テクノポートの永井です。今回は、自社技術を相手に伝える方法を紹介します。
この記事の目次
技術を伝えるとは?
「技術を伝える」という言葉にはさまざまな意味があります。例えば、技術継承などの教育的な意味や自社技術の魅力を伝えるというマーケティング的な意味がありますが、ここではマーケティングの意味で技術を伝えるという言葉を使っていきます。
技術は相手が理解して初めて伝わったことになります。相手が技術の背後にある原理や概念を理解し、その意味や応用方法を把握することで、初めて技術が伝わったと言えます。しかし、技術を伝えることは想像以上に難しく、特にWebサイトだけで技術を伝えるには相当の努力が必要になります。
技術を伝える際の難しさは、主に技術の複雑性と不確定要素に起因します。
技術の複雑性
多くの技術は高度な知識や専門用語を必要とし、複雑な仕組みや手順を含んでいます。技術の複雑性は、非専門家や初心者にとって特に理解しにくくなります。
技術の概念や原理を明確に伝えるためには、それをよりシンプルで具体的な形で説明する必要があります。また、技術の異なる側面や関連する要素を統合的に理解することも重要です。
技術の不確定要素
技術を受け入れる人々や組織は、それぞれ異なる目的や要件、制約を持っています。そのため、技術を適切に活用するには、相手のニーズや状況を理解し、それに合わせた使い方やカスタマイズを行う必要があり、相手によって技術の意味が変わってきます。
技術を伝える際には、以下の点に留意することが重要です。
- 相手の背景や知識レベルに合わせた説明を行う
- 専門用語や複雑な概念をできるだけシンプルに解説する
- 具体的な例やイメージを挙げて理解を助ける
技術を伝えるときに想定すべきこと
ターゲットを明確にする
Webサイトの目的として、「どのような人々に向けて技術情報を提供するのか」を明確にしましょう。ターゲットが決まれば、ターゲットの一般的な背景や知識レベルについて予測し、それに基づいて技術の説明や表現方法を工夫できます。
シンプルな言葉と明快な表現を使用する
Webサイトのコンテンツは短く簡潔にまとめ、シンプルな言葉を使って説明しましょう。専門用語や複雑な概念はできるだけ避け、一般の人々でも理解しやすいように工夫します。また、技術の効果や利点を明快に伝えるために、短い文や箇条書きを活用することも効果的です。
視覚的な要素を活用する
技術の説明には、視覚的な要素を取り入れることで相手にわかりやすく伝えることができます。図やグラフ、イラスト、スクリーンショットなどを使用して、技術の概念や手順を視覚的に補完しましょう。また、動画やデモンストレーションを提供することで、技術の使い方や応用の具体例を示すことができます。
初心者向けと上級者向けの情報を提供する
技術の理解度には個人差がありますので、初心者向けと上級者向けの情報を両方提供すると有効です。基本的な概念や用語を解説する初心者向けのセクションと、より詳細な情報や実践的な応用例を提供する上級者向けのセクションを設けることで、幅広い層のユーザーに対応できます。
技術を伝えるための手順
1.誰に何を伝えたいのかを決める
はじめにターゲットは誰で、ターゲットがこのコンテンツを読んだときにどう思ってほしいのかを決めます。技術の良さを伝えるためには、自社の技術的価値と相手にとっての価値を一致させる必要があります。そのため、コンテンツを作る前に誰に何を伝えるのかしっかりと決める必要があります。
2.コンテンツの目次を考える
コンテンツの概要を把握し、主要なセクションやトピックをリストアップします。目次を作成することで、コンテンツの全体像を整理し、論理的な流れを確保できます。このときコンテンツの流れや論理的な順序を考慮し、見出しやサブ見出しを作成します。出だしで矛盾が生じると相手は読むのをやめてしまいます。矛盾が生じないような目次を検討してください。
3.見出しの情報を伝えやすくするための視覚的情報を準備する
目次が決まったら、伝えづらそうな部分をピックアップし、それを補足するための視覚的情報を用意します。例えば、実験データ、比較データ、原理のイラスト、画像、動画などになります。文章だけでは技術は伝わりづらいので、視覚的情報は必ず入れましょう。
4.コンテンツのワイヤーフレームを作る
ワイヤーフレームは、コンテンツのレイアウトや要素の配置を示す簡単なスケッチやデザインのことです。ワイヤーフレームを作成することで、コンテンツの配置や視覚的なバランスを確認し、相手目線で情報を整理できます。ワイヤーフレームを何度も確認し、矛盾点、補足資料の不足などがないか確認してください。
5.第三者にチェックしてもらい修正する
他の人にワイヤーフレームを見てもらい、フィードバックや修正の提案を受けてください。第三者の目からの意見や新たな視点を得ることで、コンテンツの質や理解しやすさを向上させることができます。特に、ターゲットと同じ立場の人や技術をあまり知らない人に見てもらうと、自身では気づけなかったポイントに気づくことがあります。資料作成者は技術について深く理解しているため、単純なことを見落としがちです。第三者にチェックしてもらうことで、不足部分を補えます。
6.コンテンツを完成させる
フィードバックや修正を反映させ、コンテンツを最終的な形に仕上げます。文章を校正し、視覚要素や画像、グラフィックスなどを適切に配置します。また、リンクや参照先などの正確性も確認しましょう。
変化を数値で確認する
技術情報を公開したら、相手に伝わったかどうかを確認する必要があります。
Webサイトの場合、一方通行の情報であるため、実際の相手の反応を見ることはできません。しかし、問い合わせ数や問い合わせの質の変化またアクセスデータの滞在時間などを見れば、技術が伝わったかどうか確認できます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。Webサイトで技術を伝えることは非常に難しいのですが、工夫次第で伝えることは可能です。
テクノポートでは自社技術を伝えるためのサポートなども行っておりますので、技術の伝え方でお困りでしたらお気軽にお問い合わせください。事例とともに参考情報をお送りいたします。