ユーザーが加工技術やサービスの検索をする時、ブランディングを実施した企業としていない企業とでは、選ばれる確率に大きな差が生じます。自分たちにとって「まさにコレ!」と思えるサービスの存在は顧客にとって貴重です。顧客が他社比較などで悩まずにスムーズに「この会社に頼もう!」と思える企業の方が圧倒的に選ばれる可能性が高いものです。
そのためにブランディングを行い、他者とは違う自社の差別化ポイントを明確に発信することで、顧客の心を掴みます。
こんにちは。企業の「技術」と「想い」を伝えるブランディングC-OILING合同会社(シーオイリング合同会社)代表の大後 裕子(だいご ひろこ)です。
この記事の目次
なぜ今製造業にブランディングが必要なのか?
ブランディングの鉄則「剣山と矢文」
アレもコレも得意です!ということは、顧客の心を剣山でチクチクと撫でるようなものです。なんだか色々感じるけれど印象に残らない発信をしてはもったいないのです。ラブレターを結んだ矢文のように「〇〇でお困りなら是非弊社へ!」と顧客の記憶に刺さるブランディングが必要なのです。
製造業がブランディングするメリット
ブランディングのメリットは新規顧客の獲得や売上拡大だけに留まりません。社外・社内にも大きな影響を及ぼします。
①価格競争に巻き込まれなくなる
競合他社との差別化ができるので、市場での競争において有利な立場に立てます。ターゲットと自社サービスの強みが定まっているので、相見積もりを取らずに値引き交渉のない取引が可能になります。
②顧客マッチ度が向上する
ブランディングの結果に得た、マッチ度の高い繋がりはLTV(Life Time Value:顧客生涯価値)の高い、末長くお付き合いができる関係を構築できます。「もっと安い企業を探す」というような顧客離れに悩まされることが減り、経営に安定をもたらします。
③社内のモチベーションが高まる
自社サービスのブランド力が上がることで、従業員の会社への関心度が高まります。今まで当たり前だった技術やサービスに誇りが持てるようになり、モチベーションが向上します。その結果、専門性の修練度の促進や、離職率の低下にもつながります。
休眠顧客を呼び起こす
ブランディングを行うことで、以前「もっと安い企業を探す」といって離れていった企業に対しても、改めてあなたの会社の技術力や丁寧な仕事を、思い出すきっかけを与えます。ブランディングは、価格だけでない仕事の価値を再認識してもらうチャンスを作るのです。
製造業ブランディング4つのステップ
製造業のブランディングを始めるには何をしたら良いのでしょう?今回の記事で、分かりやすく4つのステップで解説していきます。
自社の技術的強みを明確にする
さまざまな技術を保有する中で、多くの技術紹介をしたくなると思います。しかし、ブランディングではセンターピンとなる技術を打ち出すことが重要です。センターピントはボーリングの真ん中のピンのようなもので、「〇〇でお困りなら是非弊社へ!」と言える明確さが、競合他者を寄せ付けない矢文になります。
自社の本質的強みを見直す
あなたの会社がどのようなスタンスやポリシーを仕事に持って取り組んでいるでしょうか?どんな技術の向上も、行っているのは人間です。この仕事に対する姿勢こそが、今日の技術的強みを積み上げてきた裏付けになるのです。
顧客の悩みの本質を知る
技術的強みと本質的強みだけでもかなりの差別化が可能です。さらにそこで行って欲しいのが、あなたの会社の顧客の悩みは何がということです。ここで注意するべきなのは、コスト削減や技術力といった目先の悩みではありません。例えば「後工程まで考えてコスト削減になる方法が欲しい」「ベストな加工の相談からしたい」といった顧客が抱える課題の本質を明確にすることで、相見積もりを取られないブランディングができるのです。
自社のビジョンを発信する
自社の技術やサービスを続けていくために環境配慮・社員育成などの経営活動を通して、自社がどのような未来を作りたいのかビジョンを発信することです。それは、あなたの会社の中長期的視点を持った信頼できる会社としてLTVの高い顧客に関心が集まる流れを生み出します。
さいごに「逆ブランディング」に注意
検索の時代において、直感的に企業の強みが伝わらない発信状態を維持することは「逆ブランディング」です。なんとなく今まで企業サイトやSNSの運用をしていると、せっかく持っている高い技術や、丁寧な仕事が伝わらなくなってしまいます。それば非常に勿体無い状態です。これからを生き抜く製造業として、自社にブランディングをいう意識を取り入れることをお勧めします。まずは、自社の強みに改めて向き合うことから始めてみましょう。