中小企業専門の弁理士の亀山です。お客様からのご相談の内容・タイミングによっては、「もはや手の打ちようがない」「もう少し早く来てくれれば、手の打ちようがあったのに」となってしまう場合があります。
それは、お客様がご自身で出願を済ませた後、新商品を販売し・・・しばらくたった後に、「やっぱり専門家にお願いしよう」と方向転換した場合です。
そして、その出願が特許や意匠の場合、手遅れになる可能性が高いです。
手遅れになるケース
新規性が問われない商標登録の場合、DIY出願と再出願の間に、第三者の出願が割り込まれなけばそれほど問題になりません。しかし、特許、意匠のように新規性が問われるものは、再出願の際に、既に新規性が確保できません。よって、気づいたときには、出し直しの出願ができず「手遅れ」となります。
具体的には、以下のどちらかに該当すると出し直しの出願はできません。
- 出願公開(出願から1.5年)後
- 自社が公開してから1年経過後
こうなると、別の発明(改良発明)で出願するしかありません。
まだ間に合うケース
過去の例として、DIY出願(出願公開済み)に、十分に開示されていない発明があったので、「開示漏れの発明のかけら」をきっかけに再出願を検討したこともあります。
「なんでもいいから特許を取りたい!」であれば、話は別ですが、「ビジネスに活用できる特許を取りたい!」となると、ちょっと厳しいです。
こうなると、「ビジネスモデルからを見つめ直して、改めて権利化する部分を考えましょう」のほうがよいかもしれません。
DIY出願した後、「あ、やっぱり心配になってきたゾ・・・」と思われた場合は、お早目にご相談ください。
相談期限の目安としては、以下の3つがギリギリになるでしょう。
- DIY出願から10か月程度まで(国内優先が利用できる余地あり)
- 自社による公開行為(宣伝、販売)から10か月程度(新規性喪失の例外が利用できる余地あり)
- DIY出願から1年3か月くらい後まで(出願公開前)
もちろん、上記を過ぎたしまった場合でも、「開示漏れ」による検討もゼロではないので、ソコは諦めないで欲しいです。
特許・商標登録のDIY。趣味なら良いですが、ビジネスであれば、やり直しのリスクはもちろんのこと、やり直しがきかないリスクの大きさを知ってもらいたいです。
なぜならば、ビジネスは、趣味と違って、競合が存在し、そことの競争の要素があるためです。・・・ということで、DIY出願しちゃったけど、ちょっと気になるな~という場合は、お早目に専門家にご相談ください。