テクノポート株式会社の稲垣です。
BtoB企業向けの「海外向けWebマーケティング」サービスの責任者を務めています。
この記事では、プロフェッショナル向けのSNSとして知られている「LinkedIn」のマーケティング目的での使い方を紹介します。
特に海外向けのマーケティングを行う際に、参考になる情報かと思います。
(本記事の内容は、新しい情報や知見が入り次第、随時アップデートしていく予定です)
この記事の目次
LinkedInの基礎データ(2024年最新)
まずLinkedInの基礎データを紹介します。
LinkedInのユーザー数の推移(全世界)
以下のグラフは全世界のLinkedInのユーザー数の推移を表したデータです。
出典:LinkedIn Usage and Revenue Statistics (2024) – Business of Apps
グラフからわかるように、一貫してユーザー数は増え続けています。
LinkedInのユーザー数の推移(国別、2024年4月時点)
こちらのグラフは、国別のLinkedInユーザー数を表したグラフです。
出典:Leading countries based on LinkedIn audience size as of April 2024
1位のアメリカが圧倒的に多く、そのあとは人口の多い国(例:インド、ブラジル、中国、インドネシア)や、ヨーロッパ諸国(例:イギリス、フランス、イタリア、スペイン)が並んでいることがわかります。
LinkedInのユーザー数・使用率の推移(日本)
最後に日本のLinkedInユーザー数とLinkedInの使用率(LinkedInユーザー数/総人口)の推移を紹介します。
データ引用元:
Social Media users in Japan – 2024 | NapoleonCat
統計局ホームページ/人口推計/人口推計(2023年(令和5年)10月1日現在)‐全国:年齢(各歳)、男女別人口 ・ 都道府県:年齢(5歳階級)、男女別人口‐
グラフからわかるように、日本でも徐々にLinkedInを使うユーザーが増えていることがわかります。ちなみに、LinkedInユーザー数が最も多いアメリカにおいて、LinkedInの使用率は約67%です。
以下のグラフは、日本のLinkedInユーザーの年齢の内訳を示したグラフです。
出典:Social Media users in Japan – 2024 | NapoleonCat
日本においては、2/3以上のユーザーが34歳以下で、若い世代を中心に利用が拡大していることが示唆されます。世界的にも利用者は増加しているため、日本でも今後若い世代を中心に利用者が拡大していくことが予想されます。
LinkedInの活用のメリット
BtoB企業がLinkedInをマーケティングに活用するメリットは、大きく以下の2つに分類できます。
- ブランド認知/信頼性の向上
- 見込み顧客(リード情報)の獲得
ブランド認知/信頼性の向上
ブランド認知と会社の信頼性を向上させるためには、定期的にオーガニック投稿を行い自社の存在を見込み顧客に知ってもらうことが重要です。小規模企業では、フォロワー数が1,000人を目標にすることを推奨します。目的を達成するためにBtoB製造業が投稿しやすいコンテンツとして、以下のようなものがあります。
お知らせ
新製品のリリースやイベントの開催、展示会出展のお知らせなどを伝える投稿です。
動画
製品デモンストレーションや製造プロセスの紹介、工場の設備紹介など短い動画でも高いエンゲージメントを得られることが多く、フォロワーの関心を引きやすいコンテンツです。
事例の紹介
自社の製品やサービスがどのように顧客の課題解決に役立ったかを具体的に紹介するコンテンツです。企業としての信頼性を高めるために有効です。
インフォグラフィックス
会社の業績やクライアントの成果、業界の市場感やトレンドを図やグラフで表現するコンテンツです。
会社紹介
自社の様子や社内の独自の文化を紹介する投稿です。リクルートの意味合いでも効果があります。
これらのコンテンツを投稿するときの心構えとして重要なことは、定期的に継続的に投稿することです。少なくとも週に2回は上記のようなコンテンツを継続していくことで、フォロワーの増加やフォローの課題が顕在化したタイミングで、想起される確率を高めることができます。BtoBの購買サイクルは長期化する傾向があるかつ、見込み顧客の需要がいつ需要が顕在化するかわからないため、地道にコンテンツを作っていくことが何よりも重要だと言えます。
見込み顧客の獲得
リードの獲得を目的としたLinkedInの活用方法です。ターゲットを絞り広告を出稿することで、見込み顧客をWebサイトへ誘導し(もしくはLinkedIn上で)個人情報の入力を促す形でコンバージョンを設定します。見込み顧客の獲得をしたLinkedInの投稿には以下のような種類があります。
