テクノポート株式会社の稲垣です。
BtoB企業向けの「海外向けWebマーケティング」サービスの責任者を務めています。
この記事では、私が海外のWebサイトでよく見る表現を紹介しています。
日本企業のWebサイトと海外(主に北米、ヨーロッパ地域の)企業のWebサイトの見せ方の差を知っていただければ幸いです。
この記事の目次
海外のWebサイトでよく見る項目5選
1. Numbers
1つ目は、以下のような数字で端的に製品やサービス、会社の特徴を紹介する表現方法です。特にWebサイトの中でもよく人が訪れるページ(例:Topページ、会社概要ページ)で見かけることが多い印象です。
出典:Streamline your operation with infor Warehouse Management System
上記のように作業効率や生産性の向上を訴求するための使い方もあれば、会社や製品の信頼性を訴求するためにも使われます。
出典:Landing page – Tourmaline Enterprises
数字による訴求は、目に留まりやすい上に、文章による訴求に比べて解釈がブレる心配がないといえます。
欧米圏ではWebサイトに限らず、数字による定量的な訴求方法が日本より一般的であることが関係しているかもしれません。
2. Client’s Logo
次は、顧客のロゴをWebサイトに横並びで表示する表現方法です。これはランディングページやTopページの上の方(ファーストビューのすぐ下)あたりに設置されていることが多いです。
出典:Protolabs | Rapid Prototyping & On-demand Production Services
日本企業のWebサイトにも見かける表現ではありますが、特に海外のWebサイトでは表示している企業が多い印象です。
上記以外のパターンとして、Webサイトのお問い合わせページに取引先企業のロゴを設置している企業もありました。詳しくは以下の記事で紹介しています。
3. Testimonials
顧客の声をそのまま引用する形で、Webサイトに掲載する表現方法です。これは国内の企業ではほぼ見かけたことはありません。
出典:Partner Network – Siemens Global
上記の日本語訳です。
“シーメンスチーム(サービス提供企業)から多くのサポートを受けられることを幸運に感じます。彼らのサポートのおかげで、私たちはますます多くの取引を獲得し、市場で成長することができました。”
出典:Warehouse Management System | Blue Yonder
上記の日本語訳です。
“Blue Yonder(ソフトウェア提供企業)の倉庫管理システムは、特にTMSを含む他のITシステムとシームレスに連携します… Blue Yonderは安定した製品を持つ信頼できるパートナーです。”
よく見る表現ではありますが、Webサイト訪問側がどこまでこれらの表現を信用しているかは不明です。(今後弊社でインタビュー調査をする予定です)
4. Chatbot
こちらは日本企業のWebサイトでもしばしば見かけますが、導入率は圧倒的に欧米企業の方が高いと感じます。特にChatGPTが登場して以降、大企業だけでなく、中小企業のWebサイトでもChatbotの導入が進んでいるように感じます。
出典:Elite™ Warehouse Management | Tecsys
出典:Collaborative robotic automation | Universal Robots Cobots
上記の例のように、基本的にはWebサイトの右下のボタンをクリックすると、企業独自のChatbotとのやりとりが始まる形です。(個人情報の入力は不要な場合がほとんどです)Chatbotは顧客の利便性が向上するだけでなく、顧客のニーズを把握するためにも非常に有効なツールであるため、これからさらに導入が進んでいくと予想されます。
5. Employees
欧米企業のWebサイトでは、会社の従業員の写真をしっかりと掲載している企業が多い印象です。以下のように製品やサービスを作る職人(エンジニア)が紹介されているパターンは、製造業のWebサイトでよく見る印象です。
出典:CNC Machine Tools | Hurco Companies Inc
また一定以上の大きさの企業では、会社役員の写真と名前が公開されていることも珍しくありません。(連絡先も合わせて掲載されていることもよくあります)
日本企業のWebサイトでは社長の写真はよく掲載されていますが、海外のWebサイト(特に欧米)では役員全員の写真が公開されている点で、違いがあるといえます。
その他
その他、上記以外の細かい違いを紹介します。
LinkedInのリンク
LinkedInのリンクは、ほぼすべての企業のWebサイトに設置されている印象です。
出典:Warehouse Management Software | Manhattan
出典:Cisco: Software, Network, and Cybersecurity Solutions – Cisco
設置場所は、フッターの右端が多い印象です。(たまにヘッダーに設置されている場合もあります)
メールマガジン購読
メールマガジン購読用のCTA(ボタン or フォーム)もよく見かけます。日本企業のWebサイトでもありますが、欧米企業の方が導入率が高いと感じます。
出典:CHETO | CNC Deep Hole Drilling With Milling
出典:World Leader in Artificial Intelligence Computing | NVIDIA
基本的にメールマガジンの購読は、メールアドレスだけを要求されることが多い印象です。
Cookie利用の承諾
これは特にヨーロッパの企業ですが、Webサイトに入った直後にクッキーの使用許諾バナーが表示されます。
上記のようにポップアップで全面に表示されるパターンもあれば、以下のように下部に追従式で表示されるパターンも一般的です。
最近では一つ目のパターンのように、データの使用範囲をユーザー側で細かく指定できるような表示も多くの企業が導入している印象があります。
海外のWebサイトではあまり見ない項目3選
最後におまけとして、海外のWebサイトではあまり見ない表現(=日本企業のWebサイトだけでよく見る表現)を3つ紹介します。
よくある課題
日本企業のWebサイト(特にランディングページ)で、導入部分(ページの上部)に「こんな課題はありませんか?」のような表現を見かけることがあると思います。これは海外のWebサイトでは、あまり見かけない印象です。
おそらく文化的に、日本人は起承転結の構成でページを作りたいという意図がある一方、欧米では結論ファーストで端的な表現が好まれることが起因していると考えています。
ニュース(お知らせ)
WebサイトのTop(Home)ページの上部に「ニュース(お知らせ)」が設置されているWebサイトは日本ではそれほど違和感がありませんが、海外のWebサイトではニュースの表示はない企業が多く、あってもページの下の方に設置されていることが多いです。
上記の差が生まれる正確な原因はわかりませんが、個人的には日本企業は企業が発信したいことをWebサイトで載せる印象があり、海外では顧客が知りたいことをベースにWebサイトを作っていることが影響していると考えています。(会社のお知らせは、一部の熱心な顧客以外関心がないので、優先順位が低いというイメージです)
社長メッセージ
日本企業ではかなり一般的ですが、海外のWebサイトではあまり見かけません。
メッセージは社長からではなく、企業全体の意見として公開されていることが多い印象です。
まとめ
欧米企業のWebサイトでよく見る表現とあまり見かけない表現を紹介しました。
欧米地域向けのWebサイトの制作をご検討されている場合、上記のような表現を取り入れることで、より現地のユーザが馴染みのあるWebサイトに近づけることができると思います。
弊社(テクノポート株式会社)では、製造業向けに「海外向けWebサイト制作」サービスを行なっております。
「壁打ち相談会(30分)」も実施していますので、お気軽ににお声がけいただければ嬉しく思います。