OEM・ODMの受注を増やそうとすると、まず「問い合わせ件数を増やしたい」と考えがちです。しかし、本当に目指すべき成果は、問い合わせそのものではありません。自社の設計・製造能力と相性のよい案件を見つけ、試作や評価を経て、量産を任せてもらえる状態まで進めることです。
そのためには、SEO対策や広告などの集客施策だけでなく、狙う市場、発注側の関係者、情報収集から発注までの流れ、比較に必要な資料、問い合わせ後のフォローを一つの設計として扱う必要があります。
本記事では、OEM・ODM受託企業が「初回の接点」から「量産移管」までを見据えてマーケティングを組み立てる方法を解説します。
この記事の目次
OEM・ODM開拓で目指すべきは「初回発注」ではなく「量産移管」
JETROの解説では、OEMは委託者のブランドで製品を生産すること、ODMは委託者のブランドで製品を設計・生産することと整理されています。受託側から見ると、OEMでは支給仕様を安定して製造する力、ODMでは要求を仕様へ落とし込み、設計から生産まで進める力が、選ばれるための重要な要素になります。
ただし、Webサイトから相談が来ても、すぐ量産受注になるとは限りません。一般には、次のような段階を進みます。
- 問い合わせ:対応可否や概算条件を確認する
- 要件整理:用途、仕様、数量、品質、納期、予算をすり合わせる
- 試作・評価:設計や製造条件を検証する
- 量産承認:品質、供給、コスト、変更管理などを確認する
- 量産移管:合意した条件で継続的な生産体制へ移る
OEM・ODMマーケティングの役割は、入口の問い合わせを増やすだけではありません。自社が対応できる案件を呼び込み、発注側の検討に必要な情報を先回りして示し、各段階の不安や確認負荷を減らすことです。
したがって、評価指標も問い合わせ件数だけでは不十分です。問い合わせの対象業界、案件内容、試作へ進んだ件数、評価中の案件、量産移管へ進んだ案件などを追うと、どこで止まっているのかを把握しやすくなります。なお、量産移管後の受注量や継続期間は、製品需要、製品寿命、契約条件などに左右されます。量産移管を安定受注の保証と捉えず、マーケティングと営業・技術対応を改善する共通の到達点として扱いましょう。
テクノポートが手がけてきたOEM・ODM企業のマーケティング事例
ここでは、テクノポートの公開事例から、OEM・ODM受注のマーケティングに応用できる3つの取り組みを紹介します。各社の事業形態や成果の前提は異なるため、同じ施策で同じ成果が得られることを示すものではありません。
株式会社渡邊製作所様:幅広い対応力を具体的に見せる

株式会社渡邊製作所様は、機械加工、組立、部品調達に対応する企業です。「できることを隠さずすべて見せる」という方針で、幅広い対応内容を継続的に発信しました。新規引き合いが年1件あるかどうかという状態から月2〜3件へ増え、問い合わせ10件のうち1〜2件が案件化し、年2〜3件の受注につながっています。
この事例から分かるのは、「何でもできます」と抽象的に書くのではなく、加工、組立、調達、対応サイズ、ロットなど、発注側が自社案件との適合を判断できる情報へ分解することの重要性です。なお、公開ページでは同社をOEM・ODM企業と明記していないため、ここでは受託企業の情報発信事例として扱います。
西山工業株式会社様:ODMの対応範囲を事例と検索語へ落とし込む

西山工業株式会社様は、冷熱機器の開発・製造、プレス板金加工、基板の設計開発などを手がけています。ODM事例をカテゴリー別に掲載し、「製品名+ODM」といった具体的な検索語を意識したページを整備した結果、製品開発案件の問い合わせを獲得できています。
ODMを探す担当者は、「ODM対応」と書かれた会社一覧を見たいだけではありません。自社に近い製品分野で、どこから相談でき、どこまで任せられるかを知りたいと考えています。製品カテゴリー、開発の起点、設計範囲、試作、評価、量産対応を事例ごとに整理すると、検索意図と発注判断の両方に応えやすくなります。
