こんにちは、テクノポートの渡部です。ホームページを構築する際にいろいろと自社の分析したり、企画を考えたりすると思いますが、今回は自社ではなく、競合を分析する方法について解説したいと思います。
この記事の目次
競合分析の目的
まずは競合分析の目的についてです。まずは、競合を分析する目的をはっきりさせておきましょう。
1、市場・競合の全体像を理解するため
競合サイトのトラフィックやチャネル構成を分析することで、自社が参入している市場を把握し、最適な戦略設計を行えます。
2、自社の立ち位置を明確にするため
競合がどのように技術や製品を訴求しているかを把握し、自社の差別化ポイントや訴求方法を磨く材料にできます。
3、他社との違いを把握し差別化戦略を練るため
競合が扱っていない技術やコンテンツをWeb上から特定することで、自社が取るべき差別化戦略の立案や、新規サービスや専門性訴求に活かせます 。
4、SEO・コンテンツ戦略の効率化のため
競合の上位表示キーワードやコンテンツ構造を分析することで、検索流入を狙ったコンテンツ設計やブログ企画を最適化できます。
競合のホームページを見つける手順
1、手動で見つける
競合のサイトを見つける手順として、まず手動で見つける手順については、おおよそ下記の3つの手順でカバーできます。
- 自分の知っている競合会社のホームページを見る
- 対策しようとするキーワードで出てきたホームページを見る
- 対策しようとするキーワードで検索をしたときに広告が出てきたホームページを見る
3について補足をすると、検索したときに出てくる広告とは下記のようなものです。
GoogleやYahoo!に広告料を払うと、ここに掲載できるようになります。いわゆる「リスティング広告」というものです。検索順位の1位の上に表示されることになりますが、見てのとおり「広告」と記載されます。
2、ツールを利用して見つける
現在では競合サイトを見つけるためのツールが、マーケティング会社によっていろいろと開発されています。代表的なツールを以下にまとめました。
ツール名 |
特徴・機能 |
利用形態 |
公式サイトURL |
SimilarWeb |
競合サイトのアクセス状況、流入チャネル、ユーザー属性などを分析可能。複数のサイトを同時に比較でき、市場シェア分析にも適している。 |
フリーミアム(無料版あり) |
|
Ahrefs |
被リンク分析やキーワード調査に強み。競合サイトの上位表示キーワードやバックリンク元を詳細に把握できる。 |
有料(7日間の有償トライアルあり) |
|
SEMrush |
SEOやリスティング広告の競合分析に強みを持つ統合マーケティングツール。競合サイトのオーガニック検索キーワードや広告出稿状況を調査可能。 |
有料(無料トライアルあり) |
|
Keywordmap |
自社と競合サイトのキーワードを同時比較できる。コンテンツ制作支援機能も充実しており、SEO業務を効率化。 |
有料(要問い合わせ) |
|
Dockpit |
国内のWeb行動ログデータをもとに、競合サイトのアクセス状況やユーザー属性を可視化。日本市場に特化した分析が可能。 |
フリーミアム(無料版あり) |
|
Gyro-n SEO |
検索順位調査や競合分析など、SEO対策に必要な幅広い機能を持つ。ローカル検索機能もあり、地域を特定した分析が可能。 |
有料(無料トライアルあり) |
|
SEOチェキ! |
URLを入力するだけで、titleタグやmeta情報、内部リンク数などの基本的なSEO情報を取得可能。 |
無料 |
|
ラッコキーワード |
競合サイトの推定アクセス数や流入キーワードを分析。類似サイトの発見にも活用できる。 |
無料(登録必要) |
|
PageSpeed Insights |
ページの読み込み速度やモバイル対応状況を評価し、ユーザーエクスペリエンスの改善点を提示。 |
無料 |
|
Wayback Machine |
過去のWebサイトのアーカイブを閲覧でき、競合サイトの歴史的な変遷を分析可能。 |
無料 |
|
Ubersuggest |
キーワード調査、競合サイトのトラフィック・被リンク・上位ページ等を分析。Chrome拡張でも活用可能。無料版あり、有料プランも提供 |
フリーミアム(無料版あり・有料プランあり) |
近年では、ChatGPTのようなAIも競合サイトを見つけるために有効なツールになっています。以下に代表的なAIのツールも挙げますので、こちらも参考にしてください。
ChatGPT(OpenAI)
