Microsoft広告を使った海外向け広告配信の魅力5選

【執筆者紹介】稲垣 達也
この記事の執筆者
稲垣 達也
【経歴】
テクノポート株式会社「海外Webマーケティング」サービスの責任者
名古屋工業大学大学院 電気機械工学専攻 博士前期課程卒業
同大学 機械工学科卒業

【保有資格】
TOEIC L&R:990/990、英検一級:合格、TOEFL iBT:108/120
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テクノポート株式会社の稲垣です。
BtoB企業向けの「海外向けWebマーケティング」サービスの責任者を務めています。

この記事では、海外向けの広告配信媒体としてのMicrosoft広告を使うメリットを紹介します。
一般的に使用されるGoogle広告との違いをメインに解説します。

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Microsoft広告の基礎

Microsoft広告
出典:Microsoft 広告 | 広告主およびパブリッシャー向けエンド ツー エンドのデジタル マーケティング ソリューション | Microsoft 広告 | Microsoft Advertising

Microsoft広告(旧Bing広告)は、Microsoftが提供する広告媒体です。主に検索エンジン「Bing」やYahoo!などのパートナーネットワーク上に広告を配信するためのサービスです。基本的にGoogle広告と同じような広告をMicrosoftが保有する検索エンジンやパートナーサイトで使えるイメージです。

Microsoft広告の種類

広告の種類としては、以下が利用可能です。(2024年9月時点)

広告の種類 概要
検索広告 検索されたキーワードに基づき、検索結果ページに表示されるテキスト広告
ディスプレイ広告 パートナーサイトに表示されるバナー形式の画像広告
動画&CTV広告 Microsoftが運営するWebサイトや人気ストリーミングサイト(例:Netflix)で配信される動画広告
リテール広告 Webサイトやアプリのカテゴリページや検索結果に配信するショッピング広告
PMAX Microsoftが保有する複数の広告媒体に一斉に配信される広告

今回は主にBtoB向けの広告配信で使用される「検索広告」と「ディスプレイ広告」の話を中心に紹介します。

Microsoft広告を使用するメリット5選

1. 海外に広告を配信できる

Microsoft広告はGoogleと同じように海外向けの広告配信ができます。一方で、国内向けの広告配信でよく使用されるYahoo!広告は(2024年9月時点で)海外向けの広告配信ができないため、Googleと合わせて配信する広告媒体としてMicrosoft広告は、有力な候補になると思います。

またMicrosoft広告に広告を配信することで、提携する検索エンジン(例:Yahoo!、DuckDuckGo、Ecosia)にも広告が配信されるため、Google以外の検索エンジンのシェアが高い国への広告配信に向いています。

2. Googleの次にシェアが高い

2つ目のメリットは、Googleの次にシェアの高い検索エンジンに広告配信ができる点です。以下のグラフは、全世界の2023年8月から2024年8月までの検索エンジンのシェア(デスクトップ)の結果です。

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出典:Desktop Search Engine Market Share Worldwide | Statcounter Global Stats

上記のグラフからもわかるように、Microsoft広告を使って広告を配信することでBing、Yahoo!、DuckDuckGoをカバーできます。ユーザーによっては、これらの検索エンジンを仕事で使用する場合も十分に考えられるため、普段Googleを使わないユーザーに向けて広告を配信できる点は、大きなメリットになります。

特にMicrosoft広告の配信がおすすめの国や地域は、記事の後半で解説しています。

3. LinkedInのプロフィール情報でターゲティングができる

こちらは少しテクニカルな内容になりますが、Microsoft広告のターゲティングオプションの一つである「LinkedInプロフィールターゲティング」を使用することで、ユーザーのLinkedInのプロフィール情報を利用したターゲティングが可能です。

具体的には、LinkedInの以下の3つの種類の登録情報をターゲティング設定として利用できます。

会社名:Microsoft、アリババ、KLM オランダ航空など。
業界:ファイナンス、ブロードキャスト メディア、法執行機関など。
業種:営業、アカウンティング、購買など。

この中でも特にすごいのは、会社名を指定してターゲティングができる点です。例えば、見込み顧客として考えられる企業リストが明確に定まっている場合、それらの企業に絞った広告を配信できます。これはGoogle広告にはないMicrosoft広告の独自の活用方法です。

注意点としては、このターゲティング設定は画像広告では使えますが、検索広告では使用できないことが挙げられます。(厳密には、検索広告ではターゲティングを絞り込む形ではなく、設定した企業や業界のユーザーに対して入札単価を強める形になります)

またこのターゲティングは、LinkedIn広告のプロフィール情報を利用して設定するため、日本のようにLinkedInの登録率が低い地域では、あまり役に立たない可能性があります。ただ従来、LinkedInのプロフィールを利用したターゲティングは、LinkedIn広告でしか実現できなかったため、これがMicrosoft広告でも利用できるようになったのは、大きなメリットだといえます。