株式会社シンドー様:発注側が確認したい具体情報を増やす

株式会社シンドー様は、売上の多くをOEM事業が占め、ODM事業やBtoB向け自社開発製品にも取り組む線材加工企業です。加工技術、対応材質、加工事例などを継続的に追加し、半年で50件、目標問い合わせ数の2.5倍を獲得しました。新規顧客開拓における契約決定率も、従来の約1%から20%へ向上しています。
重要なのは、見た目だけを変えるのではなく、依頼可否の判断に必要な情報を増やした点です。技術、材質、加工事例などを具体化すると、自社に合う可能性を理解した見込み客から相談されやすくなります。
3事例に共通するのは、自社の強みを抽象語で終わらせず、「何を、どこまで、どのように支援できるか」をページや事例へ落とし込んでいることです。ほかの製造業事例は、製造業Webマーケティング事例14選でも紹介しています。
こんな課題をお持ちの方へ
▶ OEM・ODM案件の問い合わせを増やしたい
▶ 設計エンジニアに自社製品を見つけてもらえる仕組みを作りたい
▶ 量産案件を意識したSEO・コンテンツ戦略を立てたい

どの業界・工程を主戦場にするかを見極める
OEM・ODM受注を増やすには、対応可能な市場を広く並べる前に、優先して開拓する市場と工程を決めます。主戦場が曖昧なままでは、検索キーワード、事例、営業資料、広告の訴求がばらばらになり、どの企業にも決め手が伝わりません。
候補市場は、少なくとも次の5つの軸で比較します。
| 評価軸 | 確認すること |
|---|---|
| 市場との接点 | 既存顧客、問い合わせ、展示会などで需要の兆候があるか |
| 技術適合性 | 材質、サイズ、精度、ロット、工程、品質要求に対応できるか |
| 提供範囲 | 製造のみか、設計・調達・評価・組立まで担えるか |
| 事業性 | 案件規模、継続可能性、必要投資、営業・技術負荷が見合うか |
| 証拠の有無 | 実績、設備、認証、検査体制、技術資料を示せるか |
最初から未知の市場だけを狙う必要はありません。既存技術と既存実績を生かせる近い市場から始め、勝ち筋を確認しながら範囲を広げる方が、社内の合意も得やすくなります。市場と技術の整理方法は、受託加工業のビジネスモデル8選も参考になります。
市場を決めたら、「どの業界の、どの製品・工程で、どの課題を解決するか」を一文にします。例えば「産業機器メーカー向けに、筐体設計から部品調達・組立までを一括で支援する」のように定めると、以降のキーワードやコンテンツを選びやすくなります。
発注側の社内力学を理解する|設計・購買・品証、動くきっかけは違う
OEM・ODM案件では、一人の担当者だけで委託先が決まるとは限りません。設計、購買、品質保証など、複数部門が異なる観点から候補企業を確認します。次の表は、部門別の関心を整理するための実務フレームです。企業や案件によって担当範囲や決裁過程は異なるため、固定的なルールではありません。
| 関係者 | 動き始めるきっかけ | 主な関心 | Web・資料で示したい情報 |
|---|---|---|---|
| 設計・開発 | 新製品、設計リソース不足、技術課題 | 実現可能性、設計提案、試作、技術コミュニケーション | 類似用途、設計範囲、試作の進め方、技術データ |
| 購買・調達 | 新規調達、供給リスク、コスト・納期見直し | 価格、供給能力、納期、取引条件、代替性 | 生産体制、対応ロット、調達範囲、見積もり条件 |
| 品質保証 | 量産承認、監査、不具合・変更対応 | 検査、トレーサビリティ、認証、変更管理、是正対応 | 品質保証体制、検査設備、記録、認証、対応フロー |
設計担当者が技術面で評価しても、購買が供給条件を判断できなければ先へ進みません。購買が候補に入れても、品質保証が必要な資料を確認できなければ量産承認は難しくなります。ページや資料は、最初に検索する人だけでなく、社内で共有されることを前提に設計しましょう。
