テクノポートの永井です。今回はホームページの集客用コラムの始め方について紹介します。
アクセス数を増やすためにはコラムの活用が重要ですので、ぜひ最後までご覧いただければと思います。
この記事の目次
中小製造業のブログ事例
今回は、工業系の受託製造などを手掛けるBtoB中小企業の事例をまとめて10例ピックアップしました。どのような製品サービスを手掛ける企業が、どのようなコンテンツを作られているのかをご紹介します。
株式会社メルテック
出典:株式会社メルテック
メルテックは、フォトエッチングなど高精度の加工を行う会社です。電鋳加工やプレス・溶接などさまざまな加工に対応でき、表面処理、成型までの工程を手掛けています。海外ネットワークを持ち、現地調達をサポートしています。
メルテックでは、自社のホームページに加工に関する技術コラムを掲載しています。
ブログは、加工のメリットや、役割、プロセス、事例を紹介しており、製品の特性や方法別の比較表などの技術情報も掲載しています。
加工に関するコラムから詳細製品情報や問い合わせに誘導する構成です。
株式会社杉山チエン製作所 HKK Chain事業部
杉山チエン製作所 HKK Chain事業部は、工業用チェーンやスプロケットを製造する会社です。特殊品も対応可能で、図面がなくても相談を受けると謳っています。
同社は自社ホームページにて、チェーンやスプロケットに関する技術コラムを掲載しています。主に加工方法やチェーンの切り方、寿命に関する情報です。工具の使用方法や取り付け方を図解でわかりやすく説明されています。写真や図が多めに入っているのでイメージしやすい構成です。
同社のホームページでは、サイト共通で問い合わせ、資料請求に誘導する設計になっています。
荒川技研 株式会社
出典:荒川技研 株式会社
荒川技研は、プラスチック試作品の切削加工を行う会社です。リクエストをもとに材料や加工方法の提案を行います。真空注型、光造形、簡易型成形などの試作もサポートしています。同社は多品種少量生産に対応しており、1個からの試作もリクエストできるとのことです。
同社は、「プラスチックの知識」として樹脂製品に関するお役立ちコンテンツを提供しています。同社Webサイトのトップページから閲覧が可能です。「プラスチックの知識」では、材料の種類や特徴、要求される性能や加工工程、不具合の原因と対策などを解説しています。
記事最後で問い合わせに促す誘導を行っています。問い合わせフォームは、すべて同じ共通フォームとなっていますが、誘導ボタンのコピー文は、各記事の内容にあわせて最適な文言をつけるなど工夫しています。
株式会社サンヒル
出典:株式会社サンヒル
サンヒルはベアリングの開発・製造会社です。自動車や産業機器、建築などの工業用キャスター/ローラーなどの用途があり、自社ブランド品のほか、カスタム品の設計製造も手掛けています。米国/アジアに拠点を持ち、海外現地調達・生産にも対応しています。
同社のブログ(コラム)では、ベアリングの基礎知識について、役割・構造・用途・製造方法などを解説しています。専門知識が浅くても読みやすい平易な内容となっていますが、一方で故障に関しては原因/対策が詳細に書かれており、ユーザーが知りたい内容とレベルに合わせ最適化されています。
さらに深い情報が知りたいユーザーに対しては、詳細情報「ベアリング取り扱いの基礎」や問い合わせに促す導線を用意しています。
株式会社アドレック
出典:株式会社アドレック
アドレックは、トルクレンチの製品開発・製造会社です。デジタル式のトルクレンチを扱っており、製造支援ソフトも販売しています。主に製造現場のコスト削減や効率化、品質向上を目的とする製品/サービスを提供しており、PLC連携といったプログラミング支援などのサポートも実施しています。
同社は、自社ホームページ上で「トルクレンチの豆知識」という、製品の選び方や測定方法などのお役立ち情報を提供しています。トルクレンチの「意外な使い方」など興味を引く内容を織り込んでおり、問い合わせに促す導線設計となっています。
有限会社 岸本工業
出典:有限会社 岸本工業
岸本工業は、プラスチックや非鉄金属、アクリルの加工を行う会社です。同社は樹脂を±0.1mm以下の高精度で加工できる技術を売りにしており、冶具設計や製作、試作・開発・部品調達の支援も行っています。
