こんにちは。企業の「技術」と「想い」を伝えるブランディングC-OILING代表の大後 裕子(だいご ひろこ)です。
企業のブランディングには社内向けと社外向けがありますが、今回は早急に対策が必要な社外向けブランディングについてお話しします。というのも、オンライン化が進み、展示会やリアルな営業の機会が減った今、「今を乗り切ればどうにかなるだろう」ではなく「お客さまとの新しい関係構築の方法」が求められているからです。
2代目・3代目社長は大きな変革期に立たされています。それは、すぐそこまで迫っている5Gや6Gの普及、その流れに合わせて必要なウェブサイトの更新やSNS、会社説明の動画作成、さらにはオープンファクトリーなど、先代の会社経営の時にはなかった企業ブランディングが求められています。
デジタルからリアルに引き込む これからの製造業の見せ方
製造業は、どうしても現場や製品といった質をリアルに確認する必要があり、完全オンライン化というのは不可能な分野です。ではこれからのオンライン化の必要な流れの中で、新規のお客さま、既存のお客さまとの関係を深めていくかを考えた時、欠かせないことは
今までの企業ブランドの本質的な部分を残して変えていくことです。
その際に考えて欲しいことは、これからはオンラインとオフラインの立場が逆転するということです。今までは知りたい情報はまずはオフラインである自分の目でリアルに見たものの補足情報としてオンラインを好意的に受け入れていましたが、その逆の流れになるのです。つまり、基本がオフラインのデジタル上でものを見極め、実際にリアルで見た時により価値を感じたいと考えているのです。
例えば、オンラインでの施設の説明会を開催することで想いや技術のマッチ度の高いお客さまと繋がり、そのお客さまを招いてのリアルでの体験会や技術紹介の場を設けるといった、お客さまとの関わりをいかに作るかが重要になってきます。しかし、お客さまとの関係を深めるために、とにかく開催回数やリリース回数を増せばいいのかというと、違います。
「お客さまとの関係の密着度のステージ」がどの段階にあるのかを考える必要があります。
「お客さまとの関係の密着度のステージ」を大きく4つに分けて考える
- 認知層:その企業が何をしているか知っている
- 理解層:その企業が何を得意としているか理解している
- 好意層:その企業が得意としていることを好意的に感じている
- 愛着層:その企業が行なっている事業を応援したいと思っている
企業として2代目・3代目の製造業の社長が企業ブランドを見つめ直す時、これらの4つのステージに分けた時に、お客さまとの関係の現在地と目指すステージとのギャップを常に確認することが重要です。人間にも健康診断を行なってその年齢にふさわしいベストな体調を更新していくのと同じように、企業も年を重ねて起こる、企業ブランドとして未充足な部分を克服して最高の状態に持っていくことができます。
1年に1度の頻度でチェックを行い、KPI(重要業績評価指標)を設定して数値化することで、自分たちの行ってきた事業拡大のための行動の結果を確認することができます。
ブランドは一朝一夕で作ることはできません。しかし今まで企業が築いてきた時間と、これからの会社のあり方として「目指すべき姿」をブランディングとして定義することで、2代目・3代目の製造業の社長が、お客さまに愛される企業ブランドを構築することができます。