こんにちは、テクノポートの渡部です。Webサイトの作成の際に必ず作成するページの一つに「会社紹介」のページがあります。Webサイトによっては「会社概要」というページとして設定しているところも多いと思います。
この記事の目次
会社紹介ページの存在意義
会社紹介ページは制作する側からすると、必要に迫られて制作している感はありますが、訪問してきたユーザーからすれば、そのページを閲覧するときに以下の3つのようなことを見ており、存在意義のあるページです。
基本情報を伝えて信用してもらうこと
企業の基本情報(設立年月日、資本金、所在地、代表者名、連絡先など)を明示することで、訪問者に対して企業の信頼性を高めることができます。以前にはWebサイトにこれらの情報が載っているだけで社会的に信用が得られ、仕事の引き合いが獲得できていた時代がありました。今ではこれらの情報が整理されて掲載されていることが最低条件となっています。
会社の将来ビジョンを伝えること
会社紹介ページで、企業の将来ビジョンや目標を明確に示すことで、訪問ユーザーに企業の方向性や長期的な計画を理解してもらうことができます。これから新しく取引を始める企業を見極めるにあたって、会社の方向性を気にする購買担当も少なくありません。企業の使命感や将来へのビジョンを伝えることも会社紹介のページが存在する意義の一つです。
会社の全体像を把握してもらうこと
会社の歴史や会社内組織構造、グループ会社などの情報を掲載することで、企業の全体像を把握してもらうことができます。現在自社単体だけでなく、これまでの歩みや現在取引している会社を掲載しておけば、広い視点から見た自社を知ってもらえます。
会社紹介ページに必要な5つの情報
会社紹介ページの存在意義は先述した内容ですが、そのためには以下のような情報を掲載すればその意義を達成できます。
ビジョン(代表挨拶、企業理念)
代表挨拶や理念によって、「会社が何を考え、どのようなスタンスで仕事をしてるのか」を伝えることができます。企業といっても、最終的に行き着くところは「人」です。「何にこだわりを持って仕事をしているのか」が受注先を選ぶ判断基準となる場合もあります。
メーカーが相見積もりをとった結果、技術・場所・品質・コストなどで同等と判断した場合に、最終的にカギとなるのは「その企業に頼みたいかどうか」です。そして、その判断に必要となるのがビジョンです。また、経営者は他の企業の代表挨拶を読んでいることが多く、「考え方が似ているから仕事を依頼する」というケースも少なくありません。代表挨拶や理念は本当に大切ですので、時間をかけて作り込んでください。
代表挨拶については下記の記事を参考に作成してみてください。
連絡先(TEL、FAXなど)
電話をかけるユーザーが番号を調べに会社紹介のページを閲覧にくる可能性は少なくありません。メールアドレスはお問い合わせフォームがあれば、掲載の必要はないですが、電話番号やFAX番号については会社紹介のページにも掲載しておいたほうがよいでしょう。
会社規模(資本金、従業員数、売上高)
会社規模は資本金、従業員、売上高などです。社員数が多ければ、生産規模が大きいことを伝えられると同時に、継続的に安定した供給ができることも伝えられます。
例えば、社員数10名と200名では会社の印象はかなり変わります。人数が多い場合、値段が高いイメージも付いてしまうため、社員数が多いことが無条件で良いわけではありませんが、印象は良くなる傾向にあります。
また、大まかに売上高を表示しておけば会社規模を伝えることができます。
位置(住所情報、アクセス)
所在が不明な企業は信頼されません。存在を証明するために、住所は必須情報です。さらに、多くの会社は近場で協力企業を探しているため、住所は必ず掲載しましょう。住所以外にもアクセスマップやGoogleマップを掲載することで、自社の場所をビジュアルで伝えられます。
本社以外に拠点がある場合は、住所と併せて各拠点ごとの事業内容を掲載しましょう。本社からの距離が離れていても、事業所と訪問ユーザーの場所が近ければ取引につながる可能性が高まります。
信用(取引先、認証資格、沿革)
仕事を依頼する上で、誰もが確認したいのが信用情報です。信用情報と言ってもその表現の仕方はいろいろありますが、基本的なものとしては取引先、認証資格、沿革などです。
取引先に関しては大手企業との取引実績があれば、掲載しておくと信用につながります。このとき「大手自動車メーカー」などと抽象的に書くのではなく、可能であれば具体的な企業名を記載することをおすすめします。ただし、具体的な企業名を出す場合、秘密保持の関係で同業他社とは取引できなくなるという業界もありますので、状況に応じて使い分けてください。
