テクノポートの徳山です。Webサイトを使って新規顧客獲得を行うために、検索エンジンからのアクセス流入を増やしたいとお考えの方へ、必ず知っておいていただきたいSEOライティングという手法があります。今回は製造業のWebサイトでSEOライティングを行う際の具体的な進め方についてご紹介します。
この記事の目次
SEOライティングとは
SEOライティングとは、検索エンジンで上位表示を狙うためのライティング手法のことを言います。具体的には、事前に検索需要などを調査することで、読み手が求めている情報が何かを事前に調べたり、検索エンジンが読み込みやすく、評価を得られやすいWebページの造りを心がける、といったことを行っていくものです。
製造業と他業種で手法における大差はないのですが、製造業のWebサイトの場合、ターゲットが技術者など、専門性の高いユーザとなることが多いため、専門用語を駆使した専門性の高い記事作りが必要となるので、ライティングの難易度は比較的高くなります。
SEOライティングの進め方
SEOライティングの概要が分かったところで、具体的な進め方についてご説明します。
1、読み手を想定する
まずは、自社のWebサイトにどのような読み手がアクセスしてきてほしいかを考えます。
読み手を具体的に想定した上で、読み手がどのような検索キーワードを使う可能性があるかを考えます。
2、キーワード需要調査を行いSEOキーワードを選定する
キーワードプランナーなど検索需要を調べることのできるツールを使い、検索需要の高いキーワードを選定していきます。同じ意味の言葉でも呼び方によって検索需要が異なることがあるので、調査してなるべく検索需要が多いキーワードを選びましょう(ここで選定したキーワードをSEOキーワードと呼びます)。
例えば「樹脂成形」と「プラスチック成形」だと、後者のほうが検索需要が倍程度あります。同様のキーワードが他にも多くありますので、ご自身が普段使っている言葉だけにとらわれず、いくつかの言い回しを調べてみましょう。
ちなみに、Googleは微妙な表記揺れでは検索結果に変化はありません。例えば、三次元測定機と3次元測定機(算用数字と漢数字の違い)、三次元測定機と三次元測定器(使用する漢字の違い)など、これらのキーワードで検索しても検索結果はほとんど変わりません。よって、微妙な言葉の違いであれば気にする必要はありません。
3、執筆する記事のタイプを決める
次に、執筆する記事タイプを決めるために競合サイト調査を行います。競合サイト調査では、SEOキーワードで検索した際に表示される上位10サイトがどのようなWebページかを調べていきます。
検索上位表示されている競合サイトが、下記のどの記事タイプに当てはまるのかを調べてみましょう。記事タイプによって、記事の内容を変えたり、キーワード自体を見直したりする必要もあります。
記事タイプ①:製品紹介
メーカーのWebサイト内に掲載されているような、製品ラインナップページなど、製品紹介ページ
当タイプが上位表示されやすい検索キーワード例:X線検査装置
記事タイプ②:技術紹介
加工業者のWebサイト内に掲載されているような、技術PRを行うための技術紹介ページ
当タイプが上位表示されやすい検索キーワード例:チタン 微細加工
記事タイプ③:知識系コンテンツ
メーカー、加工業者問わず、「〇〇(専門用語)とは」といったコンテンツを含んだ解説ページ
当タイプが上位表示されやすい検索ワード例:自由鍛造
記事タイプ④:ネットショップ
Amazonやモノタロウなど、総合型ネットショップのWebページ
当タイプが上位表示されやすい検索ワード例:カシメ機
どの記事タイプが上位表示されやすいかを見極めた上で記事を作成していきましょう。ただし、記事タイプ④のWebページが上位を占めているキーワードは、非常にSEO難易度が高いので、SEOキーワードに選定することはあまりおすすめできません。記事タイプ①~③のどれかの検索結果になるように、SEOキーワードのフレーズの組み合わせ等を変更する必要があります。
4、執筆する記事に盛り込むネタを決める
SEOキーワードと関連性の高いキーワードを調査し、記事の構成づくりに反映させていきます。関連性の高いキーワードをなるべく記事内に多く取り入れることで、情報の網羅性が高まり、検索上位表示される可能性が高くなります。
関連性の高いキーワードを調査するためのお役立ちツールとして、共起語検索ツールやラッコキーワードなどがありますので、ご活用ください。
5、ライティングを行う
