フリーランス特許翻訳者であり、技術・理学系ライターとしても活動している太田です。近年、価値あるコンテンツをユーザに提供し、支持を得る「コンテンツマーケティング」が注目されています。今回の記事では、加工業者のコンテンツマーケティング活用事例についてご紹介します。
この記事の目次
加工業者のコンテンツマーケティング
コンテンツマーケティングとは、ユーザが知りたい情報を提供し、潜在顧客や問い合わせの獲得を目指す手法です。自社製品や技術のPR情報などの発信もできます。コンテンツマーケティングは自動車などの完成品メーカーが行うものというイメージが強いかもしれません。しかし最近では、加工業者の間でもコンテンツマーケティングが広がっています。
加工業者の場合、自社技術の用途開発(オープンイノベーション)を目的としてコンテンツマーケティングを行うケースが大半です。技術情報をさまざまな視点でコンテンツ化すれば、当初想定していなかったユーザからのアクセスを得られる可能性があります。つまり、自社技術を新たな市場に導入するチャンスが得られるのです。これは会社の成長にもつながります。
加工業者の活用事例
加工業者にとってもメリットの多いコンテンツマーケティング。ここでは、加工業者5社のコンテンツマーケティング活用事例をご紹介します。
ミスミグループ(meviy)
(引用:ミスミグループ(meviy))
meviyは、ミスミグループが運営する3Dものづくりプラットフォームです。3DCADデータだけで部品の見積もり、発注、製造までを行うことができます。
meviy内のINFORMATIONページには、「ダイセキのメカ設計道場」「部品設計の秘訣」「金型設計虎の巻」「製造設計の基礎知識」といった、初心者から熟練者向けのさまざまなコラムが数多く掲載されています。設計や加工に関する情報量は桁違いです。
エレファンテック株式会社
(引用:エレファンテック株式会社)
エレファンテック株式会社は、フレキシブル基板の開発や製造を行う会社です。コーポレートサイト内で、初心者から研究者に向けてフレキシブル基板に関する幅広い情報を提供しています。フレキシブル基板の定義や市場規模、導入メリット、設計ポイント、用途などのコンテンツが豊富です。
フレキシブル基板についてさまざまな人に知ってもらい、フレキシブル基板が多くの分野に導入されることを目指すマーケティングを実践しています。
湯本電機株式会社(DDD FACTORY)
(引用:湯本電機株式会社(DDD FACTORY))
DDD FACTORYは、湯本電機株式会社の3Dプリント出力サービスサイトです。3Dプリンターの原理や特徴といった基本的な情報を発信しています。さらに、「3D造形を学ぶ」コーナーでは、3Dプリンターに関するさまざまなニュースや最新の適用用途などをリアルタイムに紹介しています。
また、AIと3Dプリンターに関する対談の「Special Contents」も魅力です。これは他社との差別化を目指した独自性の高いコンテンツであるといえるでしょう
株式会社JMC(3Dプリンター出力専門サイト)
(引用:株式会社JMC(3Dプリンター出力専門サイト))
株式会社JMCは、3Dプリンター出力事業や鋳造事業、CT事業などを行う会社です。JMCが運営する3Dプリンター出力専門サイトでは、3Dプリンターの原理や利用分野、製作事例などを幅広く解説しています。さまざまな分野のユーザに3Dプリンターを活用してもらいたいという姿勢がわかります。
蒲田工業株式会社(表面処理ガイド.com)
(引用:蒲田工業株式会社(表面処理ガイド.com))
蒲田工業株式会社は、クリーンルームの設計、製作、施工や、表面処理および技術選定のコンサルティングなどを行う会社です。
表面処理ガイド.comは蒲田工業が運営する表面処理専用サイトで、金属、樹脂、ゴムといったさまざまな表面処理技術や各技術での施工事例を数多く紹介しています。技術を選ぶ上での手引きも掲載されているため、ユーザが自分の目的に合う表面処理技術を適切に選択することが可能です。
まとめ
加工業者のコンテンツマーケティングは、自社技術の適用先を広げる手段として効果的です。効果が出るまでには時間がかかりますが、成功すれば大きなリターンが得られるでしょう。
テクノポートでは加工業者のコンテンツマーケティングを支援しています。今後、コンテンツマーケティングを始めたいという方はぜひご相談ください。
コンテンツマーケティングに関する記事はこちらにまとまっていますのでご参照ください。