この記事の目次
なぜ、営業はこんなにも疲弊しているのか
- 営業が定着せず、気づけば辞めていく。
- 本来は経営に集中すべき社長が、いつまでも営業の最前線に立ち続けている。
- 新規開拓といえば、「数を打て」「気合で行け」といった精神論ばかりが飛び交う。
大げさかも知れないと思うかも知れませんが、実際に行っていることを言語化してみると、こうした状況に、心当たりのある中小製造業は少なくないはずです。そして多くの場合、その原因は次のように説明されます。
「営業力が弱い」「良い営業人材がいない」
しかし、本当にそうでしょうか。
実は、営業が疲弊する最大の原因は、個人の能力や努力ではありません。会社の構造そのものに問題があるケースがほとんどです。その核心にあるのが、マーケティングが存在しない状態で営業活動を回しているという事実です。
そもそも、受託加工は「営業だけで伸ばせる業態」なのか?
まず前提として押さえておくべきなのは、受託加工業には完成品メーカーのような「売る商品」が存在しない、という点です。
受託加工業にあるのは、加工技術や設備、対応力、過去の実績といった無形の要素です。つまり営業は、毎回ゼロから「自社が何者なのか」「何ができる会社なのか」を説明する役割を担っています。
さらに、受託加工の顧客は「困ってから」しか動きません。既存の外注先が対応できなくなった、急な仕様変更が起きた、トラブルが発生した――そうした切羽詰まった瞬間にだけ、初めて加工先を探し始めます。
営業がどれだけ努力しても、タイミングが合わなければ受注にはならない。この構造を無視して営業を強化すればするほど、空振りが増え、疲弊は加速していきます。
多くの会社が見落としている「マーケティング不在」という問題
営業が疲弊している会社では、営業が「説明係」になっています。
- 自社は何ができるのか。
- どんな案件が得意で、どんな仕事は向いていないのか。
- 他社と何が違うのか。
本来であれば、問い合わせ前にある程度整理されているべき情報を、すべて営業が口頭で説明しているのです。その結果、初期説明、ミスマッチ対応、選別作業まで、すべて営業が背負うことになります。これは営業個人の問題ではなく、マーケティングという前工程が存在しない構造の問題です。
営業がしんどい理由、構造の問題かもしれません
ここまで読んで、「うちの営業、まさにこの状態だ」と感じた方もいるのではないでしょうか。
もし、
- 展示会しか頑張る土俵が無い
- 「面談はできても、機会があれば」で終わってしまう
- 新規開拓が精神論になっている
- コネクションのある社長しか成果を出せない
こうした違和感があるなら、それは営業の問題ではなく、構造の問題です。
今すぐ答えを出す必要はありません。まずは一度、自社の営業構造を整理する視点を持つことから始めてみてください。
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マーケティングがない会社で、営業は必ず疲弊する
製造業における「営業」と「マーケティング」の違い
| 項目 | 営業 | マーケティング |
| 主な役割 | 個別案件への対応 | 売れる前提条件を整える |
| 対象 | 目の前の顧客 | 市場・顧客全体 |
| 時間軸 | 短期 | 中長期 |
| 成果指標 | 受注・売上 | 問い合わせの質・再現性 |
| 製造業での課題 | 属人化・疲弊 | 未整備な会社が多い |
営業とマーケティングは、役割ではなく時間軸が違います。中小製造業では、この2つが分離されず、営業に過剰な役割が集中しています。
営業は「今の売上」を取りに行く仕事です。一方マーケティングは、「未来の売上」を作るために、売れる前提条件を整える仕事です。
ところが中小製造業では、この二つが分離されないまま、営業にすべてが集中しています。その結果、営業は売る人である以前に、「整理役」「翻訳者」「選別係」になってしまいます。
この状態で営業を増やしても、疲弊は解消しません。同じ問題が人数分だけ増えるだけです。
中小製造業にマーケティング部署は作れない
ここでよく出てくるのが、「ではマーケティング部署を作ればいいのではないか」という発想です。
しかし、中小製造業においてこれは現実的ではありません。人も予算も限られ、現場と切り離されたマーケティングは、むしろ分断を生むだけです。
マーケティングを「SNS担当」「Web担当」として切り出してしまうと、現場感のない机上の空論になりがちです。
受託加工業におけるマーケティングの本当の役割
― それは「営業が頑張ること」ではなく「Webに任せること」
受託加工業におけるマーケティングの役割は、営業が意識改革をすることでも、新しいスキルを身につけることでもありません。
本質はもっとシンプルです。
営業が毎回口頭で説明していることを、あらかじめWebサイトに担わせること。
これこそが、受託加工業におけるマーケティングの本当の役割です。
マーケティングは「売る活動」ではなく「営業の前工程」
マーケティングというと、どうしても「売るための活動」「集客の話」と捉えられがちです。
しかし、受託加工業においてマーケティングが担うべきなのは、売ることではありません。
営業が動く前に、「この会社は、どういう会社なのか」を伝え切ること。
つまり、営業の前工程を整えることです。
本来であれば、問い合わせ前に理解されているべき、
- どんな困りごとに対応している会社なのか
- どんな案件は向いていて、どんな案件は向いていないのか
- なぜ、これまで選ばれてきたのか
こうした情報が整理されていないために、営業が最初から最後まで説明を背負う構造になっています
Webサイトは「選ばれるための事前説明装置」であり「探す側のタイミングを逃さない装置」
良いWebサイトは、会社案内や名刺代わりの存在ではありません。
受託加工業におけるWebサイトは、
「この会社に相談すべきかどうか」を、発注側が事前に判断するための説明装置です。
- 自社の立ち位置
- 得意・不得意
- 過去に対応してきた案件の傾向
こうした情報がWeb上で整理されていれば、発注側は問い合わせ前に、すでに選別を終えています。
同時にWebサイトは、発注側が「探し始めたその瞬間」を逃さない装置でもあります。
顧客が困り、検索を始めたとき、自社が「どんな課題に対応してきたのか」「どこまで踏み込んでくれる会社なのか」が明確に伝わるWebサイトでなければ、候補にすら残りません。
逆に言えば、探す側のタイミングに合った言葉で整理されたWebサイトは、営業が動く前から、自然と案件を呼び込みます。
問い合わせが来た時点で、勝負はほぼ決まっている
営業が疲弊している会社ほど、営業の時間は「自社の立ち位置説明」「得意・不得意の説明」「ミスマッチ調整」に使われています。
これらは本来、営業の仕事ではありません。事前に共有されていれば不要な会話です。Webサイトがこの前工程を担えば、営業は最初から「具体的な相談対応」に集中できます。受託加工業では、問い合わせが来た時点で、勝負の大半は決まっています。その違いを生むのが、Webサイトの設計なのです。
営業をこれ以上、消耗させないために
営業が疲弊するのは、頑張りが足りないからではありません。営業が戦う前の準備が、整っていないだけです。自社はどんな困りごとで選ばれているのか。それは初見の人にも伝わる状態か。営業が説明ではなく、相談に集中できているか。
営業を減らすためではなく、営業を楽にするためにWebを使う。
この発想に切り替えたとき、受託加工業のマーケティングは、初めて機能し始めます。
- 自社は、どんな困りごとで選ばれているのか
- それは初見の人にも伝わる状態か
- 営業が説明ではなく、相談に集中できているか
これらを一度整理するだけでも、状況は確実に変わります。
売り込みは行いません。まずは状況整理の相談からでも構いません。
お気軽にご相談ください。
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