを持っている場合、Instagramとの連携がおすすめです。連携をすることで、両方のプラットフォームに同じ投稿ができるようになります。多くの人に投稿を見てほしい場合や、投稿の手間を減らしたい場合には、Facebookとの連携を行いましょう。
メリット・デメリット
ビジネスアカウントのメリットとデメリットを理解した上で、Instagramを運用しましょう。
メリット
①ビジネス用のプロフィールが作成できる
ビジネスアカウントではカテゴリの選択ができます。自社の業種に近いものを選択して、ユーザーにアピールをしましょう。さらに、プロフィールには会社の電話番号、ホームページのURL、位置情報などが掲載できます。ユーザーにとっての利便性が上がるだけでなく、企業側も集客や売上につなげられます。
②アクセス解析機能
ビジネスアカウントでは、インサイトと呼ばれるアクセス解析ツールが無料で利用できます。投稿した記事のいいね数をはじめ、保存数やフォロワーの年齢層・性別まで確認できるため、SNSマーケティングを進めていく上で必要なツールといえるでしょう。ユーザーにとって関心度の高い投稿とはどのようなものなのか、インサイトを使って分析してみましょう。
③広告の掲載ができる
ビジネスアカウントでは、過去に投稿したストーリーズやフィードを広告として掲載ができます。このような過去の投稿を活用すれば、わざわざ宣伝用に画像や記事を作成する必要はありません。広告にかかる費用は課金方式によって大きく異なりますので、目的に合わせて広告を利用するとよいでしょう。
④Facebookとの管理権限が共有できる
FacebookとInstagramのアカウントを連携することで、管理権限の共有が可能になります。Instagram、Facebookの両方に同時投稿ができるため、記事を投稿する手間を減らせます。
デメリット
①非公開アカウントにできない
ビジネスアカウントの場合、非公開アカウントへの切り替えができません。
②連携できるFacebookページは1つのみ
ビジネスアカウントと連携できるFacebookページは1つのみです。連携したFacebookページでは、Instagramで投稿した記事のシェアが可能となります。複数のFacebookページでシェアはできないため、注意が必要です。
料金はかかるのか?
「プロアカウントを利用するためには費用がかかるのではないか?」と思うかもしれませんが、基本的には無料で利用できます。料金が発生するのは、ストーリーズやフィードに画像広告や動画広告を掲載する場合に限られます。
BtoB企業がInstagramで成果を出す使い道は?
SNSの「成果」とは?
InstagramをはじめとするSNSはコミュニケーションの場でもあるため、自社の情報発信を続けながら、同業・異業種の企業、もしくは一般ユーザーとの接点を少しずつ増やしていくだけでも十分価値のあるツールとなります。何気なく運営をしていく中でも思わぬ反響や縁が得られるといった「成果」につながるケースもあります。
また、SNSはすぐに効果が出るものではなく、情報発信の蓄積やフォロワーとの関係性構築の点から中長期的な取り組みが必要になります。そのため、特に初めてSNSを導入する場合は
- 目的や用途に捉われすぎず、自社が続けられそうなSNSを使用してみる
- すぐに高い成果を求めず、無理せず運営を続ける
- 投稿や他ユーザーとのコミュニケーションを楽しむ
といった方針が良いのではないかと考えます。
ただ、企業アカウントとして運営している以上、SNS担当者の方は社内から一定の成果を求められることもあるかと思います。この場合、SNSにはそれぞれ特徴があるため「自社がどんな目的を持つか(新規顧客開拓や求人など)」によって、活用すべきSNSが変わります。
各種SNSの特徴については以下もご参照ください。
成果が出る使い道はこの2つ
では、Instagramで成果が出る使い道(目的)は何でしょうか。弊社では以下の2点と考えています。
① 自社製品開発・拡販に向けた訴求
② ブランディング
Instagramの特徴は、なんといっても画像や動画などの視覚的な訴えに特化したSNSであるという点です。自社のページや、同テーマの投稿が集まる「ハッシュタグ(#〇〇)」の一覧には写真や動画が並び、テキスト情報は掲載されません。
また、各投稿にはリンクが貼り付けられないため、外部サイトへの誘導にも不向きです。そのため、Instagramには視覚的なアピールが重要な「自社製品開発・拡販に向けた訴求」と、画像や動画による訴求が効果的な「ブランディング」の2つが適していると考えます。
①自社製品開発・拡販に向けた訴求
Instagramは自社製品開発や、拡販に向けた訴求に活用できます。自社技術で製造可能な製品写真をまとめて投稿することで、カタログのようにシンプルかつわかりやすく見せることが可能です。特徴的な投稿がデザイナーの目に止まり、協業の提案が得られる可能性もあります。
また、英語のハッシュタグをつけることで、他のSNSよりも容易に海外ユーザーへシェアすることができます。
事例1
富士産業:https://www.instagram.com/fujisanngyo/
富士工業様は、工業製品をはじめ、アパレル什器、装飾金物などの幅広い分野の金属加工を行なわれています。
自社サイトから問い合わせのあったデザイナーの方がInstagramから製品の着想を得たり、Instagramをきっかけに建設関連の方から問い合わせが来たりと、多様な形式でInstagramが活用されています。
事例2
栗原精機:https://www.instagram.com/kurihara_seiki_co.ltd/
栗原精機様は、精密機械加工をメインとされているほか、BtoC向けにテープカッターやカラビナをはじめとした自社製品を広く展開されています。#アウトドア #キャンプ などのタグをうまく活用することで、特定のターゲットにも届きやすく集客効果が期待できます。
② ブランディング
自社へのイメージを形成するために重要なブランディングですが、こちらもInstagramが活用できます。画像・動画を活用することで、単なるテキスト情報よりも印象付けが行いやすくなります。このブランディングは、対企業はもちろん、普段BtoB企業が関わることの少ない一般ユーザー(BtoC)や、求職者にとっても同様に展開することが可能です。
事例1
インテル:https://www.instagram.com/inteljapan/
自社製品を盛り込んだ日常の風景を投稿することで、人々の生活のあらゆるシーンで役に立つ製品だと印象づけることが可能です。こうした自社製品が無いBtoB企業の場合も、自社が掲げるビジョンのイメージや、最終製品の画像などを掲載することによって自社がどういった会社なのかをアピールできます。
まとめ
Instagramのビジネスアカウントの立ち上げ手順から成果の出る使い道、事例をご紹介しました。Instagramの特徴を活かし、写真や動画での発信スタイルが自社に合いそうだ、という方はぜひ導入してみてはいかがでしょうか。