テクノポートの徳山です。技術系メーカーがSEO対策を行うためのキーワード選定を行う際に、製品(技術)名でSEO対策を行うことが多いかと思いますが、ニッチな製品(技術)を取り上げる際に認知度が低く十分な検索ボリュームを確保できない場合があります。
そこで今回は技術系メーカーが自社の製品(技術)の認知度を高め幅広いユーザーのリードを獲得するためには、どのような切り口でSEOキーワードを発掘すればよいのかを徹底的に解説していきます。
この記事の目次
検索ユーザーの購買フローに基づいたキーワードを選定
対策キーワードを発掘するための切り口を、検索ユーザーが辿るであろう購買フローに沿って配置すると図のようになります。
カスタマージャーニーマップという顧客行動や心理を購買フローに沿って整理する手法がありますが、それの技術系企業版だとお考えください。多くの検索ユーザーが図のような購買フローの流れで検索活動を行う傾向があり、徐々に検索する切り口が変化していくと考えられます。よって、このフローを考慮して対策キーワードの選定やWebサイトの構成を企画していく必要があります。
購買フローに基づいた対策キーワード発掘の切り口
対策キーワード発掘のための切り口
それでは、以下よりそれぞれの切り口を詳しく説明していきます。
製品名
PRする製品(技術)が市場で一般的に呼称されている言葉を対策キーワードとして採用します。上図のカスタマージャーニーマップのとおり、最も購買までの時間が短いユーザーが使用するキーワードとなるため、最優先で取り組むべきキーワードと言えます。しかし、競合他社も同じく注力するキーワードとなるため、SEOでの競争率が高くなる可能性があります。
また、抽象度の高いキーワードほど競争率が高くなる傾向がありますので、さまざまな切り口から複合キーワードを発掘し、なるべく競合が少ないキーワードで対策するのが望ましいです。競合が少ないニッチなキーワードは検索ボリュームが少ないことが多いですが、ユーザーの検索意図が明確なので問い合わせにつながる可能性が高いというメリットがあります。
ユーザーの検索意図
製品を購入するために必要な情報を収集している
対策キーワード例:コネクタの場合
- 総称・・・コネクタ
- 形状・・・角型コネクタ、丸型コネクタ
- 用途・・・電源コネクタ、映像コネクタ、音声コネクタ
- 規格・・・USBコネクタ、DINコネクタ、RCAコネクタ
- 特長・・・防水コネクタ、小型コネクタ、絶縁コネクタ
- 学習・・・コネクタとは、コネクタ 種類、コネクタ 性能 など
競合製品・技術
PRする製品(技術)が開発されたばかりのもので、まだ認知度が低い場合、製品(技術)名キーワードだけでは十分な検索ボリュームを確保できない場合があります。そのような場合は、同じ機能や提供価値を持つ競合製品(技術)名を対策キーワードとして採用することで検索ボリュームを確保できます。競合製品(技術)に対する情報提供を通じて、新製品(技術)の認知度を高めることができます。
また、ここでピックアップした競合製品(技術)を軸に、機能や用途の切り口でキーワードを探っていくと新たな対策キーワードの発掘につながることがあります。
ユーザーの検索意図
競合製品を購入するために必要な情報を収集している
対策キーワード例:エロージョン技術を使った微細加工装置
- イオンミリング装置
- ブラスト装置
- エッチング装置 など
機能
その製品が持つ「機能」や「提供価値」を対策キーワードとして採用します。具体的な用途が見つかっていない機能であっても、Webで情報発信することで新たな用途が見つかることがあるので、一通り機能を洗い出してみましょう。
ユーザーの検索意図
自身の技術課題を解決するために必要な機能や提供価値を持つ製品や技術を探している
対策キーワード例:ヒートシンク(放熱部品)
- 熱拡散
- 放熱
- 冷却 など
技術課題
ユーザーが現在抱えている「技術課題」を対策キーワードとして採用します。一見、先ほどご紹介した機能キーワードと似ていますが、機能を求めるうえで前提となっている技術課題という視点を持つことで発掘できるキーワードの幅が広がります。
ユーザーの検索意図
自身が抱えている技術課題を解決するために、課題が発生する原因やメカニズムを調べている
例:ヒートシンク(放熱部品)
- 発熱
- 熱対策
- 熱故障
- 熱暴走 など
用途
検索ユーザーが製品・技術を使用する用途(使用シーン)をキーワードに採用します。製品・技術を使用する用途は決まっているが、解決手段に行きついていないユーザーが使用する傾向にあります。
「対象物+機能 or 課題」の複合キーワードも用途カテゴリに含まれます(液漏れ 検知、内袋 噛み込み など)。筆者の経験では、製品名キーワードに次いで問い合わせに結びつきやすいキーワードが多く発掘でき、購買までの期間も比較的短いケースが多いです。
ユーザーの検索意図
自身が直面している技術課題を解決するための用途(使用シーン)で使える最適な製品や技術を探している
対策キーワード例:梱包不具合をチェックするX線検査機
- 噛み込み検査
- 液漏れ検査
- シール不良検査 など
学習
これまでにご紹介した切り口により発掘した対策キーワードが枯渇した場合や、より潜在的なユーザーの開拓を目的とした場合に、活用できるのが学習キーワードです。
ターゲットユーザーが対象の製品・技術領域で日常的な情報収集の場面で使用しそうな検索キーワードで、例えばその分野でしか使われない専門用語や計算式、トレンド系のキーワードなどが挙げられます。
ニーズが潜在化していないユーザーがターゲットとなるため、問い合わせには結びつきづらく、購買までの期間は長いことが多いですが、日頃からユーザーへ情報提供し会社や製品の認知を高めていくことで、ニーズが芽生えたときに最初に想起される存在となることができます。
対策キーワード例
- IoT製品を探しているユーザー・・・スマート工場、FA、industry4.0
- 材料開発に従事している開発者・・・マテリアルインフォマティクス
- 熱設計に携わっている設計者・・・サーマルマネジメント、熱拡散率、熱シミュレーション
まとめ
検索ユーザーの購買フローに基づいた対策キーワードを選定することが重要なことをお分かりいただけたかと思います。キーワードを選定する際は、Webマーケティングの目的によって臨機応変に決めていきましょう。PRしたいと考えている製品・技術を、想定しているターゲットにのみ効率的に販売していきたいのであれば、購買フローの後期ユーザーを狙い、製品・技術を既存顧客とは違う異分野のターゲットにも販売していきたいのであれば前期ユーザーを狙っていく、といった具合です。
テクノポートでは、技術系企業のWebマーケティングを戦略立案から実行まで一貫してお手伝いすることが可能です。Webマーケティングで成果が出ずお困りの企業様はお気軽にご相談いただければ幸いです。