BtoB企業が海外でやるべきSNSは?海外のSNS利用動向

【執筆者紹介】椎名真弓
この記事の執筆者
椎名真弓
フリーランス・マーコム・サポーター
執筆テーマ:IT、製造にかかわるマーケティング全般

【経歴】
20年超にわたり、半導体・ディスプレイ関連のマーケティング業務に従事。市場分析から戦略立案、販売促進まで幅広い業務に携わった経験がある。現在はフリーランスにて中小企業や個人事業主のマーケティング活動をサポートする傍ら、ライティング活動も行っている。
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マーコム・サポーターの椎名です。中小企業や個人事業主のマーケティング活動をサポートする傍ら、ライティング活動も行っています。今回は、BtoB企業が海外でSNSマーケティングを検討するにあたって役立つ、海外SNSの利用動向について取り上げます。

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企業における海外向けSNSの利用動向

コロナ禍以降、デジタル活用の動きが活発になっていますが、その流れの中で、SNSのグローバル展開を検討する企業が増えています。SNSは、潜在顧客への認知喚起やブランディングとして企業に積極的に活用されています。それは国内に限らず海外でも基本的に目的は同じです。

ただし、ソーシャルメディアの活用方法は国によって特性が異なります。Facebookの利用率が非常に高い国もあれば、独自SNSが発展した国もあります。ユーザーの属性、用途は国によってバラバラです。全く同じ投稿でも文化の違いや国民性によって受け入れられるものとそうでないものがあります。

海外でSNSを活用するのであれば、対象国のSNS利用状況や各国のソーシャル事情を理解した上で情報発信したいところです。ここからは、世界各国のSNS利用状況について解説いたします。

BtoBで主に使われるSNS

BtoBの領域でも、海外でのSNS活用を積極的に行っている企業が多いです。現在は、海外進出先、特に日本の周辺国であるアジアやアメリカなどで主に検討されています。

BtoBで主に海外向けに利用されているSNS媒体は、主にFacebook、Twitter、YouTube、LinkedInの4種類です。グローバルでシェアの高い媒体で情報発信されている傾向がありますが、中国のように政府規制が入っていて発信が難しいところでは、自国のローカルSNSも対象になります。

BtoBが海外活用する主要SNS

ここでは、BtoB企業が海外でよく使う主なSNSについて、利用者数の多い国地域や、中核となる利用者の属性について簡単に概要を説明します。

Facebook

Facebookは、全世界で利用者数が最も多いSNSです。2022年1月時点で約29億人が利用しています。実名制SNSであり、ターゲティング精度が高く、低価格で広告運用しやすい特徴があります。

地域別にみると、特に浸透率が高いのは東南アジアで、なかでも台湾、フィリピンはネット利用者の9割を超えるユーザーが利用しています。欧米でも利用者は多く、浸透率は概ね6割前後となっていますが、足元は伸びが鈍化しています。

YouTube

動画SNSで、近年目覚ましく成長しているのがYouTubeです。2022年1月時点での利用者は約26億人で、Facebookに次ぐ規模になります。Facebookの利用者が全体的に鈍化基調なのに対し、YouTubeはここ数年、Facebookの倍のスピードで伸び続けています。

YouTubeは地域問わず普及していますが特に欧米の浸透率が高く、おおむね8割前後となっています。また幅広い年齢層に受け入れられており、広告のリーチも高いです。動画マーケティングの注目度の高さもあって力を入れている企業が非常に多いです。

Twitter

Twitterは匿名で情報発信できるSNSで、拡散力の高い媒体です。2022年1月時点の利用者は約4.3億人となります。情報収集目的で利用するユーザーが多く、ニュース性の高い発信が好まれる傾向にあります。

利用者が一番多い地域は米国、次いで日本です。日本ではネット利用者の過半数がTwitterを利用していますが、海外ではそこまで浸透率は高くありません。比較的浸透している米国や英国でも浸透率は3割前後になります。

LinkedIn

LinkedInはビジネス特化型のSNSです。日本ではほとんど普及していませんが、世界では8億人以上が利用しています(2022年1月時点)。25~34歳の若手ビジネスユーザーが中核で、リクルーティング目的で活用している企業が多く、人に焦点をあてた発信内容が目立ちます。

