テクノポートの廣常です。新規顧客開拓や、掲載内容・デザインが古いとの理由でホームページの改修を検討される方は多いかと思います。一方で、「本当に改修が必要なのか」「部分的な改修か、全面的な改修(フルリニューアル)にすべきか分からない」といった理由から、社内での合意形成が進まないケースも少なくありません。本記事では、ホームページ改修の判断基準や社内説得に有効な材料、優先的に改善すべきページについて解説します。
この記事の目次
フルリニューアルではなく「部分改修」で成功した事例
株式会社呉英製作所

参照元:株式会社呉英製作所Webサイト
- 事業内容を①工具販売/②機械販売/③受託電着 の3軸に整理し、それぞれの事業ごとに訴求の方向性を再設計。
- 各軸でターゲットユーザーを明確化し、検討段階や課題に応じた提供価値を言語化した上で既存ページの改修やSEOを兼ねた「コラム」を新設。
【結果】
代理店経由が中心だった機械販売において、エンドユーザーからの直接の引き合いが増加。また、これまで接点のなかった業界から受託電着に関する問い合わせが増え、実際の受注にもつながる成果を創出した。
株式会社サンコー技研

- 既存サイトを活用し、TOPページでは高精度打ち抜き加工技術の詳細や対応範囲がより伝わるよう、具体的な精度値や加工事例の一覧、対応範囲などの項目を追加。
- 集客兼訴求用のページとして「技術紹介」や「デバイス開発支援ページ」を新設。
【結果】
以前は接点のなかった大手メーカー開発部門などから新規問い合わせを毎月コンスタントに獲得。問い合わせの質も改善され、量産案件の受注につながるサイトへと進化。
株式会社ギケン

参照元:株式会社ギケンWebサイト
- 自社の事業領域が抽象的になっていたため、ヒアリングから事業内容の整理、技術の棚卸を行う。
- ピックアップ技術ページを新設。「どんな用途で対応できるか」「どの業界に強いか」など複数の訴求軸を設計し、ターゲットごとに求められる情報をコンテンツ化及びSEO対策を実施。
【結果】
これまで想定していなかった異業種/用途からのWeb経由問い合わせが増加し、新たな顧客層との接点を獲得。サイト構成が営業現場でも活用できる「提案ツール」として評価されるようになり、社内での情報発信に対する意識向上にも寄与。
部分改修 / フルリニューアルの判断基準
「サイトが古くなったから新しくしたい」という動機だけでフルリニューアルに踏み切るのは、BtoB製造業においてはリスクを伴います。多大なコストと時間をかけた結果、デザインは綺麗になったが「肝心の引き合いは全く来ない」という事態は珍しくありません。
部分改修が適しているケース
多くの場合、部分改修の方が投資対効果が高い傾向にあります。
- 特定の製品や技術の引き合いを増やしたい場合
会社全体のイメージ刷新ではなく、特定の製品・技術に対する訴求力を高めるのが目的であれば、該当する製品ページやコンテンツの拡充と集客経路を確保するだけでも十分に成果が出る可能性があります。 - 現状のサイト構造に大きな問題がない場合
Googleなどの検索エンジンからの流入が一定数あり、サイトの階層構造や導線がある程度整備されている場合は、それらを壊さずに中身をブラッシュアップする方がSEO上のリスクも抑えられます。 - 低コスト・短期間で成果を求められている場合
フルリニューアルは半年〜1年かかることもありますが、部分改修であれば1〜2ヶ月で改善サイクルを回し始めることが可能です。
フルリニューアルが適しているケース
一方で、以下のような抜本的な課題がある場合はフルリニューアルを推奨します。
-
事業方向性やブランドイメージが大きく変化した場合
狙いとする業界や主力事業が大きく転換し、既存サイトの改修では表現しきれない場合は一から作り上げたほうが効率が良い場合があります。 -
CMS(更新システム)が古いなどの理由で、更新作業が困難な場合
訪問者にどのように見せるかという観点も重要ですが、それと同等に自社にとってのサイトの扱いやすさも重要です。スピーディーに情報が更新できない体制によって、機会損失を招いてしまう恐れがあります。
社内説得に効果的な材料
部分改修 or フルリニューアルで方向性を検討した後に、どのようにすれば社内理解を得られるかと悩まれている担当者の方も多いのではないでしょうか?その際に有効な材料についてご紹介をします。
競合他社の流入状況

「同業他社と比較した際の差」は、自社でホームページの改修や施策の実行する上での一つの大きな後押し材料となります。例えばラッコキーワードの「獲得キーワード調査」や、Ubersuggestの「トラフィックツール」という機能を使うと、無料版でも他社サイトのヒットキーワード(どのような語句で検索上位が取れているか)を確認することができます。現場で把握している競合他社はもちろん、Web上で自社と同じ製品や技術名で検索をした時にヒットする“Web上での競合”も含めて調査をすることで、「自社にも来る可能性のあった見込み客が、競合サイトに流れている」ことが可視化できます。
自社サイトの機会損失率
BtoB製造業業界において、サイトに来たユーザーが問い合わせや資料ダウンロード等の行動を起こす割合はおおよそ以下の通りです。
■ BtoB製造業平均
お問い合わせ率(売り込み等を除く、有効な問い合わせ):0.5〜1% 理想値は1〜2%
資料ダウンロード率:0.7〜2% 理想値は1〜3%
※業界や資料内容によって変動
こうした平均値や理想値をふまえて、自社のホームページの現状として「訪問ユーザーのうち、何割が問い合わせに至っているか」を具体的な数値で算出してみます。 サイトへの訪問は一定以上あるのに、問い合わせや資料ダウンロード率が低い場合はそもそも訪問しているユーザー層が適切でないか、サイトの内容に課題がある可能性が高いため、自社サイトの機会損失度合いが掴めるとともに、改善すべきボトルネックも自ずと見えてきます。
改修後のシミュレーション
SEOや広告などの集客施策を打つ場合、実施後にどれぐらいのユーザーが流入するかは、対策するキーワードの月間検索ボリュームや、広告の想定クリック単価等からある程度予測を立てることが可能です。例えばGoogle広告には出稿するキーワードや予算をもとに結果をシミュレーションしてくれる機能が備わっています。このようなシミュレーション値を活用することで、漠然とした「問い合わせを増やす」といった目標から、「月間の訪問者数を〇〇名増やし、XX%の問い合わせ率で〜〜件の問い合わせを獲得する」といった具体的な目標を示すことが可能になります。
アンケート等の調査データ
多くのWebマーケティング支援会社や調査機関から、「BtoB製造業がどのようにホームページを活用しているのか」「開発や購買担当者がどのようにWebを利用しているのか」などのホームページ改修に役立つアンケート等の調査データや資料が配布されています。こうした客観的なデータと共に改修の必要性を伝えることで、より説得力を高めることができます。
※弊社テクノポートでも定期的にアンケート調査やお役立ち資料を配布しております。こちらよりぜひご覧ください。
以上にて製造業のホームページにおける部分改修の事例と、社内説得のための材料についてまとめました。弊社テクノポートでも既存ホームページの部分改修・フルリニューアルを承っております。「そもそも何をすべきか分からない」「改修が必要かわからない」といった段階でもサポートをさせていただきますので、ぜひお気軽にご相談ください。