複数のSNSを掛け合わせたコンテンツマーケティング

【執筆者紹介】一之瀬 隼
この記事の執筆者
一之瀬 隼
現役エンジニア、製造業系ライター
執筆テーマ:標準化、自動車、ロボット、他製造業全般

【経歴】
工学系の大学を卒業後、現職に就職し組み込みシステム開発のエンジニア業務に従事。先行開発、量産開発と並行しながら、技術標準化や海外子会社への技術伝承を通して会社を強くする活動に取り組む。
自動車を軸に材料・生産技術・開発方法など、現役エンジニアとしての視点を文章に落とし込むことを意識しながら、ライター活動を行っている。
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製造業のエンジニアで、製造業系ライターとして活動している一之瀬です。

SNSを用いたマーケティングに注目が集まっており、導入を検討する企業が増えています。SNS運用は自社にも効果があるのか、どのSNSが自社に合っているのかを判断するのは簡単ではありません。

この記事では、各SNSの特徴に触れ、複数のSNSを掛け合わせたマーケティングにはどのようなメリット、デメリットがあるのかを解説します。

SNSとは

SNSはソーシャルネットワーキングサービス(Social Networking Service)の略称です。それぞれのSNSサービスにアカウントを登録した人同士が、ネットワーク上でコミュニケーションを取れるようになります。代表的なSNSとしては、TwitterやFacebook、Instagramなどです。

近年は、自社の認知度向上や顧客と直接コミュニケーションを取ることを目的として、製造業でもSNSのアカウントを作成し、積極的に取り組む企業が増えています。

主要なSNSごとのマーケティング戦略

主要なSNSについて、それぞれの特徴やマーケティング戦略を解説します。

Twitter

Twitterは、匿名で活動するアカウントが多いのが特徴です。実際に利用しているアクティブユーザー数は、今回紹介するSNSの中でもっとも多いと言われています。また、リツイートやタグ付けなど、拡散力が大きい機能を備えているのも特徴の一つです。

企業での運用は、企業アカウントを作成して活動するイメージがあるかもしれません。しかしTwitterでは近年、企業アカウントよりも社員がそれぞれの実名アカウントで活動をすることが、マーケティングに効果的とされています。

具体的な投稿内容としては、企業っぽさが残る固い投稿になりすぎないように、日常生活におけるネタなどを交えながら、適度なゆるさがあるほうがよい反応を得られる傾向があります。

近年では、フリートやスペースなどの新機能が拡充され、今後はこれらの機能を上手く活用した活動が広がっていくと考えられています。

Facebook

Facebookは、検索結果やおすすめに表示される際のアルゴリズム変更が頻繁に行われています。近年は、積極的に活動をしている一部のアカウントを除き、認知度を広げるために必要なおすすめに、企業アカウントは表示されにくくなっています。

以前は積極的にビジネス利用されていたため、個人事業主、経営者、中小企業の役職者などのアカウントは多くありました。その年齢層は比較的高めの傾向があります。

ほかのSNSにはない機能として、特定のメンバーで構成するFacebookグループを構築できる点は特徴的です。この機能を活用することで、目的や業種ごとに、地域の枠を超えた交流を生み出せます。また、広告出稿については他のSNSに比べて精度が高いため、狙い通りの効果が得られる傾向があります。

Instagram

Instagramは、若年層や女性の個人ユーザーが多く、さまざまな企業から注目されているSNSです。ショッピング機能なども充実しているため、特にBtoCやDtoCの企業に多く活用されています。

画像や動画を中心とした交流を行うSNSなので、製造業ならではのコンテンツをうまく活用できれば、効果的なマーケティングにつながる可能性があります。また、クラウドファンディングや自社製品のアピールなどで活用しやすい点が特徴的です。

