テクノポートの廣常です。BtoB製造業Webサイトにおいて考慮すべき要素の一つが、「ユーザーが必要としている情報へのたどりつきやすさ」です。
自社のサイトを訪れる見込み顧客は、各々の検討段階において必要な情報を探し求めます。限られた業務時間の中で情報収集が行われるため、いかにサイトの利便性を上げ、顧客が必要としている情報にたどりつかせるかが重要となります。
当記事ではBtoB製造業Webサイトにおいて見込み顧客が取る行動と、それに合わせた導線設計についてご紹介します。
この記事の目次
誘導を考える前にするべきこと
「顧客を誘導させる」といっても、どのような顧客が何の情報を必要としているかが曖昧であれば、うまく導線を引くことはできません。
自社が扱う商材が複数あるのであれば、もちろんその分だけ顧客や必要な情報の種類が存在しますが、たとえ一商材であったとしても顧客の属性や検討段階によって求められる情報の内容は異なります。
そのため、誘導を考える前に、改めて自社のサイトに訪れる見込み顧客の特徴と、その見込み顧客が必要な情報を整理し、サイト上にこれらを考慮した情報をしっかりと掲載できているのか確認する必要があります。
自社サイトに訪れる見込み顧客の特徴を整理
まずは、自社のサイトに訪れる見込み顧客を特徴別に分けていきます。
実際のデータがなかったり、具体的な想像がつきにくい場合は、これまでによく取り引きのある顧客がどのような特徴を有しているかを思い返してみるのも一つです。整理するための切り口として、例えば以下が挙げられます。
分類 | 項目例 |
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属性(業界) |
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属性(業種) |
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属性(職種) |
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検討段階 |
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量 |
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緊急度合い |
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要求条件 |
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見込み顧客が取る行動と必要な情報を検討
見込み顧客を特徴別に分けることができたら、各顧客がWebサイト上で取る行動と、必要な情報を検討していきます。
自社として伝えたい内容がたくさんあっても、誰が読むかに合わせて取捨選択をしなければ主張がぼやけ、訴求力も弱まります。顧客側も「自社にあったソリューションではないのかも」と感じ、離脱される恐れも考えられます。そのため、あくまでもサイトに訪れる顧客を軸に掲載する情報を精査していきます。
BtoB製造業Webサイトにおいて考えられる、顧客の主な行動と必要な情報の例は以下の通りです。
1. 技術・製品の理解
Webサイト内の行動:技術(製品)や事例ページを閲覧、関連資料をダウンロード
必要な情報:技術・製品の特長、競合優位性、自社の業界や課題と同様の対応事例、対応ロット数、納期対応力、品質管理体制
2. 企業概要の把握
Webサイト内の行動:TOPや会社概要ページを閲覧
必要な情報:会社概要、事業内容、取引実績、対応エリア、保有資格
3. 問い合わせの実施
Webサイト内の行動:お問い合わせフォームへ遷移、もしくは電話
必要な情報:問い合わせ先情報、問い合わせ後の流れ
効果的な誘導方法
これらの情報を整理し自社のサイトに揃えた上で、訪問した顧客をどのように誘導するかを考えていきます。誘導に効果的な装飾や機能については下記の通りです。
メニューの設置
- ヘッダー、フッターメニュー
- サイドメニュー
メニューはサイトのナビゲーションを支える主要な要素です。ユーザーがサイト内で目的のページや情報を簡単に探し出せるように、明瞭で分かりやすいメニューを配置することが必要です。階層構造もシンプルに保つと良いでしょう。
誘導ボタン、バナーの設置
- 誘導ボタン
- バナー(固定型、追従型、ポップアップ型)
誘導ボタンやバナーは、目的のページやアクションへの明確な道標となります。デザインや色味、配置場所などを工夫することでユーザーの注意を引きつけ、次の行動を取らせる可能性を高めることができます。
サイト内検索機能の設置
- テキスト型
- 絞り込み型
特にコンテンツが多いサイトやECサイトでは、サイト内検索機能を設けることで顧客の利便性を向上させます。顧客が自由に打ち込めるテキスト型のほか、あらかじめ設けた項目別のチェックボックスで絞り込みをさせるのも効果的です。
関連コンテンツの表示
見込み顧客があるページを閲覧している際、そのページに関連する他のコンテンツ(類似製品や同様の事例、技術など)を提示することで、ユーザーの興味を引き続き持続させることができます。関連コンテンツは、ユーザーがサイト内を深く探索するきっかけを作るとともに、滞在時間の増加や回遊率の向上にも寄与します。
フォームの埋め込み
お問い合わせフォームは別ページで設けているケースが多いかと思いますが、訴求するページの下部に直接埋め込んでしまうのも一つの手です。訴求ページを読んで興味を持ってくれた見込み顧客に、興味が冷めないうちに遷移の手間なく入力させることが可能です。
誘導時に意識するポイント
TOPページの活用
顧客が下層のページから流入した場合であっても、一度サイトや企業の全体像をつかむためにTOPページへ遷移することが多くあります。また、社名検索をかけたユーザーはTOPページを最初に見る可能性が高いため、TOPページを見ただけで自社が何をしている会社なのかがわかるように明示し、そこから目的のページへ簡単に移動できるよう誘導路を設ける必要があります。
ファーストビューの考慮
上記のTOPページにも共通しますが、ファーストビュー(Webページを開けた際に、スクロールせずに最初に目に入る部分)への考慮も重要です。サイトに訪れたユーザーは、ファーストビューを見て3秒でその先を読み進めるかどうかを決めると言われています。見込み顧客の離脱を防ぐためにも、ファーストビューで商材の特徴を簡潔に伝え、次のステップとなるページ(詳細説明ページやお問い合わせなど)へ誘導をかけていきましょう。
ユーザーの居場所に依存しない導線
ユーザーが実際にどのページのどの場所で次の行動を起こすかを予測することは難しいため、主要な情報については、サイト内のどこにいても遷移できるよう、固定のボタンやメニュー、バナーの配置などを推奨します。
分析・改善のためのツール
すでにWebサイトを保有されている場合は、実際のサイト訪問者の行動をみて再設計することもおすすめです。分析、改善のために効果的なツールを2つご紹介します。
ヒートマップ
ヒートマップとは、ユーザーがサイト内でどの部分を最も多くクリックしているかや、どこを長く見ているかを色の濃淡で視覚的に示すツールです。これにより、ページ内の注目箇所や改善点を一目で把握できます。
ユーザー行動録画ツール
実際のユーザーの行動を動画として録画することができ、サイトをどのように操作しているかを確認できます。各ページにどれぐらい滞在したかやマウスの移動経路、遷移先ページなどをリアルに確認することが可能です。
まとめ
BtoB製造業Webサイトの訪問者(見込み顧客)が取る行動と、それに合わせたサイト設計についてご紹介しました。サイトの全体設計や、各ページの構成を検討される際の参考となれば幸いです。