ブログでは、同社が得意とする高精度で透明性が必要な加工事例を紹介しています。加工する上でお客様のどのような悩み/課題に対応できるか、加工方法や対応用途/形状に関する情報をシンプルに伝えています。
問い合わせへの導線は、共通のフォームに促すものですが、FAXでの問い合わせもできるとし、お客様の選択肢を増やしています。
株式会社ASTINA
出典:株式会社ASTINA
ASTINAは、産業用IoT製品の開発製造会社です。機械/電気設計からアプリ開発・テスト、サーバー構築までサポートしています。主に、見守りや認証/監視用の製品を開発しており、システム運用やAI/ロボット装置開発、DX支援も手掛けています。
同社のコンテンツはIoT/ロボット/AI技術に関するお役立ち情報です。産業分野における各種センサーの役割・用途や活用事例を掲載しています。IoT活用システムの導入フローや構築時の注意点など、導入検討者の関心事に沿った内容となっており、問い合わせフォームに誘導する導線設計です。
株式会社ファブエース
出典:株式会社ファブエース
ファブエースは、板金加工機械を取り扱う専門商社です。機械/ソフトウエア、ネジといった部品など幅広い商材を扱っています。自社製品の設計製作と販売も手掛けており、数千個から数百万個単位までの豊富な製作実績があります。
同社はホームページ上で、「技術コラム」、「社員ブログ」、「お知らせ」の3種類のコンテンツを発信しています。技術コラムは測定工具などの機能や使い方などのお役立ち情報で、社員ブログは自社製品の紹介や導入事例を提供するといった使い分けをしています。
山陽株式会社
出典:山陽株式会社
山陽は金属部品加工や組み立てを行う会社です。自動車部品や産業機器・住宅など幅広い業界での機械部品を扱っています。自社で幅広い用途に対応した加工組み立ての生産設備を有しており、数千個から数百万個単位までの製作実績があります。
同社のコンテンツは、お客様の課題を解決する事例が中心です。どのような課題をどう解決したかと、自社の強みを記載しています。実現までのプロセスを図解するなどわかりやすいものになっています。
株式会社ユニフォームネット
ユニフォームネットは、企業用ユニフォームの企画・販売を行う会社です。製造/建築現場の作業服やホテル・病院・飲食店用の制服などを扱っています。販売は、ネットショップや、カタログ通信販売などで行い、レンタルにも対応しています。
同社のコンテンツは、ユニフォームの選び方のポイントやトレンド情報、注文時のポイントなどが中心です。また、同社が取り扱うユニフォームメーカーの製品も紹介しています。
ユニフォームということもあり、ビジュアルを多用しています。服の完成イメージだけでなく素材・途中工程の説明画像も入れており、問い合わせやWebカタログに誘導しています。
日常のブログと集客目的のコラムの違いとは
1. 目的とターゲットの違い
日常のブログは個人の体験や感情を綴ることが主な目的で、特定のターゲットを意識せず、広く多くの人々に向けて書かれることが多いです。ブログの内容は、書き手の日常や考え、趣味に関連したものであり、個人的な表現や感情が強調されることが特徴です。
一方、集客目的のコラムは明確なビジネス目標を持ち、特定のターゲット層に向けて書かれます。これらのコラムは、訪問者を増やすために設計され、企業やサービスに対する興味を引き、最終的には購買や問い合わせにつながることを目的としています。ターゲット読者のニーズや関心に応じた情報を提供し、特定の行動を促すことが求められます。
2. コンテンツの内容とスタイル
日常のブログは、自由な形式で個人的なエピソードや感想、意見を表現する場として用いられます。テーマは多岐にわたり、書き手の感情や経験を率直に共有することが重視されます。コンテンツのスタイルはカジュアルで、親しみやすいトーンが一般的です。
それに対して、集客目的のコラムは、読者に価値ある情報を提供することに重点が置かれます。具体的には、業界の専門知識や最新のトレンド、問題解決のヒントなど、ターゲット読者が求める情報を詳細、かつわかりやすく伝えることが求められます。スタイルはよりフォーマルであり、信頼性を高めるために、データや専門的な知識が盛り込まれることが多いです。