4. クリック単価が安い

私の経験則になりますが、Microsoft広告はGoogle広告よりクリック単価が安いです。大体の目安ですが、どの地域に出してもGoogle広告の平均クリック単価の1/2〜1/3ほどの金額でクリックが獲得できている印象です。(少なくともGoogle広告より平均クリック単価が高くなったことはありません)

ただクリックの数は、シェアが大きいGoogleのほうが集まりやすいため、Microsoft広告を出稿する際は、Microsoft広告で最大のクリックを集められるだけの予算を設定し、残りはGoogleで予算を配分する形が最も無駄のない設定になるでしょう。

5. 検索語句データの網羅率が高い

これはかなりマニアックな内容ですが、Google広告に比べてMicrosoft広告は「検索語句」の情報が漏れなく取得できます。(「検索語句」とは、検索広告においてユーザーが実際に使用した検索キーワードのデータです)

こちらも肌感覚ですが、Google広告の網羅率が30%ほどであるのに対し、Microsoft広告はほぼ漏れなく検索語句のデータを出力できます。従って、除外キーワードを判断したり、コンバージョンが発生したキーワードを確認するために必要な情報は、Microsoft広告のほうがより多く得られます。これらの情報はGoogle広告にも使えるため、両方の広告を同時に出稿すれば、お互いの広告に良い影響を与えることができます。

Microsoft広告のおすすめの使い方(海外向けの配信)

最後にMicrosoft広告を使用するべきシチュエーションを3つ紹介します。

1. 北米向けの広告配信

北米は以下の3つの理由からMicrosoft広告での広告配信を推奨します。

  • BingとYahoo!のシェアが高い
  • LinkedInユーザーが多い
  • Googleの広告単価が高い

BingとYahoo!のシェアが高い

以下のグラフは、北米の2023年8月から2024年8月までの検索エンジンのシェア(デスクトップ)の結果です。

StatCounter-search_engine-na-monthly-202308-202408-bar.png
出典:Desktop Search Engine Market Share North America | Statcounter Global Stats

上記のデータからもわかるように、北米はBingとYahoo!のシェアが高いため、Microsoft広告を出すことで、Google広告では広告を配信することができない20%近いユーザーに広告配信が可能です。

LinkedInユーザーが多い

北米の3カ国は、いずれのLinkedInの登録ユーザー数が多いため、メリットの3つ目で紹介したLinkedInプロファイルターゲティングが使いやすいというメリットもあります。

世界ランキング LinkedInユーザーの数
1 アメリカ 206,000,000+
7 カナダ 21,000,000+
9 メキシコ 15,000,000+

出典:Linkedin Users By Country (2024) | Linkedin Statistics

特にアメリカは群を抜いてLinkedInが普及しているため、アメリカ向けの広告配信ではLinkedInプロファイルターゲティングの活用を検討されることをおすすめします。

Googleの広告単価が高い

北米向けの広告配信は、Google広告の平均クリック単価が高くなりやすいため、コストの面でもMicrosoft広告はおすすめの広告配信媒体です。目安として、Google広告のだいたい1/3〜1/2くらいのクリック単価で広告が配信できます。

2. BtoB向けの広告配信

以下の記事によると、BtoB向けの検索エンジンとしてBingはわずかではありますが使用率が上がります。(左のグラフがBtoB目的で使用される検索エンジン、右のグラフが全般で使用される検索エンジンです)

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出典:B2B Search Engine Market Share – 2024 Report – First Page Sage

また世界的な傾向を見ても、デスクトップの検索エンジンとしてBingを選ぶユーザーはじわじわと増加していることがわかります。StatCounter-search_engine-ww-monthly-202308-202408
出典:Desktop Search Engine Market Share Worldwide | Statcounter Global Stats

これらの結果から、BtoB用途でデスクトップデバイスでの広告配信を行う際は、Microsoft広告が相性が良いとわかります。

3. 特定の企業に向けた広告配信

これはメリットの3つ目とほぼ同じ内容ですが、LinkedInのプロフィール情報を用いたターゲティングを利用することで、特定の企業の従業員、さらにその中でも特定の職種(例:エンジニア、営業)に対して広告が配信できます。

見込み顧客の企業が明確に絞り込めている場合は、上記のターゲティングを利用した広告配信媒体としてMicrosoft広告が有力な選択肢になると思います。LinkedIn広告でも同様のターゲティングはできますが、デバイスの指定ができなかったり、あくまでSNSであるため問い合わせ獲得につながりにくいというデメリットを考慮すると、Microsoft広告を利用するメリットはあるといえます。

まとめ

海外向け広告配信の媒体としてのMicrosoft広告の魅力をご紹介しました。最後のおすすめの利用シーンでも紹介した通り、特にBtoB向けの北米向けの広告配信をご検討されている事業者の皆様は一度、Microsoft広告での広告配信を検討されるとよいかと思います。

弊社(テクノポート株式会社)では、製造業向けに「海外リスティング広告運用代行」サービスを行なっております。
壁打ち相談会(30分)」も実施していますので、お気軽ににお声がけいただければ嬉しく思います。

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名古屋工業大学大学院 電気機械工学専攻 博士前期課程卒業
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