テクノポートがメーカーの設計開発者4名へ行ったインタビューでは、見た目以上に、実績、技術、工場・検査、品質対応など、依頼可否を判断できる情報が重視されていました。詳しくは顧客が求めるWebデザインの調査記事をご覧ください。この調査だけで全業界・全関係者を代表するものではありませんが、発注側が具体的な証拠を求めることを考える材料になります。
発注検討企業の「情報収集から発注までの道のり」を購買フローマップで整理する

施策を選ぶ前に、見込み客がどのように情報を集め、社内で候補を絞り、発注へ進むかを整理します。本記事では、購買の流れを次の5段階で捉えます。業界、会社、案件によって順序が前後したり、複数段階を行き来したりする点には注意してください。
| 段階 | 発注側の問い | 必要なコンテンツ | 次へ進んだ兆候 |
|---|---|---|---|
| 情報収集 | 市場や技術に何が起きているか | 業界動向、技術解説、基礎資料 | 関連記事の閲覧、資料閲覧 |
| 課題認識 | 自社の課題は何か、外部委託が必要か | 課題別記事、内製・外注の比較、チェックリスト | 対応方法・条件ページの閲覧 |
| 委託先探索 | OEMとODMのどちらを選ぶか、誰に相談できるか | サービス範囲、業界別ページ、検索向け記事 | 事例や会社情報の閲覧 |
| 比較検討 | 自社案件に対応でき、量産まで任せられるか | 実績、設備、品質、工程、FAQ、資料 | 資料取得、問い合わせ、仕様相談 |
| 発注 | 条件と責任分担を合意できるか | 見積条件、進行フロー、必要情報、契約・品質資料 | 見積もり、試作、監査、承認 |
このマップを作る目的は、すべての段階へ同じ営業文句を当てはめることではありません。情報収集中の人には理解を助ける記事を、比較中の人には事例や品質資料を、具体案件を持つ人には相談時の必要情報を提示します。アクセス数が多いのに相談へ進まない場合も、どの段階の情報が欠けているかを確認しやすくなります。
購買フローマップの作成から支援します
▶ 自社製品の購買フローマップを一緒に設計したい
▶ どのフェーズのエンジニアにアプローチすべきかわからない
▶ SEO戦略・コンテンツ設計まで一気通貫で依頼したい

具体例で考える|「設計から任せるか、製造だけ任せるか」で迷う担当者の頭の中
ここでは、説明のための架空例として、産業用センサーユニットを開発するメーカー担当者を考えます。実在する案件ではありません。
担当者は新製品の構想と要求仕様を持っていますが、社内の設計リソースが不足しています。量産数量は見込めるものの、筐体、基板、部品調達、組立、検査をどこまで外部へ任せるかは決まっていません。
最初に調べるのは、「センサーユニット OEM」「産業機器 ODM」「筐体 設計 製造 委託」などの言葉です。ここで担当者が確認したいのは、単に製造設備があるかではありません。
- 仕様書や図面がどこまで必要か
- 構想・回路・筐体設計のどこから相談できるか
- 部品調達や代替提案に対応できるか
- 試作から量産へどのように移るか
- 検査仕様、変更管理、トレーサビリティをどう扱うか
設計が固まっていて図面を支給できるなら、製造を中心に委託するOEM型の相談が合う可能性があります。要求仕様から設計提案も求めるなら、ODM型の相談が候補になります。ただし、実際の呼び方や責任範囲は会社・契約によって異なります。名称だけで選ばず、設計、調達、試作、評価、量産、保守の各工程について、委託側と受託側の担当を確認する必要があります。
この担当者に選ばれるサイトは、「OEM・ODM対応」と大きく書くだけのサイトではありません。対応範囲、類似事例、進め方、必要資料、品質体制を示し、社内の設計・購買・品質保証へ共有できるサイトです。
具体的なマーケティング手法