シングル画像広告
1枚の画像を使用してメッセージを伝える広告形式です。シンプルで視覚的なインパクトが強く、商品やサービスを直感的にアピールするのに適しています。
カルーセル画像広告
複数の画像を横にスライドして表示できる広告形式です。各画像に異なるリンクを設定できるため、複数の製品やメッセージを一度に紹介したい場合に最適です。
動画広告
短い動画を使って商品やサービスを紹介する広告です。動的なコンテンツはユーザーの興味を引きやすく(エンゲージメント率が上がりやすく)より複雑なメッセージを伝えるのに適しています。
ドキュメント広告
PDFやプレゼンテーションなどのドキュメントをユーザーに提供する広告形式です。製品のスペックやホワイトペーパー、業界のベストプラクティスなどを共有することができます。BtoBのリード獲得に特に効果的です。
LinkedInの活用方法(BtoBマーケティング向け)
弊社で調査した限り、BtoBマーケティングにおいてLinkedInが使用されるパターンとして、以下の3つが考えられます。
- コンテンツマーケティング
- LinkedIn広告
- ダイレクトメッセージ
以下で、順番に解説します。
コンテンツマーケティング
他のSNSと同様に、LinkedInにおいても投稿をポストする機能があります。その機能を使用して有益なコンテンツを見込み顧客に向けて継続的に発信し、ブランド認知の拡大を図ります。コンテンツをシェアする方法は複数あります。
通常の投稿機能
以下のように、通常の投稿機能を使うことで、自社の投稿を不特定多数のユーザーに公開できます。
他のSNSと同様に、投稿にリンクを追加したり、動画形式で投稿したりすることも可能です。
LinkedIn内での記事投稿
以下のようにLinkedIn内で自社のコンテンツ(記事ページ)を作成し、投稿することもできます。
公開したページはLinkedIn内だけでなく、Googleやbingの検索エンジンの結果としても表示されるため、LinkedInをコンテンツ投稿用のプラットフォームとしても活用できます。
LinkedIn広告
次にLinkedInの広告機能を使う方法です。広告掲載媒体としてLinkedInを使うメリットとデメリットは以下の通りです。
メリット
- LinkedInのプロファイル情報(例:企業名、業界、職種)を使ってターゲティングできる
- 仕事目的で使用するユーザーが他のSNSよりも多い(仕事に関わる情報が登録されている)
デメリット
- 広告単価が他の広告媒体より高い(海外向けに配信する場合)
- 地域や企業によりリーチできるユーザーが少ない場合がある
特にターゲティングのオプションは、以下のようなかなり細かい情報を用いて設定することができます。
LinkedIn広告の種類
広告の種類は、他のSNSと大きく変わらない印象です。出稿形式としてよく用いられるものに、以下の「シングル画像広告」があります。
画像をクリックすると、リンク先のWebサイトに遷移する広告です。
またリード情報の獲得を目的とした「ドキュメント広告」という広告もあります。以下の広告の “Download” ボタンをクリックすると、フォームが表示されます。
フォームには、LinkedIn上ですでに登録された情報がデフォルトで入力されており、それ以外に必要な情報を入力すると所望のドキュメントがダウンロードできます。LinkedIn広告の使い方や、ポイントについては別の記事で詳しく解説予定です。
ダイレクトメッセージ
最後は、LinkedInで見込み顧客に直接メッセージを送る方法です。進め方は以下のようなイメージです。
- 見込み顧客の企業リストを作成する(例:ChatGPTを使用する)
- 作成した企業リストの企業をLinkedInで検索する
- 各企業の”People”から自社の製品/サービスに興味を持ってもらえそうな役職の人物を探す
- 個別にメッセージを送る
例えば企業名として”Apple”と検索すると、Appleの従業員がリスト形式で表示されます。
LinkedInには「つながりの度合い」という指標があり、各人物に1次、2次、3次というつながりの度合いが表示されます。(上記の画像における名前の横に表示されている “2nd” がそれに当たります)
なお、メッセージが送れる(つながりのリクエストを送信できる)ユーザーは、3次のつながりまでになるため、ネットワークを広げておくとメッセージが送れるユーザーの数も増えます。
まとめ
BtoBマーケティング目的でのLinkedInの代表的な使い方を3つ紹介しました。当初は採用目的で使用されることが多かったLinkedInですが、現在では海外向けのマーケティングツールとして一般的に活用されています。今回の記事の内容が、少しでもお役に立てば幸いです。
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