製造業勤務、機械系エンジニアライターの野口です。前回の記事、中小企業の製造業におけるマーケティング(企画編)では、自社製品を開発する際のフレームワークや注意点、外部の考えを取り入れる方法などを解説しました。今回の記事では、自社商品をどのように販売するのかを解説します。
この記事の目次
自社商品を販売する3つの方法
自社商品を販売する主な方法を3つ紹介します。
1.自社サイトのEC化
ECサイトとは、簡単にいうとネットショップです。また、eコマース(電子商取引)をおこなうWebサイトの総称でもあります。
Webサイトを利用するため、実店舗は必要ありません。パソコンさえあれば自社の商品を販売でき、低コストかつ低リスクでもある販売方法です。また、Amazonや楽天といった他社のプラットフォームではなく、自社でWebサイトを運用するため、商品訴求のサイト構成やデザインを自社好みに作成可能です。
一方で、SEOやコンテンツマーケティングといった集客の費用や労力が求められます。その他にも在庫管理から発送まで準備したり、システム障害への対応をしたりするなど、自社内での管理や問題解決が必須です。
2.オンラインショップのプラットフォーム
BASE、Amazon、Shopifyなど、有名なプラットフォームの利用も可能です。すでに誰もが認知しているため、集客力が高いという特徴があります。ブランド力がなくても、商品のマーケティングが可能です。また自社サイトでのECサイトと異なり、SEOやコンテンツマーケティングなども必要ありません。
一方で販売は「口コミ」に影響されます。良い口コミが少ないと売上が伸びにくくなるかもしれません。また、出品料をプラットフォームに支払うため、手数料が余分にかかります。
3.代理店販売
代理店販売とは、自社に変わり商売や取引を依頼する販売方法です。
代理店の販売網を利用でき、販路の拡大が見込まれます。自社だけではできない販売戦略も可能でしょう。また、代理店の営業により、自社商品の認知機会が増えます。
一方で数%程度の販売手数料がかかります。また、委託先の能力によっては売り上げが左右されます。
マーケティングも兼ね備えたクラウドファンディング
商品を売るためには、マーケティングが必須です。最近では、マーケティングをしながら商品開発ができるクラウドファンディングもあります。
Makuake
Makuakeは2013年にスタートした、日本のクラウドファンディングの代表的なもののひとつです。Sonyやダイキン、Canonなどの大手企業の利用実績もあります。
Makuakeの特徴は、マーケティングを実施しながら開発を進められる点です。企業が提案したプロジェクトに対してお客さま(賛同者)が意見を提示できます。そのため、顧客のニーズを把握しながらの開発が見込めるのです。
CAMPFIRE
CAMPFIREは、国内最大のクラウドファンディングのひとつです。これまでに6.4万件以上のプロジェクトがあり、企業だけではなく個人やNPO、大学などの活用実績もあります。
CAMPFIREはプロジェクト公開前の審査が必要なく、掲載費も発生しません。また、情報発信による認知度向上も期待できます。たとえば、プロジェクトの内容を企業も顧客もブログやSNSで発信可能です。
自社商品のマーケティングで気を付ける点
自社商品の販売はマーケティングにおいて気を付けるべき点を紹介します。
自社の商品の強みを把握する
見落としをなくさないためにも、思い付く強みを洗い出しましょう。強みの把握は他社との差別化にもつながります。自社の強みを把握できれば、他社との比較も容易です。お互いの強みの把握と比較により、自社だけのメリットがはっきりします。
第三者の意見を取り入れる
自社だけで行き詰る場合は、外部の意見の聞き取りも重要です。どうしても自社の製品を客観的に見れない場合もあるため、多角的な視点が求められます。たとえば、ダイレクトメールによるアンケートや、営業による調査、MakuakeやCAMPFIREなどのクラウドファンディングサイトなど、複数の視点を取り入れましょう。
販売ルートを考える
マーケティング、販売、発送と商品を考え販売し、お客さまに届くまでの一連の導線整備が大切です。どれかひとつでも欠けると、お客さまへのスムーズな商品提供が難しくなってしまいます。可能であれば、複数の販売ルートがあるといいでしょう。
まとめ
中小企業でもできる自社商品の販売手法を紹介しました。近年ではインターネットも活用され、販売経路は広くなっています。また、クラウドファンディングを利用した開発も盛んであり、マーケティングと開発の融合も起こっているのです。自社の商品販売でお悩みの方は、これまでの販売経路や考え方に加えて、インターネットも利用してみてください。