TPMモデルとは、受託加工業における自社の事業内容を体系的に整理し、外部に効果的にアピールするためのテクノポート独自のフレームワークです。具体的には、以下の3つの視点で自社の強みを言語化します。

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Technology(技術)
どのような加工方法や設備、そして現場で培ったノウハウがあるのかを明確にします。 -
Performance(機能・パフォーマンス)
その技術を活用して、どのような具体的な価値(加工精度、対応可能なサイズ、コスト効率など)を提供できるのかを整理します。 -
Market(市場)
自社の技術やサービスがどの市場や業界、どの顧客層にマッチしているのかを明示します。
この3つの軸を用いることで、受託加工業の現場力や事業の特徴を全体的に「見える化」します。見える化させることで、自社の事業内容を社内外で情報共有ができ、マーケティング施策の元図として活用することができます。また、社外のPR用の資料としてTPMモデルを盛り込むことで、事業内容を一目で理解させることも可能になります。テクノポートでは、主にWebマーケティング施策実施のための企業分析としてTPMモデルを開発しましたが、幅広い利用用途で活用できると考えています。
この記事の目次
TPMモデルの活用事例
板金加工業
切削加工業
樹脂試作加工業
TPMモデルの基本構造
TPMモデルは、自社の事業内容を「技術」「提供機能」「市場」の3つの視点で整理します。
T:Technology(技術)
まずは、自社の技術基盤を整理します。ここでは、以下の項目を明示します。
◇加工方法:精密板金、切断、曲げ、溶接、マシニングなど。
◇設備:ファイバーレーザー加工機、ベンダー加工機、溶接機など。
◇ノウハウ:現場で培った経験や技術力。
P:Performance(機能・パフォーマンス)
次に、技術を活かして提供できる具体的な価値を整理します。顧客が実際に得られるメリットを明示するため、以下の項目を含めます。
◇加工サイズ:最大・最小サイズ。
◇精度:数値で示せる精度。
◇加工材質:対応可能な材質の範囲。
◇対応ロット:得意とするロットサイズ。
◇QCD:短納期、低コスト、高精度など。
◇対応地域:対応可能な地域範囲。
◇提供体制:試作対応、図面なし対応、VE/VA提案など。
M:Market(市場)
最後に、自社がどの市場・業界に特化し、どの顧客層に価値を提供できるかを整理します。
◇対象業界:建築設計、医療機器、自動車、産業機器など。
◇顧客層:設計開発部門、購買担当者、生産技術部門など。
◇製品・用途:店舗什器、ブラケット、架台など。特に受託加工業では、製品での訴求が重要ですが、うまく言語化できていないケースも多いです。
受託加工業における競争は、単にスペックや設備投資の規模だけでは決まりません。むしろ、事業内容をどれだけ正確かつ多角的に伝えられるかが、今後の成長の鍵となります。
TPMモデルは、技術(Technology)、機能・パフォーマンス(Performance)、市場(Market)の3軸で自社を再定義し、事業内容を効果的に言語化するツールです。
このフレームワークを活用することで、社内の情報共有が円滑になり、営業やマーケティングでの顧客への説得力が大幅に向上します。また、新たな市場や用途開発への挑戦にもつながり、企業全体の戦略的成長を促す原動力となります。ぜひ活用ください。