主戦場、関係者、購買フローが整理できたら、集客と情報設計へ落とし込みます。まず検索される言葉を広く集め、事業との適合性を見ながら優先順位を付け、各ページの役割を決めます。この順序を逆にして、思いついたキーワードを既存ページへ詰め込むと、検索意図にも発注判断にも応えにくくなります。
検索されている言葉をとにかく集める
キーワード候補は、製品名だけでなく、購買フローの各段階から集めます。
| 検討段階 | 候補語の考え方 | 例 |
|---|---|---|
| 情報収集 | 業界・技術・方式 | OEM とは、ODM とは、OEM ODM 違い |
| 課題認識 | 困りごと・制約 | 設計 リソース不足、量産 委託、部品調達 一括 |
| 委託先探索 | 製品・工程+委託形態 | 医療機器 OEM、産業機器 ODM、基板 OEM |
| 比較検討 | 選び方・実績・品質 | OEM メーカー 選び方、ODM 事例、受託製造 品質保証 |
| 発注 | 見積もり・条件・必要情報 | OEM 見積もり、ODM 相談、量産委託 必要資料 |
候補は、営業や技術担当者が受けた質問、問い合わせフォーム、商談記録、展示会、社内検索、検索候補などから集めます。自社では日常語になっている専門用語と、顧客が使う言葉が違う場合もあるため、顧客の表現を残すことが大切です。
また、OEMとODMでは検索意図が異なります。「製造先を探している」のか、「設計から相談したい」のかを区別し、同じページですべてに答えようとしないようにします。
集めたキーワードに優先順位をつける
候補を集めたら、検索回数だけで決めず、次の4点で優先順位を付けます。
- 問い合わせへの近さ:具体的な委託先探索や比較に近いか
- 検索需要:実際に調べる人がいるか
- 自社との適合性:対応したい市場・工程・案件条件と合うか
- 勝ち筋:実績、技術、事例など、競合と異なる答えを出せるか
例えば、検索需要が大きい「OEMとは」は認知獲得に役立つ一方、すぐ案件相談へつながるとは限りません。「産業機器 ODM 小ロット」のような具体的なキーワードは検索回数が少なくても、対応領域と一致すれば事業価値が高い可能性があります。
優先順位は、「検索需要が大きい順」ではなく、「事業として受けたい案件に近く、十分な答えを示せる順」で決めます。公開後は、検索表示、閲覧、資料取得、問い合わせ、案件化の結果を見て見直しましょう。
サイト構造にキーワードを落とし込む
優先キーワードは、検索意図に応じてページの役割を分けます。
| ページの種類 | 主な役割 | 盛り込む情報 |
|---|---|---|
| OEM対応ページ | 製造委託の相談可否を判断してもらう | 対応工程、支給情報、生産体制、品質、量産移管 |
| ODM対応ページ | 設計からの相談可否を判断してもらう | 設計範囲、提案方法、試作・評価、知財・変更管理の考え方 |
| 業界・製品別ページ | 自社案件との近さを伝える | 業界特有の要求、製品例、対応技術、関連実績 |
| 課題解決記事 | 情報収集・課題認識を助ける | 比較、選び方、失敗防止、検討手順 |
| 事例ページ | 比較検討の証拠を示す | 課題、条件、対応範囲、進行、結果、注意点 |
| 資料・FAQ | 社内共有と相談準備を助ける | 能力表、品質、工程、必要情報、よくある質問 |
一つのページに「OEM」「ODM」「受託製造」「開発」「設計」「量産」などを詰め込むのではなく、読者の問いごとに主役を決めます。関連ページ同士を内部リンクでつなぐと、検索から入った人が基礎理解、事例、相談へ進みやすくなります。
「うちはこれができます」だけでは選ばれない
「最新設備を保有」「高品質」「短納期」「柔軟に対応」といった表現だけでは、発注側は自社案件に合うかを判断できません。設備や技術の説明を、発注側の価値へ翻訳する必要があります。
| 自社起点の説明 | 発注側が知りたい説明 |
|---|---|
