テクノポートの徳山です。前回の記事(製造業のためのデジタルマーケティング)に続き、今回はデジタルマーケティングの進めるための第一段階となるリードの獲得方法(リードジェネレーション)についてです。
※リードという言葉などの意味については前回記事をご覧ください。
この記事の目次
リードジェネレーションとは
リードジェネレーションとは、リードを獲得するための活動のことを言います。その方法は大きく分けてオンラインとオフラインとで分けられます。オンラインの場合は、オウンドメディアやソーシャルメディアなどで情報を発信することでユーザへリーチし、メルマガ登録やPDF資料ダウンロードなどでユーザの個人情報を入力してもらうことでリードを獲得します。オフラインの場合は、日々の営業活動やイベント・展示会などで収集した名刺情報をデジタルデータ化することでリードにします。
オンラインでのリードジェネレーション
自社で運営するWebサイトを活用し、新規顧客を獲得している会社は多いと思います。多くの場合は、SEO対策やリスティング広告によりアクセスユーザを増やすことで新規顧客の獲得へ繋げますが、BtoBマーケティングの場合、検索ボリュームが少ないのがネックとなってきます。
また、その中でもすぐに顧客化できるユーザ(今すぐ客)はごく一部です。そのため、中長期的に顧客になる可能性があるユーザ(これから客)をリードとして獲得し、育てていく必要があります。
オンラインでリードジェネレーションを推進する場合、具体的にどのような手法でリードを獲得するか、説明します。
オウンドメディアの運営
オウンドメディアという言葉を聞くと難しそうなイメージがありますが、要はWebサイトの運用によってリードを獲得する活動のことですので、現在運用しているコーポレートサイトでも、新しく設立する特設サイトでも、リードが獲得できればその形態は何でも構いません。
大切なことはサイト内でどのようなコンテンツを掲載するかです。コンテンツ掲載を行う上で重要なポイントは以下の2つとなってきます。
- 「今すぐ客」だけでなく「そのうち客」にも読んでもらえるコンテンツを掲載する。
上述したようにユーザ数の限られる「今すぐ客」だけでなく「そのうち客」を呼び込めるようなコンテンツを掲載する必要があります(両者の特徴と具体的なキーワード例を図で説明)。 - メルマガ登録や資料ダウンロードなどの窓口を準備する。
いわゆる「問合せフォーム」だけでは、今すぐ客からの問合せしか獲得できません。「そのうち客」から気軽に問合せを獲得できるような窓口(コンタクトフォーム)を別途用意します。そのコンタクトフォームの入力項目は、メールアドレス、会社名、所属、氏名だけに絞るなどして、ユーザの負担を下げる必要があります。
ソーシャルメディアの活用
業種にもよりますが、BtoBマーケティングで活用できるソーシャルメディアは、Facebook、Twitter、Instagramぐらいだと思います。中でも技術系企業のマーケティングであればFacebook一択で良いと思います。BtoCと違い、積極的にユーザが情報を拡散しないので、ユーザの情報拡散に期待するのではなく、Facebook広告を活用するなどしてターゲット属性に対し効率的に情報を届ける方がいいでしょう。
Facebook広告からオウンドメディアに誘導してもいいですが、資料ダウンロードをFacebook上で行えるようにすればそのままリード獲得へつなげることも可能です。
ソーシャルメディアの始め方については下記記事もご参照ください。「製造業におけるfacebookやtwitterの始め方」
メールマーケティングの活用
顧客になりそうな企業のWebサイトのコンタクトフォームへメールを送付し、リードを獲得する方法です。最近営業メールが増えたと感じる方も多いと思いますが、それだけデジタルマーケティングに注力している企業が増えたとも言えるでしょう。余りにもしつこいとブランド損失につながる可能性もありますので、その辺りを気にする方は避けたほうが良いかも知れません。
メールマーケティングでリードを獲得するポイントとしては、売り込みにならないように注意するところです。自社製品・技術のPRと営業の機会を求めるようなメールではなく、貴社に役立つ資料があるのでまずはダウンロードしてみてください、といったユーザのメリットを前面に押し出した内容であれば、リードを獲得できる可能性が高まります。
オフラインでのリードジェネレーション
製造業をはじめとした技術系企業であれば、オフラインでのリード獲得は展示会での名刺獲得が中心になるかと思います。それに加え、自社セミナーやイベントを開催している会社であれば、それらの活動の中で獲得した名刺がリード情報となります。
デジタルマーケティングでは名刺をリード情報としてデジタル管理し効率よく顧客化していくことが必要なので、ここでは名刺情報をデジタル化する方法を中心にお伝えします。
名刺情報をデジタル化する方法(自社でやる場合)
名刺情報のデジタル化を自社で行う場合は、名刺スキャンアプリを使うことをおすすめします。一昔前だと名刺用のスキャナを購入していたと思いますが、今では名刺スキャンアプリを使うのが主流です。スマホさえ持っていれば誰でも名刺をデジタル化することができます。
個人的なお勧めは「Wantedly People」です。理由は3つあり、①OCR処理の精度が高い、②複数の名刺を同時にスキャンできる、③データのエクスポートが無料でできる、からです。あとはエクスポートしたデータをマーケティングオートメーションにインポートすればOKです。
名刺情報をデジタル化する方法(外注する場合)
名刺情報のデジタル化を外注する場合は、クラウドソーシングを活用することをおすすめします。弊社がよく使っているのは「クラウドワークス」ですが、名刺情報のデジタル化といった軽作業であれば、募集してから1日で数十人の応募が来ますので、そこから信頼できそうな方を選べばOKです。
選定基準としては、コストが安いこと、過去の評価(実績)が高いこと、納期が早いかどうか、といった点です。Web上で機密保持契約なども結ぶことができますので、安心して発注することが可能です。あとはワーカーの方にまとめてもらった情報をマーケティングオートメーションにインポートすればOKです。
以上、デジタルマーケティングの第一歩である「リードジェネレーション」についてでした。次回は獲得したリードをどう育成していくか(リードナーチャリング)についてです。デジタルマーケティング推進にご興味のある方は気軽にご相談ください。