【中小製造業向け】自社でできる展示会準備|手順と必要アイテム

【執筆者紹介】廣常 絵梨奈

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この記事の執筆者
廣常 絵梨奈
会社名:テクノポート株式会社(大阪オフィス)

表立つことは少なくとも、社会を大きく下支えしているBtoB製造業の技術・製品の奥深さ、ニッチさに強く惹かれテクノポートへ入社。
金属・樹脂加工等のサプライヤー企業から、自社製品を販売するメーカーまで幅広く支援。
商材の強み・商流の理解に特に重きを置き、顧客視点に立った施策を提案。

【経歴】
新卒で入社後、大阪オフィス責任者として近畿圏の製造業Webマーケティングを支援。
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テクノポートの廣常です。Webマーケティングに取り組む製造業が増えてきた昨今においても、展示会は今なお効果的なリード獲得の手法の一つです。技術や製品を直接確認できることや、技術者と対話ができるというリアルの場ならではの価値が再評価されてきています。

一方で、あまり展示会への出展経験のない企業様の場合、どのような準備が必要かなど具体的な進め方に戸惑うケースも少なくありません。本記事では、予算を抑えつつ成果を最大化するために”自社で”展示会準備を行う際の手順と、揃えておくべきアイテムについてご紹介します。

展示物を自社で内製する

展示会の準備は、開催の2ヶ月〜1.5ヶ月前から着手するのが理想的です。

STEP1:コンセプト設計(2ヶ月前〜)

展示会を成功させるための最重要プロセスが、この「コンセプト設計」です。多くの製造業のブースで見受けられるのが、「○○加工」「高精度」「短納期」といった、自社ができる技術や製品(スペック)だけを並べてしまうケースです。これでは、来場者は「その技術が自分たちの課題をどう解決してくれるのか」をなかなかイメージできません。

来場者は膨大な数のブースを回るため、自分に関係がある情報かどうかを一瞬で判断しています。そのため、できることの羅列や全業界向けの訴求ではなく、ターゲットとする業界や課題をピンポイントに絞り込んだ訴求を行うことが結果として足を止める人の質を高め、高い商談率へとつながります。そのため、コンセプト設計では、まず以下の4点を言語化してみることをおすすめします。

ターゲットの明確化

「どのような業種」の「どの部署」の人が、どんな悩みを持っているか。
(例:自動車部品メーカーの生産技術職が、既存ラインのタクトタイム短縮に悩んでいる)

提供価値の提示

その悩みに対し、自社の技術や製品はどう貢献できるのか。
(例:独自の治具設計により、段取り替え時間を30%削減できる)

具体的な用途(利用シーン)

その技術は、具体的にどのような製品や工程で使われるものか。

同業他社と比べた際の優位性

他社と比べた際に、どのような優位性があるか。自社顧客からどのような点が評価されているか。
※ 出展企業は事前に主催者公式サイト等で公表されていることが多いため、事前に同業他社の出展状況を調べておき、どのような点で差別化ができそうかを検討します。

STEP2:必要な準備物の洗い出し(1.5ヶ月前〜)

コンセプトが決まったら、それを伝えるための具体的な準備物をリストアップします。

■ 準備物のレイアウトを想像しながら考えてみる

最近ではイメージ画像を作成することもAIで容易になりました。主催者から提供されるブース情報をもとに左図のようなプレーンなブースイメージを作成し、その上から仮で配置をしてみるだけでも展示イメージがぐっと湧きやすくなりますのでぜひ試してみてください。(出来上がったポスターを並べた時のイメージ確認にも効果的です)

ポスター

遠くからでも「何の展示か」がわかる要素を配置します。ポスターはあくまでも来場者の目を止めるツールであって、カタログではありません。細かな情報は配布資料や展示会場での説明で補填をし、ポスター内には自社を表す要素を大きくシンプルに掲載します。

製品・加工品実物 + 説明プレート

ただ製品を並べるだけでは、その技術の難易度やどのような用途で活用できるかは正確に伝わりにくいものです。加工時の難所や、解決できる課題などをまとめて説明プレートとして置いておくことで来場者の興味を引くことをねらいます。

配布資料(カタログ・チラシ)

会社案内パンフレットのような網羅的な内容のほかに、展示内容に特化した資料(A4表裏1枚程度で要点をまとめる)を用意できると良いでしょう。来場者は多くのブースを回るため、なるべく展示会内でアピールしていた内容をそのまま記憶に残してもらうためにも別途準備することをおすすめします。

その他(タブレット等、QR案内)

・動画再生端末
来場者の目を引くために、ブース内で動画を流すことも一つの手立てです。モニターやタブレット等を活用し、加工風景や製品の利用シーンを流します。
・QRコード案内
より詳細の情報を見てもらうためには、あらかじめ用意しておいたWebページや自社サイトに遷移させて見てもらう形も良いでしょう。QRコードを作成し配置しておくことで、その場で気軽に誘導することが可能です。(※作成方法は後述)