4で収集したネタをもとに、どのような記事構成にするかを考えていきます。事前に構成を決め、各段落ごとにどのような情報を盛り込むかを決めた方が圧倒的にライティングの質とスピードがアップするのでおすすめです。参考までに弊社で使用している構成シートはこちらです。
執筆する文字数に関してはキーワードのSEO難易度によって変わるので、面倒ですが参考として検索上位10サイトの掲載文字数を調べ、その平均文字数を超えられるよう、頑張りましょう。
6、Webページの制作を行う
最後にWebページを制作します。記事の内容が良いものであっても下記が行われていないと評価が低くなってしまいますので、注意しましょう。
- METAタグ(title、description)にキーワードを含める
- Hタグ(見出し)にキーワードを含める
- 画像(ALT)にキーワードを含める
SEOライティングの成功事例
上述した内容でSEOライティングの具体的な進め方が分かったと思いますので、次に成功事例を見てみましょう。成功事例として取り上げるのは、コンテンツマーケティングで最も成功しているBtoB製造業と言われているキーエンスです。
引用:キーエンスが運営するオウンドメディアの一つ「ココが知りたい!形状測定」
キーエンスは、「ココが知りたい!形状測定」や「静電気ドクター」など、数多くのオウンドメディアを運営しています。前者のサイトでは「形状測定」「平面度測定」「三次元測定」など、様々なキーワードで検索1位を獲得しています(2020年8月時点、当社調べ)。
今回は、キーエンスが運営するオウンドメディアに掲載されているWebページをSEOライティングの視点から分析してみます。例として、「平面度」(月間検索ボリューム2,900件:2020年7月実績 ※キーワードプランナー調べ)というキーワードで検索TOP表示している下記の記事を分析します。
引用:キーエンスが運営するオウンドメディアの一つ「ココが知りたい!形状測定」
一つ一つの記事のテキスト量はそれほど多くない
掲載されている記事の多くがテキスト量としてはそれほど多くありませんでした。上記ページに関しても、文字数は1,500文字に達しておらす、比較的少ないです(メインカラムに掲載されているテキスト量で計測)。
これは検索上位10サイトの平均値よりも少ない数字で、技術系キーワードは文字数よりも専門性の高さが重要なのかもしれません。
情報の網羅性が非常に高い
文字数は少ないのですが、調べてみると情報の網羅性は非常に高いことが分かります。少ないテキスト量の中で読み手が求めている情報をしっかり提供できていると言えます。情報の網羅性とは、SEOキーワード(平面度)と関連性の高いキーワードがどれだけ盛り込まれているか、ということです。
弊社がSEO対策を行う際に使用している「パスカル」という分析ツールを使った結果が下記です。こちらのツールを日常的に利用している弊社ですが、このような高得点が出ることはなかなかありません。
↑コンテンツのスコアが満点に近い95.3点となっていますが、このテキスト量だとなかなか出ない評価です。
↑情報の網羅性に関しても最高評価の星5つとなっています。
サイト全体のインデックス数がとにかく多い
下記の通り、キーエンスのWebサイトは26,600ものインデックス数があり、3位以下のWebサイトを圧倒しています。
キーエンスはオウンドメディアを「keyence.co.jp」ドメイン傘下ですべて運営しているので、インデックス数がとにかく多いのが特徴です。このサイトボリュームが各WebページのSEO評価を押し上げていることは間違いありません。
※インデックス数とは、Google等の検索エンジンのクローラーがサイトにアクセスし、検索結果に表示する為に検索データベースに登録されたドメイン内のURL数を指します。
※1位が2つ表示されているのは「強調スニペット」としてWebページが表示されているためです。強調スニペットとは、下図のようにユーザーのキーワード検索に対して端的に回答している部分が、Google検索結果画面の最上部に強調して表示される仕組みのことです。
以上、SEOライティングの進め方と、成功事例の分析をご紹介させていただきました。SEOライティングに関する知見は深まったでしょうか?考えることが多くハードルが高いかも知れませんが、できるところから始めていただければと思います。当記事が貴社のWebサイトの反響アップに役立てば幸いです。
また、Webマーケティング手法をまとめた記事もございますので、こちらもご参照下さい。