【プロが厳選】製造業が参考にすべきLP(ランディングページ)7選

【執筆者紹介】徳山 正康
この記事の執筆者
徳山 正康
テクノポート株式会社 代表取締役

製造業専門のWebマーケティング事業と技術ライティング事業を手がけるテクノポートの代表を務める。「技術マーケティングで日本の製造業に追い風を」を経営理念に、これまでに数名の町工場から東証プライム市場に上場しているメーカーまで、累計1,000社を超える製造業を支援し、数多くの企業の経営革新を実現。

グロービス経営大学院(MBA)卒業、(社)日本ファミリービジネスアドバイザー協会 フェロー、(社)Reboot 理事、(社)Glocal Solutions Japan 認定専門家

【寄稿実績】
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テクノポートの徳山です。今回は「特定の製品やサービスを紹介することに特化したWebページ」であるLP(ランディングページ)について、製造業が参考にすべきLPをご紹介しながら、制作時に気をつけるポイントなどを解説します。

製造業におけるLP(ランディングページ)の役割

製造業におけるLPとは、特定の製品やサービスを紹介することに特化して制作されたWebページのことを指します。LPの主要な目的は、訪問者が興味を持つ可能性のある具体的な製品やサービスに焦点を当てることで、アクセスユーザーのコンバージョン率を最大化させる役割があります。
※コンバージョンとは、問い合わせ獲得や資料ダウンロードなどにより、リード情報を獲得すること

製造業は、特定の製品や技術の紹介に特化した情報提供が必要とされる場面が多く存在するため、LPは重要な役割を果たします。LPを効果的に活用することで、特定の製品やサービスに関する詳細情報を提供し、その製品のユニークな特徴や利点を効果的にユーザーへ伝えることができます。また、製造業におけるLPは、テストマーケティングのための一時的な存在としても使用されることがあります。これにより、新製品やサービスの市場反応を評価し、市場導入前に有効なフィードバックを収集できます。

さらに、LPは、訪問者の行動データを収集し、製品やマーケティング戦略の改善に活用するための貴重な情報源ともなります。訪問者の関心度や行動パターンを分析することで、よりターゲットに合ったマーケティング戦略を策定し、製品の市場適合性を高めることが可能です。

製造業が参考にすべきLP7選

SSI株式会社「TMパレタイジングオペレーター」

出典:SSI株式会社

SSI株式会社は、物流工程自動化を実現する協働ロボット「TMパレタイジングオペレーター」のLPを展開しています。縦に長いページをスクロールすることで、すべての情報を確認できます。

構成は、課題・解決策・適用事例・導入メリットとなっており、図を用いて視覚的に分かりやすい内容になっています。ページ内にいくつも問い合わせリンクを付けていて、顧客が気になったタイミングでクリックできる工夫をしています。

株式会社千代田組「次世代運搬ロボット サウザー」

出典:株式会社千代田組

株式会社千代田組は、物流自動化ロボットや工場設備などを提供する商社です。LPでは「次世代運搬ロボット サウザー」のプロモーションをしています。まず「こんなお悩みないですか?」とターゲットの課題を記載して、興味をひきつけています。

そして、課題を解決するために製品がどのように貢献できるかを説明し、次に製品の主な機能紹介をしています。後半部分では、導入した場合のユースケースを記載しているため、ターゲットは、製品を自社に適用したときの具体的なイメージを持ちやすくなります。ページ内に3か所の問い合わせリンクを付けており、リード情報獲得を狙っています。

ミネベアミツミ株式会社「レゾナントデバイス」

出典:ミネベアミツミ株式会社

ミネベアミツミ株式会社の「レゾナントデバイス」は、スマホやウェアラブルデバイス、ゲーム関連機器に組み込む振動デバイスです。小型でありながら振動や音を作り出せます。

ミネベアミツミのLPは、デザインにとてもこだわりが見られるのが特徴です。トップに動画を載せて、振動デバイスであるとイメージできるようになっています。構成は、デバイスの紹介、仕様と従来の他の振動デバイスに対する利点という形でプロモーションしています。

日本キャタピラー合同会社「新型油圧ショベル320」

出典:日本キャタピラー合同会社

日本キャタピラーは建設機械やディーゼルエンジンなどの販売、保守をする会社です。「新型油圧ショベル320」のLPでは、従来モデルに対して優れている点、アップグレードした仕様を説明しています。

カタログダウンロードと見積もりのリンクを4か所つけており、リード情報の獲得を狙っています。また、商品を紹介するYouTubeリンクも付けており、ターゲットが商品を理解しやすいように工夫しています。

株式会社ミナミサワ「後付式自動水栓SuiSui」

出典:株式会社ミナミサワ

株式会社ミナミサワは、「後付式自動水栓SuiSui」のLPを展開しています。最初に、どのような商品なのかを画像を使って説明しています。次に顧客の課題・悩みを提起して興味をひきつけています。

