【独自調査】購買・調達担当は生成AIをどのように活用して製品を購入しているのか

【執筆者紹介】廣常 絵梨奈

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この記事の執筆者
廣常 絵梨奈
会社名:テクノポート株式会社(大阪オフィス)

表立つことは少なくとも、社会を大きく下支えしているBtoB製造業の技術・製品の奥深さ、ニッチさに強く惹かれテクノポートへ入社。
金属・樹脂加工等のサプライヤー企業から、自社製品を販売するメーカーまで幅広く支援。
商材の強み・商流の理解に特に重きを置き、顧客視点に立った施策を提案。

【経歴】
新卒で入社後、大阪オフィス責任者として近畿圏の製造業Webマーケティングを支援。
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テクノポートの廣常です。従来の製造業における購買・調達活動では、検索エンジンや既存取引先、商社への相談を通じて製品やサプライヤーを探すことが一般的でしたが、近年ではChatGPTやMicrosoft Copilotなどの生成AIを活用し、製品探索や候補企業の絞り込みを行うケースが増えています。

弊社で2026年1月に実施をした「製造業における情報収集・購買プロセスの生成AI利用 実態調査」では、製造業の購買・調達担当の方がAIきっかけで実際の問い合わせや購買まで至った事例が複数確認されました。本記事ではこの事例を一部抜粋してご紹介いたします。調査結果を全てご覧になりたい方は以下よりダウンロードください。

調査レポート:製造業の購買活動における生成AI活用の実態調査【2026年版】

       
  • 製造業従事者317名へのアンケートと6名への個別インタビューを実施
  • 製造業の購買プロセスに浸透し始めた生成AIの活用実態と、AI時代に企業が取るべき対策とは

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資料イメージ

生成AIを活用した問い合わせ・購買経験について

検索エンジンとは異なり、生成AIは対話形式で柔軟な情報収集ができるという特長から「まだ製品名が明確でない段階の探索」「条件に合う製品の比較」「候補企業の絞り込み」などと広く活用され始めていることがわかりました。以下に3つの事例を紹介します。

事例1 計測機器の購入(ベアリングメーカー 品質管理)

【購入までの流れ】
1. 「XX社の〇〇という設備の代替品となる製品はないか?」とAIに投げかけ
2. 回答のあった製品からさらに⽐較 「測定精度が⾼い順に並べて」など、絞り込みをAIに依頼
3. 求める基準が合致するメーカーを⼀社推薦されたため、その後Webページ等仕様書も確認した上で問い合わせ・購⼊

インタビュー回答内容:既存メーカーが計測器事業から撤退したことをきっかけに、代替となる計測機器を生成AIで探しました。従来であれば、既存の取引先に相談したり、検索エンジンでメーカー名や製品カテゴリを調べたりするところですが、まずAIに対して「XX社の〇〇という設備の代替品となる製品はないか?」と質問しました。

その後、AIが提示した製品候補に対して、さらに「測定精度が高い順に並べて」などの追加指示を行い、条件に合う製品を絞り込んでいきました。最終的には、AIが推薦したメーカーのWebページや仕様書を確認し、求める基準に合致していることを確認したうえで問い合わせを行い、実際に購入に至っています。

最初から要望を全部打ち込むというよりは、シンプルな質問を投げた上で徐々に絞り込んでいくようにしています。

事例2 ドラムコードの購入(総合電機メーカー 生産技術)

【購入までの流れ】
1. 最初は検索エンジンで「ドラムコード+小型」などと検索するも、なかなか求める仕様の製品がヒットせず
2. AIに、「小型・電流値制限・ブレーカー付き・・・を満たすドラムコード」と求めている条件をまとめて入力
3. 求めていた製品がすぐに見つかったため、内容確認後に購入へ

インタビュー回答内容:ドラムコードの購入に生成AIを活用しました。求めていた条件は、「なるべく小型」「電流値制限」「ブレーカー付き」「安全対策付き」など複数あり、一般的な検索エンジンでは条件に合う製品を見つけにくかったです。そこで生成AIに切り替え、欲しい条件をまとめて入力すると、すぐに適切な製品を出してくれたので実際の購入にもつながりました。

特に製造業の製品探索では、機能、サイズ、安全性、周辺機器、使用環境など、条件が複雑になりがちです。 生成AIの場合、自社が考えている条件を文章として一式入力できるため、検索語に分解しにくいニーズでも伝えやすくなります。購買・調達担当者にとっては、「自分の欲しい仕様をそのまま相談できる」点が大きなメリットですね。

