テクノポートの徳山です。今回は製造業Webサイトで成果を出すための効果測定と対策方法についてです。
一言でWebサイトの効果測定法と言っても「どの段階で悩んでいるか」によってその方法は変わってくると考えています。製造業Webサイトの場合、最終的には「売上・利益を伸ばしたい」という目的で運営していらっしゃる方が多いと思います。しかし、多くの方はその前段階でつまづいていらっしゃると私は思います。
この記事の目次
段階別に効果測定と対策方法を考える
下記に段階別の目標例をまとめましたので、どの段階でつまづいているかを確認した上で、具体的な対策法を考えていただければと思います。
①アクセスの増加 → ②問合せの増加 → ③新規顧客の増加 → ④売上・利益の増加
もちろん右から順に経営的には優先順位が高い訳ですが、いきなり「利益増加させるためにWebサイトをどうするか」という悩みにはなり難いと思いますので、当然ながら悩みは左から順番に発生する形になります。つまり、まずはアクセスが全然増えない!という悩みから、アクセスはあるけど問合せに全然つながらない!という悩みに発展していく訳です。そして、どこで悩んでいるかによってWebサイトで効果測定すべきポイントも変わっていくので今回は段階ごとの効果測定法について考えていきたいと思います。
①アクセスが増えない
効果測定項目:アクセス数
対策:狙っているキーワードで上位対策できているか調べてみましょう。そもそも狙いのキーワードを設定していない場合は、設定しましょう。上位対策ができていない場合は、検索順位を上げるための対策を検討してください。上位対策ができている場合は、検索需要の少ないキーワードを狙っている可能性が高いのでキーワードの見直しが必要となります。
キーワードの見直しには「キーワードプランナー」というツールがあるのでご活用ください。また、使い方については過去記事「製造業WebサイトのSEO」をご参照いただければ幸いです。
②アクセスがあるけど問合せが全然増えない
効果測定項目:問合せ率(問合せ数÷アクセス数)
対策①:アクセスデータを検証しアクセスキーワードの分析を行ってください。検索者の気持ちになって「どのような目的でそのキーワードを使いアクセスしてきたか」を考えていけば”対策キーワードを見直す”か、”自社サイトのコンテンツを見直すか”のどちらかが見えてくるはずです。
対策②:ユーザがどこで脱落しているかを分析してみてください。ページごとに離脱率を調べてみて、悪いページのコンテンツをテコ入れしていく、という方法です。例えば、製品紹介ページの離脱率が高ければ、もう少し顧客に期待感を持たせるコンテンツを増やしてみるとか、他のページへ誘導できるようにリンクバナーを設置する、といった対策を行います。また、問合せフォームのページ離脱率が異常に高いのであれば問合せフォームの最適化(項目自体や項目数の見直し)を考えてみてはいかがでしょうか。
対策③:業種によってはメールよりも電話で問合せが入る場合があります。電話での問合せに関しても記録をつけていらっしゃいますでしょうか? 記録した結果、メールよりも電話が多い場合はWebサイトから電話で問合せしやすくする工夫をするのも一手かも知れません。
③問合せは多いけど新規顧客獲得に繋がらない
効果測定項目:受注率(受注数÷問合せ数)
対策:もう一度貴社の強みと、どのような顧客を獲得したいのかイメージを絞り込んでください。貴社の強みとアクセスユーザのニーズにギャップがある可能性があります。フェーズ③でよくあるのがターゲットが抽象的なケースです。Webの世界では専門性が高ければ高いほど受注率や売上単価が上昇する傾向があるので、もっと専門性を出し特定の領域に狙いを絞り込んでみてはいかがでしょうか?
また、ここまで来るとWebから取得できるデータだけでは対策し切れない問題も出てきます。例えば貴社の営業体制や生産体制が整っていないから受注ができていない、という課題が原因となっている可能性があるからです。Webから来ている問合せに対し誰がどのように対応しているか、1件1件検証してみたらどこをテコ入れすれば良いかが見えてくるかもしれません。
検証を行うために過去の問合せに関する情報をまとめておくことをオススメします。特に電話での問合せは情報として残らない場合が多いので、上記のような管理表を担当者の電話機の前に置いておくだけでも、記録を残していく習慣が身に付くと思います。また、問合せを受けた時だけでなく、その後(結果)に関してもきちんと記録しておきましょう。
④新規顧客は獲得出来ているが売り上げ・利益が伸びない
効果測定項目:顧客単価×受注数
対策:ここまで来るとWebでできる対策はかなり限られてきます。経営(営業)戦略の見直しが対策として必要になってくるレベルだと思われます。顧客単価を上げるためには製品設計を見直さなければなりませんし、受注数を上げるためには生産体制を見直す必要があります。
この段階をクリアしている会社の多くが高利益率の仕事に照準を絞って受注している傾向があります。一定以上の利益率が確保できないと受注しない、という営業方針がしっかり定まっているのだと思います。利益率を上げるためには製品の付加価値を高めるか、製品原価率を低くするための工夫が必要になります。どんどんWebの話から遠ざかっていくのでこの辺でやめておきましょう(笑)
以上、段階別の効果測定と対策方法に関してまとめてみました。少しでもお役に立てば幸いです。Webマーケティング手法をまとめた記事もございますので、こちらもご参照下さい。