STEP3:展示内容の作成(1ヶ月前〜)

現在は、Canvaなどのオンラインデザインツールを活用することで、専門知識がなくても一定のクオリティのデザインが作れるようになりました。ここでは展示ポスターと、QRコードの作成手順を解説します。

Canvaでのポスター作成+PDF入稿印刷

例えば、無料で使用できるオンラインデザインツールのCanvaでは、作成するデザインのサイズやテンプレートが豊富に用意されています。パワーポイントのように直感的に操作ができるので、初めて使う方でも簡単にデザイン作成をすることが可能です。

作成したデザインについては印刷用PDFとして書き出すことができ、そちらをそのままネット印刷等でPDF入稿をすればIllustratorなどの専用のツールがなくとも気軽にポスター作成〜印刷まで依頼することができます。ネット印刷として有名なプリントパック社や、グラフィック社などでデータ作成〜入稿の手順が詳しく掲載されていますので、詳しくはご参照ください。

誘導用QRコードの作成

展示会やパンフレットにWebページ誘導用に掲載するQRコードは、QRのススメなどのツールを使うことで作成が可能です。来場者に見てもらいたいWebサイトやページのURLを貼り付け、コードを発行します。

発行をする際にURL単体で発行をしてしまうと、その後ページへのアクセスが増えたとしても展示会きっかけのアクセスかどうかが判別できません。アクセス解析にGoogleアナリティクス(GA4)を利用している場合、Googleが提供する「Campaign URL Builder」などの無料ツールでパラメータを付与したURLを作成することをおすすめします。

https://techport.co.jp/?utm_source=2026_expo_tokyo&utm_medium=qr&utm_campaign=panel_A

■作成方法

  1. Campaign URL Builderを開き、website URL に遷移先のURLを入力
  2. 「campaign source」「campaign medium」「campaign name」の各項目を入力
    例)
    ・参照元(campaign source): 2026_expo_tokyo(展示会名など)
    ・メディア(campaign medium): qr
    ・キャンペーン(campaign name): panel_A(製品名やパネル種など)
  3. パラメーター付きURLの発行

これによりGoogleアナリティクス上でQRコードからのアクセス数を確認することができ、展示会後の効果測定として有効活用することが可能です。

自社サイトでの告知も忘れずに

展示会は、会場にいる見込み顧客だけにアピールする場ではありません。既存顧客や、過去に接点のあった潜在顧客に対し「自社が今、どのような新しい提案をしているか」を知らせるための良い機会でもあります。そのため、自社サイトやメルマガも活用し広く告知していきましょう。

お知らせの投稿

展示会開催の1ヶ月前には、公式サイトのニュース欄に開催概要を掲載します。「出展します」という事実だけでなく、今回の見どころや展示内容の詳細を明記することによって、展示会に興味を持ってもらえるようにアプローチをかけていきます。

展示会向けLPの作成

より力をかけて訴求する場合は、展示会用に特設ページを作成するという手段も考えられます。展示内容の詳細説明やブース内で配布する資料のダイジェスト版の配布、当日の商談予約フォームを設けることによって来場予定者との事前の接点を作ることができます。

告知用のLP作成については以下の記事でも触れていますのでご参照ください。

メルマガでの告知

名刺交換をしたことがある既存のコンタクトリストに対し、展示会開催の告知を複数回に分けて送付します。たとえ来場につながらなかったとしても、自社のアピールをするための良い機会となります。

  • 3週間前: 出展の告知と見どころの紹介
  • 1週間前: 招待状(入場用URL等)の再送
  • 当日〜会期中: ブースの様子を写真付きで速報

まとめ

  • 展示では「スペック」ではなく「提供価値」を伝える
    ターゲットを絞り込み、自社技術が顧客の悩みをどう解決するかという視点でコンセプトを設計する

  • 内製ツールの活用
    Canvaなどのデザインツールを活用し、自社でスピーディーかつコストを抑えた展示物を用意する

  • デジタル施策との連動
    QRコードによるWeb誘導やメルマガでの告知など、オフラインとオンラインを組み合わせた仕組みを構築する

展示会を「その場限りのイベント」で終わらせないためには、会期後のコミュニケーションを想定した事前の仕掛けが不可欠です。Webサイトやメルマガを通じて継続的な接点を持つことで、展示会で獲得したリードを確実な商談へとつなげていきましょう。

この記事の執筆者
廣常 絵梨奈
会社名:テクノポート株式会社(大阪オフィス)

表立つことは少なくとも、社会を大きく下支えしているBtoB製造業の技術・製品の奥深さ、ニッチさに強く惹かれテクノポートへ入社。
金属・樹脂加工等のサプライヤー企業から、自社製品を販売するメーカーまで幅広く支援。
商材の強み・商流の理解に特に重きを置き、顧客視点に立った施策を提案。

【経歴】
新卒で入社後、大阪オフィス責任者として近畿圏の製造業Webマーケティングを支援。
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