事例3 フォークリフトの問い合わせ(総合電機メーカー 生産技術)

【購入までの流れ】
1. 検索エンジンで情報収集をするも、「AGF」「自動フォークリフト」など表現の揺れもありうまく拾いきれず
2. AIに、自社の求める仕様を大まかに打ち込んで検索
3. 複数例示される中で理想のフォークリフトが見つかったため、問い合わせへ

インタビュー回答内容:無人フォークリフトの導入検討にも生成AIを活用しました。最初は検索エンジンで「無人 フォークリフト 小型」など、2〜3語を掛け合わせて検索していましたが、思うような結果が得られませんでした。 また、「無人フォークリフト」と表現していても、別の企業では「自動フォークリフト」や「AGF」と表記している場合があり、使用する語句によって検索結果が変わり情報をうまく拾いきれていませんでした。

一方、生成AIであれば、要望を入力すると関連する別表現や近い概念も含めて候補を出してくれるので良いですね。AIを活用して見つけた候補企業と2回ほど商談を実施しました。技術的な理由で導入には至らなかったものの、問い合わせ先の発見として十分活用できました。

考察・AI検索流入の対策方法

今回の調査内容を踏まえ、製造業の購買・調達担当の方が生成AIを活用する場面として大きく2つの傾向があると考えられます。

①初期探索型

まだ製品名や解決策が明確でない段階で、「この課題を解決するにはどのような製品があるか」「この条件に合う企業を教えて」といった形で漠然とAIに相談する使い方です。技術課題の整理、代替工法の探索、未知の業界や設備の下調べなどの目的で用いられます。対話をしながら調査を進められる、AIならではの使い方です。

AI検索流入の対策方法

初期探索型では、ユーザーはまだ製品や技術を確定していない中で情報収集を行います。そのため、このような段階のユーザーからのAI流入獲得を狙うためには、ユーザーの抱えている「課題」と、自社の「製品・技術」を結びつけるコンテンツの掲載が有効です。

例)以下のような広い疑問に対し、Q&A形式や製品・技術ページ内で情報を掲載

  • 樹脂でボトルを作りたい場合、どの成形方法が適しているか
  • 食品機械部品に適した表面処理は何か
  • 短納期で試作品を作るには、どの加工方法を選ぶべきか

②条件指定型

すでに探したい製品や技術がある程度決まっている段階で、「製品名」「エリア」「精度」「材質」「納期」「業界実績」「対応範囲」などを入力し、候補企業や製品を絞り込む使い方です。問い合わせ先の選定や、購入前の比較検討目的で用いられます。

AI検索流入の対策方法

この場合、ユーザーの指定する条件に少しでもヒットするように、企業側は自社サイト上でユーザーが購買・問い合わせ前に確認したい情報を可能な限り公開しておくことが重要です。価格や納期など、すべての情報を公開できない場合でも、候補企業を絞り込む際に判断材料となる情報は可能な範囲で明記しておくことをおすすめします。

AI時代に製造業が問い合わせを獲得するために

生成AIの普及により、製造業の購買・調達プロセスは大きく変わりつつあります。AIに参照・推薦されるための情報設計も必要不可欠な施策になると考えられます。さらに、AIから候補として提示された後、ユーザーは必ずWebサイトや会社概要、仕様書、設備情報、業界実績などを確認します。つまり、AIで見つけてもらうだけでは不十分であり、最終的に人が見て信頼できる情報が整っていることが問い合わせ獲得の条件となります。

本調査レポートでは、製造業従事者へのアンケート・個別インタビューをもとに、生成AIの利用状況、実際のプロンプト例、購買・問い合わせにつながった具体事例を詳しくまとめています。今後のAI流入対策の参考として、ぜひ調査レポートをご覧ください。

調査レポート:製造業の購買活動における生成AI活用の実態調査【2026年版】

       
  • 製造業従事者317名へのアンケートと6名への個別インタビューを実施
  • 製造業の購買プロセスに浸透し始めた生成AIの活用実態と、AI時代に企業が取るべき対策とは

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廣常 絵梨奈
会社名:テクノポート株式会社(大阪オフィス)

表立つことは少なくとも、社会を大きく下支えしているBtoB製造業の技術・製品の奥深さ、ニッチさに強く惹かれテクノポートへ入社。
金属・樹脂加工等のサプライヤー企業から、自社製品を販売するメーカーまで幅広く支援。
商材の強み・商流の理解に特に重きを置き、顧客視点に立った施策を提案。

【経歴】
新卒で入社後、大阪オフィス責任者として近畿圏の製造業Webマーケティングを支援。
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