3. 検索エンジン最適化(SEO)と成果の測定
日常のブログでは、SEOの重要性が低く、検索エンジンに最適化された内容を意識せずに執筆されることが一般的です。ブログは自己表現の場であり、アクセス数よりも書き手の満足感や読者とのコミュニケーションが重視されます。
一方、集客目的のコラムでは、SEOが非常に重要な役割を果たします。キーワードの選定やメタディスクリプションの最適化を通じて、検索エンジンでの上位表示を狙い、より多くのターゲット読者にリーチすることを目指します。また、コラムの成果は、アクセス数や問い合わせ件数などの具体的な数値で測定され、定期的に分析されることで、コラムの効果を最大化するための改善が行われます。このように、SEOと成果測定の違いが、日常のブログと集客目的のコラムの大きな差異として現れます。
集客目的のコラムのはじめ方
簡単に投稿できる環境を整える
集客目的のコラムを効率的に運営するためには、まず簡単に投稿できる環境を整えることが重要です。
WordPressやその他のコンテンツ管理システム(CMS)を活用することで、コラムの作成から公開までのプロセスをスムーズに進められます。これらのプラットフォームでは、直感的な操作で記事の投稿や編集が可能で、SEOプラグインやアクセス解析ツールとも連携できるため、初心者でも効果的に運用できます。また、デザインのカスタマイズや機能追加も容易に行えるため、コラムの目的やブランドに合わせた柔軟な環境を構築できます。
検索需要を基にキーワードを選ぶ
集客目的のコラムでは、適切なキーワード選定が成功のカギとなります。
まずはターゲット読者がどのような情報を求めているのかを理解するために、検索需要を調査します。GoogleキーワードプランナーやSEOツールを活用して、関連するキーワードやフレーズをリストアップしましょう。その後、検索ボリュームや競合状況を分析し、効果的なキーワードを選びます。このステップは、コラムが検索エンジンで上位に表示されるかどうかに大きく影響するため、慎重に行う必要があります。
目次を作る
キーワードを選定したら、次にコラムの構成を考え、目次を作成します。目次を作ることで、コラム全体の流れや内容が明確になり、執筆作業がスムーズに進むだけでなく、読者にとっても読みやすいコンテンツになります。
まず、読者がどのような情報を求めているかを考え、そのニーズに応えるようにセクションを設けます。目次には、各セクションのタイトルやサブタイトルを含め、全体の構造を見渡せるようにします。また、導入部分から結論に至るまでの流れが自然であるかどうかを確認し、必要に応じて修正します。
執筆する
目次が完成したら、いよいよコラムの執筆に取りかかります。執筆の際には、ターゲット読者が求める情報を提供することを常に意識しましょう。
文章はシンプルかつ明確に、そして論理的な流れを意識した構成が大切です。段落や文章の長さに気を配り、読みやすさを確保することで、読者の集中力を維持しやすくなります。また、具体的な事例やデータを積極的に引用することで、内容の信頼性や説得力を高められます。これにより、読者にとって有益で価値のある情報を提供できるだけでなく、あなたの専門知識や見識のアピールにもつながります。
執筆が完了したら、文章を見直して誤字脱字や文法のチェックを行いましょう。この過程で、文章全体のトーンやスタイルが一貫しているか、内容が的確に伝わっているかも確認します。必要に応じて修正を加え、コラム全体をさらに洗練させることが重要です。さらに、SEO対策として、タイトルやメタディスクリプションの最適化を忘れずに行うことで、検索エンジンでの可視性を高められます。これにより、より多くの読者にコラムが届く可能性が高まり、集客効果を最大限に引き出せるでしょう。
集客用コラムの継続方法
一人だけで担当しない
コラムを長期的に継続するためには、チーム全員がSEOを意識して執筆することが重要です。