主な地域のSNS事情

ここでは、BtoBで対象となる主な地域について人気のSNS媒体の傾向や主な利用者層、用途について簡単に整理します。

米国

米国で普及しているSNS TOP3は以下になります。

  • 1位:YouTube
  • 2位:LinkedIn
  • 3位:Facebook

米国ではYouTubeの普及がダントツ1位です。2位はLinkedIn、3位は僅差でFacebookとなります。LinkedInに関してはメンバーの登録数をベースとしているので同じ土俵での比較ではないことをご注意ください。Facebookは以前YouTubeと同等の水準でしたが、近年その差が広がっています。

米国は日本同様、若年層のFaceboo離れが進んでいて利用者層の高齢化が進んでいます。Instagram(現在4位)が追い上げており勢いが強いです。

中国

中国のSNS TOP3は以下です。

  • 1位:WeChat
  • 2位:Sina Weibo
  • 3位:Baidu Tieba

中国は政府の規制で外国のサービスが遮断されているため、ローカル企業によるサービスが強くなっています。1位のWeChatは、いわゆる中国版LINEで、年代問わず広く使われています。ビジネス利用率も高いです。2位のSina Weiboは、中国版Twitterで、10~30代の若手層に人気です。

韓国

韓国のSNS TOP3は以下です。

  • 1位:Kakao Talk
  • 2位:YouTube
  • 3位:Facebook

1位のKakao Talkは、韓国ローカル企業が運営するメッセンジャーアプリでLINEに近いです。幅広い年齢層で活用されていますが、特に40代以上の利用率が高い状況です。3位のFacebookは日本と違い、若年層に受け入れられています。

台湾

台湾のSNS TOP3は以下です。

  • 1位:Facebook
  • 2位:Instagram
  • 3位:LINE

台湾ではFacebookの利用率が非常に高く、ネット利用者の9割超が利用しています。一方台湾ではTwitterは全く使われていません。台湾では口コミよりもブログが人気を集めており、ブロガーを活用したインフルエンサーマーケティングが有効になっています。

BtoB企業の海外SNS事例

最後に、BtoB企業の海外の取り組みについて2社ご紹介します。

オムロン株式会社

制御機器、電子部品を手掛けるオムロンは、中国ではWeChatとSina Weiboを活用し、それ以外の海外ではFacebookとLinkedInを使って情報発信をしています。 同社はオウンドメディアに力を入れており、SNSもこうしたメディアへ誘導するものが目立ちます。

Facebook: https://www.facebook.com/omron.corporation.global
LinkedIn: https://www.linkedin.com/company/omron-corporation/

株式会社三ヶ島製作所

三ツ島製作所は自転車ペタルや自動車部品を手掛ける従業員85名の企業です。企業規模は小さいですが、数年前からSNSで積極的に情報発信を行っています。Instagram とYouTubeは英語で情報発信しており、Instagramではフォロワー数が1万人に達しています。投稿頻度は月に数回程度とそれほど高くないですが、クオリティの高さがうかがえる写真投稿が目を引く内容となっています。

Instagram: https://www.instagram.com/mkspedal/
YouTube: https://www.youtube.com/channel/UCHyzsDrJ0Yfu2UlMXdxWf2g

まとめ

認知喚起やブランディング目的で海外のSNS活用を検討するBtoB企業が増えています。BtoB企業が活用する媒体はグローバルでシェアが高いFacebook、Twitter、YouTube、LinkedIn の4種類です。

ソーシャルメディアの活用のされ方は国によって特性が異なります。YouTubeはどの国でも人気が高いですが、特に欧米が顕著です。台湾などアジアではFacebookの利用が非常に高いですが、米国では若手層が離れていく傾向にあります。中国のように独自SNSが活用されている国もあります。

国ごとに出し分けるのは手間がかかりリソースがないとなかなか難しいですが、企業規模は小さくても高い認知度を獲得できている企業もあります。国ごとの特性の違いを見ながらうまく活用していくとよいでしょう。

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【調査期間】 2024年1月22日〜1月23日
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この記事の執筆者
椎名真弓
フリーランス・マーコム・サポーター
執筆テーマ:IT、製造にかかわるマーケティング全般

【経歴】
20年超にわたり、半導体・ディスプレイ関連のマーケティング業務に従事。市場分析から戦略立案、販売促進まで幅広い業務に携わった経験がある。現在はフリーランスにて中小企業や個人事業主のマーケティング活動をサポートする傍ら、ライティング活動も行っている。
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