| 5軸加工機を保有 | どの形状・材質・サイズ・精度に対応でき、工程集約で何が変わるか |
| 設計から対応 | 要求仕様、構想、詳細設計のどこから相談でき、成果物と責任範囲は何か |
| 一貫生産 | 調達、加工、表面処理、組立、検査のどこまでを管理し、窓口を一本化できるか |
| 高品質 | 何を検査し、どの記録を残し、不具合や変更へどう対応するか |
さらに、説明を裏づける証拠が必要です。製品・取引実績、写真、仕様表、工程図、検査設備、認証、品質対応、担当者の専門性などを、機密に配慮しながら示します。製造業のWebデザイン調査でも、メーカーの設計開発者は、華美な見た目より実績や技術、工場・検査などの情報を確認する傾向が紹介されています。
訴求内容とキーワード、ページ、相談導線が一致した事例は、製造業Webマーケティング事例14選でも確認できます。
発注前に読まれる資料を用意する|資料がリードを生む
OEM・ODMの比較検討では、Webページだけでなく、社内共有しやすい資料が役立ちます。担当者が上司、購買、品質保証へ説明するときに使える情報を用意しましょう。
| 資料 | 主な内容 | 役立つ場面 |
|---|---|---|
| 会社・サービス紹介 | 会社概要、事業、対応範囲、窓口 | 候補企業の初期確認 |
| 工程能力・設備資料 | 工程、材質、サイズ、精度、ロット、設備 | 技術適合性の確認 |
| 品質保証資料 | 品質体制、検査、認証、記録、変更・不具合対応 | 品質・量産の確認 |
| 設計・開発事例 | 要求、担当範囲、提案、試作、評価 | ODM対応力の比較 |
| 量産移管ガイド | 相談から試作、評価、承認、量産までの流れ | 委託計画と社内合意 |
| 相談チェックリスト | 用途、仕様、数量、納期、品質、支給情報 | 問い合わせ準備 |
基本的な対応範囲やFAQは、フォーム入力を求めず公開した方が、候補企業として検討してもらいやすくなります。一方、詳細な能力表、事例集、チェックリストなど、保存して社内共有する価値が高い資料は、フォーム経由で提供すると見込み客との接点になります。
フォーム項目を増やしすぎると取得の負担が高まります。資料の内容と、その後の対応に本当に必要な情報へ絞ります。資料を作って終わりにせず、どのページから取得されたか、取得後に何を案内するかまで設計しましょう。
一度接点を持った企業を、次の案件まで放さない
OEM・ODM案件は、情報収集から具体的な発注まで時間が空くことがあります。今すぐの案件にならなくても、担当者が検討を再開したときに思い出してもらえる接点を保つことが重要です。
ただし、すべての見込み客へ同じ情報を送り続けるのではありません。閲覧・取得した内容から関心を整理し、役立つ情報を出し分けます。
- OEM能力表を取得した人:生産体制、量産移管、品質保証の事例
- ODM事例集を取得した人:設計提案、試作、評価、知財・変更管理の解説
- 業界別ページを見た人:同じ業界・用途に近い事例や技術情報
- 見積もり後に保留となった企業:条件変更、新しい対応範囲、関連実績
継続接点には、メール、セミナー、事例更新、技術記事、営業からの個別連絡などがあります。頻度を増やすことより、「その担当者の検討段階で、次の判断に役立つか」を優先します。
マーケティング側では、資料取得や問い合わせの履歴だけでなく、営業が確認した業界、用途、委託範囲、時期、次回条件を記録します。接点の目的は一律の追客ではなく、次の案件が具体化したときに適切な情報と担当者へつなぐことです。連絡先情報は、自社の方針と適用されるルールに沿って管理・利用してください。
OEM・ODMマーケティングの相談はテクノポートへ
OEM・ODMマーケティングでは、集客施策を単体で増やすのではなく、次の流れをつなげることが重要です。
- 量産移管まで見据えて成果地点を決める
- 狙う業界・製品・工程を絞る
- 設計、購買、品質保証の判断材料をそろえる