一人の担当者に任せるのではなく、全員がSEOの基本知識を身につけ、記事作成の際にそれを反映させることで、コラム全体の品質が向上します。各メンバーがSEOに関する最新の情報やトレンドを共有し合い、互いにフィードバックを行うことで、チーム全体のスキルが向上し、より効果的なコラム運営が可能になります。全員が同じ方向を向いてコラムを執筆すればコンテンツの一貫性が保たれ、検索エンジンでの評価も高まるでしょう。このようにして、チーム全員でSEOに取り組むことにより、コラム運営が一人の負担にならず、長期的な継続が実現できます。
外注をうまく活用する
コラムの継続には、外部リソースの活用が非常に効果的です。すべてのコンテンツを社内で完結させるのではなく、外注を活用することで、専門的なスキルや新しい視点を取り入れられます。
例えば、ライティングを専門とするフリーランサーや、SEOに精通した専門家にコラムの一部を依頼することで、質の高いコンテンツの安定的な提供が可能になります。また、外注を活用すれば、社内リソースを他の重要な業務に集中させることができ、全体的な業務効率も向上します。外部の力を借りることにより、コラム運営を無理なく続けられ、長期的な継続が実現します。
ChatGPTを活用する
コラムの継続において、ChatGPTのようなAIツールを活用することも非常に有効です。アイデア出しやコンテンツの構成、初期のドラフト作成など、時間と労力のかかるタスクを効率化するためにAIを使うことで、作業のスピードを上げられます。
また、定期的に大量のコラムを作成する際にも、AIは大きなサポートを提供します。例えば、トピックに関するリサーチや、複数のアイデアを素早く生成するのに役立ちます。これにより、執筆者はよりクリエイティブな部分に集中でき、コンテンツの質を高めつつ、無理のないコラムの継続が可能になります。AIツールを賢く活用することにより、時間の節約と生産性の向上を実現できるでしょう。
コラムの注意点
ファクトチェック
コラムを執筆する際には、正確な情報を提供することが最も重要です。誤った情報や根拠のない主張は、読者の信頼を損ない、ブランドや企業の信用に悪影響を与える恐れがあります。ファクトチェックは、そのようなリスクを避けるための基本的なプロセスです。情報の出典を確認し、複数の信頼できるソースから裏付けを取ることで、コラムの信頼性を高められます。また、引用や統計データを使用する場合は、そのデータが最新で正確であるかの確認が不可欠です。ファクトチェックを徹底することで、読者に価値ある、信頼できるコンテンツの提供が可能になります。
検索順位の確認とリライト
コラムを公開した後も、そのパフォーマンスを定期的にチェックすることが大切です。検索エンジンでの順位を確認し、必要に応じてリライトを行うことで、コラムの効果を最大化できます。時間が経つと、検索アルゴリズムや競合記事の影響で、コラムの順位が下がる場合があります。こうした場合、内容の更新やキーワードの見直し、タイトルの調整などを行うことにより、再び上位に戻すことができます。リライトは、コラムの価値を維持し続けるための重要な作業であり、検索エンジンでの露出を保つために欠かせないステップです。
諦めない
コラムの運営は一朝一夕で成功するものではありません。最初のうちは思うように成果が出ないかもしれませんが、そこで諦めずに継続することが重要です。
成功には時間がかかる場合が多く、特にSEO対策やコンテンツの品質向上には、継続的な努力が求められます。最初はアクセスが少なくても、質の高いコンテンツを定期的に発信し続けることで、徐々に読者が増え、検索順位も向上していくでしょう。結果が出るまで諦めずに続けることが、成功につながります。
まとめ
集客目的のコラムは、日常ブログとは異なり、明確なビジネス目標を持ち、ターゲット読者に価値ある情報を提供することが重要です。効果的にコラムを運営するためには、簡単に投稿できる環境を整え、SEOを意識したキーワード選定やコンテンツ作成を行いましょう。また、継続的に改善を加えながらコラムを運営することで、長期的な成果を得られます。コラム運営は、チームで取り組み、外部リソースやAIツールを活用し、無理なく継続できるよう工夫することが大切です。
テクノポートは製造業のWebマーケティングを支援する各種コンサルティングサービスをご用意しています。お困りの際は、ぜひお気軽にご相談ください。