SNSを掛け合わせるメリット

複数のSNSを掛け合わせることで、大きな効果を得られる可能性があります。SNSを掛け合わせるメリットを確認しましょう。

相乗効果が得られる

複数のSNSを上手く活用することで、幅広い客層にアプローチが可能です。

コンテンツマーケティングと複数のSNSを掛け合わせる場合を考えます。コンテンツマーケティングでは、質の高いコンテンツを用意する必要がありますが、それを潜在顧客に届けるのは、SEOの活用をメインとする場合、少し時間がかかります。

複数のSNSを上手く活用することでネットワークを構築できれば、質の高いコンテンツをSEOよりも短時間で効率よく、多くの人の目に触れさせることが可能です。

幅広い層を集客できる

ここまで紹介してきたように、各SNSでは、利用しているユーザーや企業の層が異なります。複数のSNSを上手く活用することで、コミュニケーションが取れなかった層にも、アプローチができるようになります。

幅広い潜在顧客層を集客できるようになるため、SNSを複数運用することがビジネスの拡大につながる可能性があります。

SNSを掛け合わせるデメリット

SNSを掛け合わせることには大きなメリットがありますが、デメリットもあります。

運用コスト

各SNSプラットフォームは、それぞれの持つ特徴が大きく異なるため、投稿するコンテンツを使いまわすと逆効果になってしまう可能性があります。

同じネタでも、各SNSの特徴に合わせた見せ方や切り口にカスタマイズできれば問題ないですが、それには手間がかかります。本格的に取り組もうとすると、複数の人材が必要になり、かなりの人件費が必要です。

また、SNSを運用する目的や効果の評価方法について、明確に定めないまま運用を開始しているケースもあります。投入したコストに対する成果を評価しにくい点はデメリットの一つです。

SNS運用の仕組みの作り方

SNS運用の仕組みをどう作るか?という点も、SNSを活用する上で難しい課題です。

仮にルールを決めても、SNS側で頻繁にアルゴリズムの変化や新機能が追加されることで、ルールが当てはまらなくなるケースが多くあります。また、社内にSNSマーケティングを理解している人が少ないと、運用の目的が数値として分かりやすい「フォロワー数の増加」などになってしまい、業績に対する成果が得られない可能性もあります。

成果につながらないだけならまだしも、悪影響を与えたり炎上の火種になったりするアカウントになると、大きなリスクとなるでしょう。しかし、これを避けるような仕組みづくりは簡単ではありません。

成功事例やノウハウが少ない

BtoC向けや個人事業主向けのSNSマーケティングノウハウは豊富にありますが、BtoB向けのSNSマーケティングノウハウはあまり知られておらず、特に製造業の事例はほとんどありません。

本来であれば、導入当初はお手本を見つけ、上手く参考にしながら取り組んでいくのが一般的です。しかし、参考事例がないため、それぞれの目的に応じて手探りで運用をしていく必要があります。

まとめ

複数のSNSをうまく活用することで、多くの潜在顧客にアプローチできる可能性があります。それぞれのSNSが持つ特徴に合わせた振る舞いやコンテンツ作りをすることで、反響を得られやすくなるため、同じネタでもSNSに合わせたカスタマイズが必要です。複数のSNSを運用することと、コンテンツマーケティングの相性はよく、SNSはコンテンツを広めるための有効な集客手段となり得ます。

一方で、複数のSNSを運用することにはデメリットもあり、運用コストと得られる成果の関係や運用の仕組みづくりは、導入のハードルとなる場合があります。SNS運用を始める場合は、目的や効果測定の方法をきちんと定めることが重要です。

この記事の執筆者
一之瀬 隼
現役エンジニア、製造業系ライター
執筆テーマ:標準化、自動車、ロボット、他製造業全般

【経歴】
工学系の大学を卒業後、現職に就職し組み込みシステム開発のエンジニア業務に従事。先行開発、量産開発と並行しながら、技術標準化や海外子会社への技術伝承を通して会社を強くする活動に取り組む。
自動車を軸に材料・生産技術・開発方法など、現役エンジニアとしての視点を文章に落とし込むことを意識しながら、ライター活動を行っている。
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