また、製品仕様や他の水栓との価格や納期の違いを説明しており、自社製品のアピールをしています。資料請求のリンクは、本文中には1か所だけしかありません。そのかわりにスティッキーヘッダーを使って、常にページの下部にリンクが表示されるようになっています。スティッキーヘッダーとは、ページを上下にスクロールしてもずっとついてくるリンクのことです。スティッキーヘッダーによって、顧客は気になったらいつでも資料請求のリンクをクリックできるようになっています。

株式会社日本高熱工業社「急速冷却ユニット」

出典:株式会社日本高熱工業社

株式会社日本高熱工業社が提供する「急速冷却ユニット」のLPは、革新的な急速冷却技術に特化した情報を提供しています。LPは、冷却技術の概要とその利点を分かりやすいインフォグラフィックを使用して、効果的に説明しています。また、この技術がどのようにさまざまな業界(例えば、食品加工、医療、工業など)で応用されているかの具体的な事例を紹介して、訪問者の関心をさらに深めます。

さらに競合他社の伝統的な冷却方法との比較を通じて、急速冷却ユニットの優位性を明確に示しています。このLPでは、技術の詳細な仕様や性能データも詳細に説明し、専門的な観点からの評価も明記しています。

資料請求や問い合わせのためのリンクは、LPの複数の箇所に配置されており、利便性を高めています。また、訪問者が任意の時点で簡単にアクションを起こせるように、フッター部分にも連絡先情報が明記されています。

ヤマザキマザック株式会社「自動化ソリューション」

出典:ヤマザキマザック株式会社

ヤマザキマザックが提供する「自動化ソリューション」のLPは、ファーストビューで自動化技術が製造業にどのように革命をもたらすかを画像と動画を効果的に使用してユーザーへ訴求しています。

このLPでは、複数の自動化に関するお役立ち資料がダウンロードできるようになっています。さまざまなニーズを持ったユーザーを取りこぼさないよう、ニーズに合わせたさまざまな資料を準備することで、コンバージョン率の最大化を図っています。

LP制作・運用時に気をつけること

次に、製造業におけるLP制作の際に重要となるポイントを紹介します。

集客方法について

LPは、SEO(検索エンジン最適化)だけに依存する集客方法では限界があります。製品やサービスの特性に合わせて、Web広告やSNSの活用を前提にした集客戦略を検討する必要があります。例えば、Google広告やFacebook広告を使用してターゲットオーディエンスに直接アプローチすることで、より多くの関心ある訪問者をLPに誘導できます。

コンテンツについて

LPの目的はユーザーに製品やサービスを理解し、興味を持ってもらい、最終的にはアクション(例えば購入や問い合わせ)につなげることです。そのため、ユーザーが選定基準に必要とする情報をすべてLP内で提供することが大切です。コンタクトフォームを設けるなど、LP内ですべて完結できるようにすることもおすすめです。

一方で、必要のない情報は掲載を避けることで、訪問者の注意を散漫にさせず、コンバージョンに直結する情報に集中させるという考えもあります。この考え方の究極的な事例として、株式会社キーエンスの「ハンディプローブ三次元測定機」のLPがあります。リンク先を見ていただくとわかるように、ほぼファーストビューのみで構成されたLPとなっています。これはキーエンス自体の知名度が高いことや、三次元測定機に対するユーザー理解が一定以上にあることなど、いくつかの条件が当てはまらなければ講じることはできない大胆な施策だといえますが、一度試してみる価値はあるのではないでしょうか。

出典:株式会社キーエンス

ファーストビューにこだわる

多くのユーザーはLPの最初のセクション、つまりファーストビューで離脱することが多く、平均すると70%を超えるユーザーが離脱するといわれています。そのため、ファーストビューでユーザーの期待を損ねることがないように見せ方をこだわる必要があります。魅力的なビジュアル、明確でインパクトのあるコピー、製品の利点やユニークな特徴をすぐに理解できるようなレイアウトを心がけることが重要です。

問い合わせの選択肢を多く用意する

ユーザーにとって便利な複数の問い合わせ手段を提供することで、より多くのコンバージョンにつながります。具体的には、見積依頼、テストサンプル依頼、お役立ち資料の請求などが挙げられます。特に、製品やサービスに関する詳細資料のダウンロードができるようにすると、コンバージョン率の向上が期待できます。これにより、訪問者は製品についてより深く理解し、購入や問い合わせに至る確率が高まります。

製造業のLP制作ならテクノポートへお任せ

テクノポートでは、1,000社を超える製造業のWebマーケティングを支援した経験から、リード獲得に貢献するLP(ランディングページ)の制作や集客施策を支援しています。LPの制作や運用を始めたいとお考えの方は、ぜひご相談ください。

この記事の執筆者
徳山 正康
テクノポート株式会社 代表取締役

製造業専門のWebマーケティング事業と技術ライティング事業を手がけるテクノポートの代表を務める。「技術マーケティングで日本の製造業に追い風を」を経営理念に、これまでに数名の町工場から東証プライム市場に上場しているメーカーまで、累計1,000社を超える製造業を支援し、数多くの企業の経営革新を実現。

グロービス経営大学院(MBA)卒業、(社)日本ファミリービジネスアドバイザー協会 フェロー、(社)Reboot 理事、(社)Glocal Solutions Japan 認定専門家

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