小さな町工場に勤める傍ら、製造業・技術系ライターとして活動している森野です。製造業で10年以上の実務経験があり、現場を知る人間ならではの執筆を得意としています。
本記事では、近年急速に変化する製造業の営業手法についてメリット・デメリットを踏まえながら詳しく解説します。営業活動の方針で悩みを抱えている方や、オンラインを用いた新しい営業活動に興味のある方はぜひ参考にして頂ければと思います。
この記事の目次
コロナ禍、アフターコロナでの営業手法について
コロナ禍において、製造業の営業活動にも大きな変化が生まれています。展示会の中止や顧客訪問できない状況が続く中、注目が集まっているのはオンラインを活用した新しい営業手法です。「非接触」をテーマにした営業活動はアフターコロナにおいても当面の間、主流になることが予想され、メーカーにとって今後の生き残りを左右する重要なファクターと言えます。
具体的に出てきた新たな営業手法
ここでは近年具体的に使用されている営業手法を4つ、それぞれメリット・デメリットを踏まえてご紹介します。
Webサイト営業
コロナ禍において訪問営業が困難であることから、Webサイト制作やリニューアルによる問い合わせ、受注の促進を試みるメーカーが増加しています。
Webサイト営業によるメリット・デメリットを下記にまとめました。
メリット
- 継続的に安定したアクセス、問い合わせが獲得できる
- 自社製品にある程度関心のあるターゲットを集めることができる
デメリット
- 費用、労力がかかる
- 制作しただけでは集客はできず、正しい運用ノウハウが必要
- 成果が出るまでに時間がかかる
Webサイトから集客する上で、多くのメーカーが、デザインなど見た目をよくするための施策を先行してしまいがちです。しかし製造業のWebサイトの場合、閲覧者は発注先候補として条件に合った情報がそこにあるかどうかを見て、問い合わせの判断をします。そのため、まずは自社の存在を知ってもらい、その先で有益な情報を提示できるかどうかが鍵となります。その施策として不可欠なのが「SEO対策」です。
SEO対策に関する詳しい解説はこちらの記事をご覧ください。
オンライン展示会
オンライン展示会とは実際の展示会場ではなくWeb上で開催する展示会のことです。コロナ禍で従来のような展示会の中止が相次ぐ中、急速にニーズが高まっています。
メリット
- 対面の展示会に比べ出展費用が抑えられる
- 時間、場所、天候などの縛りがない
- 参加者の詳細なデータが収集できる
デメリット
- 対面の展示会のように、呼び込みやチラシ配布によって参加者を自社ブースに引き入れる、いわゆる「プッシュ型」の営業ができない
- サイト構築やシステム準備など、出展する製品以外の準備に時間と労力を要する
ウェビナー
ウェビナーとはWebとセミナーを組み合わせた造語でウェブセミナー、オンラインセミナーとも呼ばれています。チャットやアンケート機能を利用しながら参加者とコミュニケーションがとれる「リアルタイム配信」、参加者が任意のタイミングで何度でも視聴できる「録画配信」の2つの形式に分類されます。
メリット
- オフラインのセミナ―に比べ開催費用が抑えられる
- 新しい客層の開拓が期待できる
- 受講者がどこにいても受講できるため参加のハードルが下がり、リアルのセミナーに比べ、集客が容易になる
デメリット
- 通信環境によってトラブルが起こることがある
- 参加者の熱量が分かりづらく、途中で離脱されてしまうこともある
SNSマーケティング
SNSマーケティングとはFacebookやTwitter、InstagramなどSNSを活用したマーケティング活動のことです。SNSの強みである拡散力によって、短期間で急激にアクセスや販売を促進できることが最大の特徴です。近年では大手企業も続々と導入を開始しています。
メリット
- 情報の伝達、拡散が速い
- 顧客との関係を築きやすい
デメリット
- 悪い情報でも拡散してしまうため、炎上リスクがある
- 成果が出るまでに時間がかかる
実例
ここからはテクノポートがサポートしたお客様の中で、新たな営業手法を導入し成果を挙げた事例をご紹介します。
有限会社ユニバーサル
有限会社ユニバーサルは研究開発機関などに必要とされる試作品の部品製造を主に行っているメーカーです。Webサイト営業の強化を目的としたリニューアルに取り組みました。
リニューアルにあたり「難削材加工」など、専門素材の性質や活用事例などを詳細に説明するページを制作し、ある程度固まっている完成イメージをもとに数社で比較検討する段階にいる顧客へのアプローチを試みました。
その結果、契約に繋がる問い合わせが急増、2ヶ月でリニューアル費の回収に成功しています。
デジタルファクトリー株式会社
デジタルファクトリー株式会社はハイエンド3Dプリンタや、関連製品の企画、販売を行うメーカーです。これまで取引がある大手企業だけでなく、中小企業や個人の顧客開拓を目的とした新たな営業活動として、Webサイトリニューアルを実施。
商品名で検索されたときに上位表示されるようにSEO対策をし、その機種のスペックや特徴、対応可能な材質の説明などを細かく掲載しました。結果として、商品名での検索順位は1位から3位の間を維持。また顧客リストは10倍以上に増大しました。
まとめ
コロナ禍において展示会の中止や顧客訪問できない状況が続く中、製造業も「非接触」をテーマにしたオンラインによる新しい営業手法に注目が集まっています。
本記事では具体例として4つの手法をご紹介しましたが、それぞれにメリット・デメリットがあるため、状況や目的に合わせて適切な選択が必要です。
テクノポートでは製造業向けのWebマーケティング実績が多数あります。今回ご紹介した営業手法はもちろん、Webマーケティングに関するお悩みはぜひお気軽にご相談下さい。