汎用の大規模言語モデルで、対話や情報整理、調査依頼に強い。
競合発見での利用法:
「自社名+競合」の関係性をプロンプトで尋ねると、競合企業や関連製品をリストアップ可能。
得られたリストを精査し、背景や特徴を再質問することで、競合理解を深められます。
Perplexity AI
ウェブ検索とAI応答を組み合わせ、引用付きの回答を返す“AI検索エンジン”。
競合発見での利用法:
自然言語で「〜の競合企業は?」と質問すると、ソース付きで候補を提示。
リアルタイムの検索結果に基づくため、最新かつ信頼性の高い競合リストが得られる。
Google Gemini
概要:検索と推論に強みを持つGoogleの次世代AI。
競合発見での利用法:
Deep Research機能を使い、競合比較を段階的に構造化できる。表形式で特徴や強み・弱みまで整理可能。
GitHub Copilot
概要:プログラミング支援に特化したAI。
競合発見での利用法:
コードベースで競合企業・製品のAPIやライブラリを探す際に補助。
ただし、純粋な競合探索ツールとしては適しておらず、「競合分析エージェント」としては活用用途が限定的。
GenSpark(Genspark)
概要:AI検索+エージェント機能を備えた“スーパーAI”。
競合発見での利用法:
Webページを横断的に調査し、自動的にレポート化。競合リストや特徴一覧を生成可能。
デスクトップ上の検索から、チャットで整理されたまとめまで提供。
チェックするポイント
チェックするポイントとしてはある程度カテゴリを設けた中で細かくチェックしていくと効率が良いです。それぞれのチェック項目について先に挙げたどのチェックツールでチェックが可能かについても解説しますので、うまく活用してください。
アクセス関連チェックポイント
まずはその競合サイトにどれくらいのアクセスがあるのかをチェックします。ただ、GA4などのアクセス解析ツールを見るわけではありませんので、あくまでもアクセスの数に関してはある程度の目安になります。
アクセス数・流入経路
評価方法:月間訪問者数(UU)- 流入チャネルの割合(自然検索、直接流入、リファラル、ソーシャルなど)
推奨ツール・手法:SimilarWeb、Dockpit、Google Analytics(自社サイトとの比較)
SEO状況
評価方法:上位表示キーワードと順位、検索ボリューム、メタ情報(title、description)の最適化状況
推奨ツール・手法:Ahrefs、SEMrush、SEOチェキ!
被リンク(バックリンク)
評価方法:被リンク数とドメインの質、アンカーテキストの内容、リンク元サイトの信頼性
推奨ツール・手法:Ahrefs、Moz、SEMrush
検索結果での表示状況(SERPs)
評価方法:検索結果ページでの表示形式(リッチスニペット、タイトル、メタディスクリプション)、クエリタイプの分類(Know、Do、Go、Buy)
推奨ツール・手法:Google検索の実施、SERP分析ツール
コンテンツ、UI関連チェックポイント
次にそのサイトにどのようなコンテンツがあるのかについてチェックします。Webサイトは基本的にSEO対策によってアクセスを集めるページと、コンテンツをしっかり作り込むことによって自社の強みを訴求し、問い合わせにつなげるためのページの2つで成り立っています。このチェックに関しては、定量的な評価よりも定性的な評価が主になりますが、以下のチェックポイントをもとにチェックしてください。
コンテンツ構成
評価方法:見出し構成(H1~H3)の論理性、コンテンツの網羅性と深度、一次情報や独自性の有無
推奨ツール・手法:競合ページの目視確認、コンテンツの文字数や構成の比較
コンバージョン導線
評価方法:CTA(Call To Action)の配置と文言、フォームの入力項目数と使いやすさ、資料請求や問い合わせへの導線の明確さ
推奨ツール・手法:競合サイトの目視確認、ユーザビリティテスト
ユーザーエクスペリエンス(UX)
評価方法:ページ読み込み速度、モバイル対応状況、ナビゲーションの使いやすさ
推奨ツール・手法:PageSpeed Insights、Mobile-Friendly Test、ヒューリスティック評価
まとめ
以上競合サイトの分析の方法としてツールの紹介と、チェックするポイントの紹介でした。弊社ではこのようなチェックツールやチェックポイントを活用しながらWebサイトの企画を立てていますので、自社で企画を立てるのが難しいという方はぜひご相談ください。