「見た目が重要」の誤解。サイト制作における本当に必要なデザインの要素

【執筆者紹介】大後裕子
この記事の執筆者
大後裕子
会社名:C-OILING合同会社
役職:代表 ブランディングコンサルタント
執筆テーマ:製造業のブランディング

【経歴】
ブランディングを主軸に、生活用品メーカーで7年間企画職に従事の経験から、企画立ち上げから海外工場との商談、販促まで商品開発のゼロから一貫して行い、開発商品点数累計約1,200点。
開発商品は各種TV、雑誌など各種メディアに取り上げられる実績あり。
大後裕子 が執筆した他の記事をみる

ひと目見た時に「おっ!かっこいい!」と思うコーポレートサイトでも、実はお問い合わせや、会社のブランディングに繋がっていないケースがあります。今回はその原因について、アメリカの心理学者が導き出した「メラビアンの法則」を通して、解決策をお話ししていきます。

こんにちは。誇りある技術を持つ企業が シナジーを起こすブランディングC-OILING合同会社(シーオイリング合同会社)代表の大後 裕子(だいご ひろこ)です。

  • 「今のコーポレートサイトのままでは問い合わせが増えない」
  • 「WEB制作会社に方向性をどう伝えたらいいのかわからない」

そのようにお悩みの方にとって、サイト制作の前にこの「メラビアンの法則」を理解しておくことで1つの解決策が浮かび上がってくるでしょう。

3つのVから学ぶメラビアンの法則

メラビアンの法則とは、1971年にカリフォルニア大学の心理学者であるアルバート・メラビアン氏が提唱したものです。例えば「これは得意です」という言葉を、暗い表情や低い声のトーンで言われた場合、受け取る相手は「本当は苦手なのでは?」と感じるのが一般的ですよね。

メラビアンの法則はこのような「言語」「聴覚」「視覚」の3つの要素に矛盾した情報を得たときに、人はどの情報を優先して受け取るのかを調べたものです。研究の結果、コミュニケーションには「言語情報7%(Verbal)」「聴覚情報38%(Vocal)」「視覚情報55%(Visual)」の割合で影響しているという「メラビアンの法則」が導き出されたのです。

言語情報と非言語情報とは?

先に述べたメラビアンの法則の3つの要素についてもう少し詳しく解説します。

メラビアンの法則の3つの要素

  • 言語情報7%(Verbal):言葉そのものの意味
  • 聴覚情報38%(Vocal):声の質・速さ・大きさ・口調
  • 視覚情報55%(Visual):見た目・表情・しぐさ・視線

言語情報は、話の内容や言葉そのものの持つ意味を指す「言語表現」と呼ばれるものです。例えば、画像がつかないメールやSNSなどのコミュニケーション方法です。伝えたいことの本心や含みを持たせたい部分が伝わりにくい場合があります。

聴覚情報は、声の大きさやトーン、速さや口調などが該当する「非言語表現」です。楽しそうに話している人の話に対して、話の内容はさておき、つい聞きたくなるというシーンでも見受けられますね。

視覚情報は、表情やジェスチャー、視線の動き、相手の見た目などの「非言語表現」です。特に視覚情報は文章よりも60,000倍も早く脳に伝達されるという調査結果もあります。そのため、デザインなどの視覚的要素が重要視されているのです。

ベストセラーになった「人は見た目が9割」といった著書のもとにもなっているのが、この言語情報7%の「言語表現」と聴覚情報38%と視覚情報55%を足した「非言語表現」合計93%という数字なのです。

内容は受け取り側がジャッジする

では、見た目や雰囲気が良ければ、全てのビジネスやコミュニケーションが解決するのか?という疑問が浮かんでくると思います。そこで、メラビアンの法則を活用するために重要なことをお伝えします。それは、3つの要素が揃っていない場合、「視覚情報>聴覚情報>言語情報」の順番に優先されるという「3Vの法則」です。

メラビアンの法則の実験では、声のトーンや表情を変えて、「maybe(そうかもしれない)」と言われた場合、どのような印象の変化があるかを実験しました。この実験では、普通の口調より、強い口調の「maybe」の方が同じ単語でも、より説得力を感じたという結果が出ています。

また別の実験では、「好き」「嫌い」「普通」からイメージされるそれぞれ3つの単語(合計9つ)を使います。この9つの単語に対して「好き」「嫌い」「普通」という声のトーン(聴覚情報)で録音を行います。また、「好き」「嫌い」「普通」を想起させる表情をした顔写真を1枚ずつ用意しました。「視覚情報」「聴覚情報」「言語情報」がバラバラで矛盾した組み合わせにしたものを被験者に聞かせ、その後の印象について調査しました。

その結果、「視覚情報」「聴覚情報」「言語情報」の3つがどれか1つでも一致しない矛盾を感じた場合、視覚情報>聴覚情報>言語情報の順番に優先されることが判明したのです。

「見た目が最重要」ではなく、視覚・聴覚・言語情報の一致が重要!

一般的には「見た目が最重要」と思われがちですが、ビジネスやコミュニケーショにおいて重要なことは、「視覚情報」「聴覚情報」「言語情報」、この「3V」の要素を揃えるということです。

コーポレート制作において、デザインという視覚的な要素は確かに重要です。しかし、写真に写っている社員や経営者の表情やテキストによるメッセージ、または保有する技術や実績などの言語情報など、会社のブランドイメージがトータルで整っていることで、見る人の信頼感を構築することができるのです。ぜひ今回の記事を参考に、3Vの揃ったサイト制作を目指しましょう。

この記事の執筆者
大後裕子
会社名:C-OILING合同会社
役職:代表 ブランディングコンサルタント
執筆テーマ:製造業のブランディング

【経歴】
ブランディングを主軸に、生活用品メーカーで7年間企画職に従事の経験から、企画立ち上げから海外工場との商談、販促まで商品開発のゼロから一貫して行い、開発商品点数累計約1,200点。
開発商品は各種TV、雑誌など各種メディアに取り上げられる実績あり。
大後裕子 が執筆した他の記事をみる

関連記事