ものを作る上で「試作」は欠かせない工程になります。大手企業でも、中小企業でも必ず試作品を作り、製品の性能を確認した後に量産工程に移ります。試作品は量産品とは違い、作り直しが何回も発生します。設計者と製造者の意思疎通や製造までのレスポンスが要求されるため、海外ではなく国内で生産されるケースが数多くあり、量産品と比較すると受注しやすい傾向にあります。
今回はそのような「試作品」をwebから受注するための方法についてまとめました。これがすべてではありませんが、参考になれば幸いです。
(量産品の記事はこちら:https://marketing.techport.co.jp/archives/22682/)
この記事の目次
1.発注者が製造先を探す理由は何か?
まずは、発注者がどのような理由で製造先を探しているのかについて知る必要があります。 メーカーは既存の製造先を持っているため、新たに試作品の製造先を探す場合は何かしらの理由(ニーズ)が必ずあります。
試作品の場合は
- 短納期:開発が遅れて、至急製品を準備する必要があるときに、他を探すケースはあります。
- 技術力:設計したはいいけども、ものが作れないときは外注先を探します。
- 精度:設計者が狙っている寸法にどれだけ近づけられるかが問われます。
の3つが主な理由になります。試作の場合はコストを考慮しないわけではありませんが、コスト以上に上記の3項目を重要視します。ホームページではこれら3つの項目に特化させることで、試作品の依頼を呼びやすくなります。
2.短納期、技術力、精度が出せる理由を明記する
単に「短納期ができる」、「技術力がある」、「高精度が出せる」だけでは、説得力がなく、お客様が不安になります。メーカーは「図面通りの製品」で性能試験をしたいのであって、試作品で不良品は許されません。そのため、短納期、技術力、高精度ができる理由を明記することで、自社がきちんと対応できる企業であることをアピールする必要があります。
例えば、
短納期
「短納期に対応するため、稼働率を70%以上上げない方針である」、「機械の自動化が進んでいるため、夜でも加工できます」。
技術力
「過去○○の実績があります」、「最新のマシニングを入れている」。
高精度
「研磨機を持っている」、「加工しながら測定して、コンマ○○の精度がだせる」。
などになります。特に精度は重要で、設計者が公差の上限、下限のテストを想定したときに、その精度を出せる企業を探します。
また、レスポンスを求める場合は、メーカーの近くに加工場所を持っていることも強みになりますので、ホームページのタイトルに「○○市」などを入れることも効果的です。
3.測定装置の寸法誤差などを明記する
メーカー側が欲しいのは「図面通りの製品」です。そして、その製品が図面通りにできているかを判断するものが「測定」になります。ノギス、マイクロメーター以外にもの、幾何公差なども測定できると信頼度が上がります。メーカー側は測定機を持っているので、メーカー側でも測定は可能ですが、製造側に測定してもらったほうが楽なので、企業を選定するときに測定機を持っていることが条件に入るケースが多いです。
信頼性の高い測定機メーカーとして
- 東京精密
- ミツトヨ
- キーエンス
などがあります。こだわるところですと、自社の測定機と同じ測定機を入れている企業を探すところもあります。先程の3社は費用も高額になりますが、最近ではマイクロビューのように低価格の3次元測定機もありますので、試作品をとっていきたいというところはぜひ導入を検討してみてください。
まとめ
試作品は量産品よりも受注しやすい傾向になります。メーカー側が気にする納期、技術力、精度、品質がきちんとできている理由と「試作品が得意です」と明記するだけでも問い合わせの量、質は変わってきます。 テクノポートでは企業の技術をマーケティングしています。
新規顧客開拓に力を入れるあれば、一度ご相談ください。