ISOの認証実績は「選定企業の候補に入る確率が上がる」という可能性があります。ターゲットが新規取引先をWebを使って探すときは、複数社のWebサイトを見て、そこから数社に絞ってから検討します。絞る中で、全サイトを慎重に調べることはせず、まず基準を設定し、基準を満たしていない企業は候補から外されます。その基準の一つとして、ISOの取得が求められることがあります。つまり、ISOの取得実績のない企業は一番はじめにふるいで落とされる可能性が高まります。そのため、ISOを取得している場合は必ず掲載してください。
ISOなどの認証情報はそれ単体で個別にページを作ることもありますので、その場合は会社紹介のページに掲載する必要はありません。
技術資格の保有実績については、技術力があることと、社員教育をしっかりしているというイメージを与えられます。技術資格者が多い会社は仕事を丁寧にしてくれるイメージです。そのため、技術資格も積極的に掲載していきましょう。
会社紹介に必要な項目
では具体的に会社紹介のページに必要な項目をよく掲載される順番に紹介します。
代表挨拶
基本的に代表挨拶を最初に持ってくることが多いです。代表挨拶は、ホームページの訪問者に代表者の考えを知ってもらい、親近感や納得感を持ってもらうためのコンテンツです。こういった「人」や「想い」の面を見せれば、数値やデータだけのページよりも訪問者を惹きつけることができます。
基本情報(会社概要)
会社紹介の中心となるコンテンツで、基本的には表を作成して見やすく整理して作成します。一般的な会社紹介の一覧の具体的な表を以下に例として作成しましたので、参考にしてください。
会社名 | マーケティングコラム株式会社 |
代表者名 | コラム 太郎 |
TEL | 01-2345-6789 |
FAX | 09-8765-4321 |
住所 | 東京都架空区1丁目一番地 |
資本金 | ○○万円 |
売上高(20xx年3月末実績) | ○○億円 |
従業員数(20xx年3月末時点) | ○○人 |
事業内容 |
Webマーケティング記事執筆 Webマーケティング事業 |
設立 | 19xx年4月 |
主要取引先 | AAAA株式会社 BBBB株式会社 |
取引先銀行 | CCCC銀行 DDDD信用金庫 |
(登録・許可番号) | 東京都知事許可 般‐○○ 第○○○○○○号 |
(関連会社) | 技術マーケティングコラム株式会社 製造マーケティングコラム株式会社 |
上記はあくまでも例なので、こちらを参考に自社で必要なもの、そうでないものと選別して自社の会社概要を作成してください。
拠点の地図
Webサイト上にGoogleマップを掲載することで、所在地を分かりやすく伝えられます。実際に会社へ訪問していただく際にも役立つでしょう。
沿革
事業の歴史が長い場合、経歴としてアピールになります。信用力向上にもつながるため、記載したほうがよいでしょう。近年の情報も載せることで、より活動的な印象を与えられます。
その他あるといいもの
会社紹介のページにあるといいものをいくつか紹介します。
社会的役割、SDGs
企業の社会的役割やSDGs(持続可能な開発目標)への取り組みを紹介することで、訪問ユーザーに対して企業の社会的責任や持続可能な未来への貢献姿勢を明示できます。これにより、企業の倫理観や価値観を伝え、社会や環境に対するポジティブな影響を示せます。最近ではSDGsに関する具体的な活動や目標を掲載する企業が増えてきました。
会社紹介動画
会社紹介動画は、視覚的かつ感情的なアプローチで企業のメッセージを伝える強力なツールです。動画を通じて、企業の歴史、ビジョン、製品やサービス、企業文化をダイナミックに紹介することで、訪問者に企業の全体像を短時間で効果的に理解してもらうことができます。また、動画は文章や写真では伝えきれない企業の雰囲気やエネルギーを視覚的に表現でき、印象に残りやすいコンテンツとして機能します。
掲載の仕方としてはYouTubeにアップロードした動画を埋め込む方法が一般的です。
役員、社員紹介
役員や社員の紹介は、企業の顔となる人を紹介するために欠かせないコンテンツです。各役員の経歴や専門分野、ビジョンを紹介することで、企業のリーダーシップや経営方針に対する信頼感を与えられます。また、社員の紹介を通じて、企業の多様性やチームワーク、企業文化を強調でき、訪問者に対して親近感を与えることができます。これにより、企業の信頼性や人間味が強化されます。
組織図
組織図は、企業の構造や部門間の関係性を視覚的に示すことができます。訪問ユーザーが会社の内部構造を理解しやすくなると同時に、各部門の役割や連携を把握できます。大規模な企業や複数の事業部門を持つ企業にとって、組織図は社内のリソース配置や管理体制を明示する効果的な手段となります。これにより、企業の業務運営の透明性や信頼性が向上し、ビジネスパートナーや顧客に対しての信頼感が強化されます。
まとめ
コンテンツの過不足に不安な場合は同業の他社のWebサイトを見て参考にするのもいいと思います。会社紹介ページはどのWebサイトにもあるページで、「他社との違いを出せない」と思いがちですが、他社との違いを出せる部分は意外とあります。会社紹介のページの作成に困ったときには、この記事を参考にしてみてください。