- 購買段階に合うキーワード、ページ、事例、資料を作る
- 問い合わせ後も、案件化の時期まで適切な接点を保つ
テクノポートでは、BtoB製造業に特化し、マーケティング戦略の立案からWebサイト制作、SEO・コンテンツ、公開後の改善までを支援しています。自社の対応範囲をどのように伝えるべきか、OEMとODMのページをどう分けるべきか、問い合わせはあるのに量産案件へ進まないなどの課題があれば、BtoB製造業向けWebマーケティング支援をご覧ください。
まずは無料相談から
▶ 「うちの製品でも購買フローマップって作れるの?」
▶ 「SEOとコンテンツ制作を一緒に依頼したい」
▶ 「海外エンジニアへのアプローチ方法を知りたい」

付録
最後に、OEM・ODMマーケティングを考える前提として、用語、発注業界、産業構造を簡潔に整理します。実際の契約では呼び方だけで責任範囲を判断せず、設計、製造、調達、品質、知的財産、変更対応の分担を個別に確認してください。
【付録】OEM・ODM・EMS、何がどう違うのか
| 区分 | 基本的な意味 | 発注時に特に確認したいこと |
|---|---|---|
| OEM | 委託者のブランドで製品を生産すること、またはそのメーカー | 図面・仕様の支給範囲、製造責任、調達、品質、量産条件 |
| ODM | 委託者のブランドで製品を設計・生産すること | 要求仕様、設計成果物、知的財産、試作・評価、変更管理 |
| EMS | 主に電子機器の製造を受託する業態 | 基板実装、組立、調達、検査などの対応範囲と設計関与の有無 |
EMSはElectronic Manufacturing Servicesの略で、電子機器受託製造を指す文脈で使われます。EMSでも設計や調達まで担う企業がありますが、呼称だけで範囲は決まりません。
【付録】OEM・ODM企業に発注する業界とその特徴
OEM・ODMは幅広い業界で活用されています。発注側が重視する条件は、製品、用途、法規制、企業方針によって異なります。
| 業界例 | 発注時に重視されやすい事項 | マーケティングで示したい情報 |
|---|---|---|
| 自動車・輸送機器 | 量産品質、供給継続、変更管理、トレーサビリティ | 品質体制、工程管理、供給能力、関連実績 |
| 家電・電子機器 | 設計連携、部品調達、コスト、量産立ち上げ | 設計・調達範囲、試作、実装・組立、量産移管 |
| 医療機器 | 要求仕様、リスク管理、品質文書、規制への適合 | 対応範囲、品質体制、文書・検証、関連分野の実績 |
| 産業機器 | 長期供給、多品種、保守、個別仕様への対応 | カスタム設計、対応ロット、部品継続性、保守支援 |
例えば同じ医療分野でも、部品加工と完成機器では求められる責任や確認事項が異なります。「○○業界対応」と書くだけでなく、どの製品・工程・要求に対応できるかを具体化することが必要です。
【付録】発注元からサプライヤーまでの産業構造
OEM・ODM・EMSを含む産業構造は、概ね次のように整理できます。
ブランドオーナー・発注元 → OEM/ODM/EMS受託企業 → 部品・加工・材料・設備などのサプライヤー
ブランドオーナーは、市場要求や製品方針を持ち、販売やブランド責任を担います。OEM・ODM・EMS受託企業は、契約した範囲に応じて設計、調達、製造、組立、検査などを担います。その下には、部品メーカー、加工会社、材料メーカー、表面処理会社など、複数のサプライヤーが関わっています。
ただし、実際には一社が複数の役割を持つ場合があります。自社ブランド製品を販売しながらOEMを受託する企業、ODMとして設計・製造しながら一部工程を外部委託する企業もあります。
マーケティングでは、自社が産業構造のどこに位置し、誰からどのような相談を受け、どこまで責任を持てるかを明確にします。契約時には、仕様、設計成果物、知的財産、調達、品質、供給、変更、不具合対応の分担を具体的に定めることが重要です。