製造業のエンジニアで、製造業系ライターとして活動している一之瀬です。
Web上で自社の存在を知ってもらう方法として、SEOは効果的な選択肢の一つです。「SEOではキーワード選定が重要」と言われることがありますが、SEOに取り組んだ経験がない場合には、キーワード選定が重要な理由やどのように選定すればいいかわからないことがあります。
そこでこの記事では、SEOでキーワード選定が重要な理由や実際に選定する手順を解説します。また、キーワード選定をする際に活用できるフレームワークやツールに加えて、SEO対策でキーワード選定がうまくいき、集客に成功した企業を紹介します。
現在SEO対策を検討していたり、キーワード選定に困っていたりする方に、ぜひ参考にしていただければと思います。
この記事の目次
SEOにおけるキーワード選定とは?
SEOはSearch Engine Optimizationの頭文字を取っており、「検索エンジン最適化」を意味します。検索エンジン最適化とは、GoogleやYahoo!などの検索エンジンで検索された際に、サイトを上位に表示させるためにさまざまな施策に取り組むことを指します。
キーワード選定とは、検索エンジンで特定の単語や文章が検索された際に、上位表示したい単語や文章を選定することです。適切なキーワードを選定することで、検索結果から自社サイトへの流入数が増え、新たなユーザーの獲得に繋がります。
キーワード選定が重要な理由
SEO対策においてキーワード選定はもっとも重要と言われます。その理由は、キーワード選定が適切でないと、検索エンジン経由での新たな顧客を獲得できないからです。自社の製品やサービスを検索エンジン経由で知ってもらう機会が失われるため、大きな影響があります。
誰も検索しないようなキーワードであれば無駄になってしまいますし、多くの企業が狙っているようなキーワードであれば、競争が激しくユーザーが見てくれるような検索順位を獲得できません。
検索数が多く、さらに上位表示を狙えるキーワードを選定することが、SEOで成功するための大きなポイントです。
キーワード選定を行う手順
キーワード選定を行う際には、まずターゲットの理解が重要です。どのようなターゲットに記事を届けたいかによって選択するキーワードが変わってきます。また、ターゲットの理解に加えて、自社の立ち位置や強みを明確にすると、キーワードの絞り込みができるでしょう。
次に、ターゲットの分析結果や自社の強みから、キーワードの候補を洗い出していきます。洗い出したキーワードはWeb上で検索を行い、関連するキーワードの調査などを行うといいでしょう。調査の過程で競合サイトを分析し、SEO対策を行うキーワードに優先順位をつけていきます。
このように取り組むことで、取り組むべきキーワードの選定を優先順位付けを行うことが可能です。
キーワード選定に活用できるフレームワーク
キーワード選定は闇雲に行ってもうまくいきません。キーワード選定に活用できるフレームワークとして、3C分析とMFT分析を紹介します。
3C分析
SEO対策を行う際には、自社の立ち位置を明確にすることが重要です。Customer(顧客)、Competitor(競合)、Company(自社)の3つの頭文字を取って「3C分析」とよばれています。
3C分析では、自社と顧客、競合との関係を分析することで、業界の中の自社の立ち位置、顧客として狙うべき場所やその際に競合となる企業を明確にできます。
キーワード選定をする上では、顧客から求められており、競合企業がなるべく少ない所を狙うために、3C分析が活用できます。
3C分析の活用について詳しく知りたい場合には、以下の記事をご覧ください。
MFT分析
製造業が生き残り拡大していくためには、既存の市場だけでなく自社の持つ技術を活かせる新たな市場を見つけ、そこに向けたSEO対策を行うことも重要です。この場合、Market(市場)、Function(機能)、Technoogy(技術)のそれぞれの観点で分析できるMFT分析が有効です。
技術者が技術探索をする場合、技術者の立場によって選択するキーワードは変わります。MFT分析によって、M視点、F視点、T視点のそれぞれで技術探索をする技術者向けのキーワードを導くことが可能です。
MFT分析の活用について詳しく知りたい場合には、以下の記事をご参照ください。
キーワード選定に活用できる3つのツール
ここからは、精度の高いキーワード選定を効率的に行うことが可能なツールについて紹介します。
1.キーワードプランナー
キーワード選定を行う際には、Google広告を配信する際に利用するGoogle AdWordsのキーワードプランナーを活用できます。SEO対策したいキーワードを打ち込むことで、過去にどの程度の検索ボリュームがあったかを確認可能です。
広告出稿をしていない場合には、だいたいの数値しか表示されません。精度を高めるためには、少額でも広告配信をする必要があります。どの程度の精度が必要かによって、判断するといいでしょう。
2.サジェストツール
サジェストとは、GoogleやYahoo!などの検索エンジンにキーワードを打ち込む際に、検索エンジン側が提案してくれる候補のことです。実際に候補で出てくるキーワードで検索をしている人が一定数以上いるため、効果的なキーワードになる可能性があります。
さまざまな検索エンジンのサジェストを一括で取得してくれるようなツールがあり、それをサジェストツールとよびます。サジェストツールがあれば、効率的にキーワードの候補を抽出できます。
3.パスカル
パスカルは、株式会社オロパスが提供しているSEOツールです。SEOコンサルティングを行っている同社の社内ツールとして開発されたもので、社外のユーザーも使用できるように有料で提供しています。
高品質なSEOディレクションをデータに基づいて誰でも行えることを目指して開発されているため、社内の調整を数値に基づいて行いたい場合などに特に有用です。
上位表示されるページの共通点や上位表示するための具体的な改善点、必要なコンテンツなどの情報が得られます。
製造業ホームページにおいてキーワード選定を成功させるポイント
製造業が自社のホームページやオウンドメディア向けに、キーワード選定を成功させるには重要なポイントが3つあります。
一つ目はアクセスが稼げるキーワードか、二つ目はコンバージョン(問い合わせ)に繋がるユーザーが検索するキーワードか、三つ目は自社の強みと合致するかです。
これらのポイントを押さえたキーワード選定を行うためには、それぞれのポイントに対してKPIを設定することが重要です。設定したKPIを分析することで、選定したキーワードが適切だったか、改善すべきキーワードなのかを判別できます。
キーワード選定に成功し集客に繋がった事例
ここからは、テクノポートがサポートしたお客様の中で、キーワード選定に成功し集客に繋がった事例を3社紹介します。
同和鍛造株式会社
同和鍛造株式会社からは、もともと同社のホームページをリニューアルしたいという問い合わせをいただきました。そこで弊社では、自社技術をホームページの中でしっかりアピールすることにより、アクセスを集めることを検討しました。
分析の結果、検索需要が多いにもかかわらず競合がそれほど多くなかった「大型鍛造」「自由鍛造」「フリー鍛造」といったキーワードを選定し、上位表示を狙いました。
いずれのキーワードも狙い通りに5位以内に表示できたことで、検索エンジンからの集客に大きく貢献しています。
司フエルト商事株式会社
司フエルト商事株式会社は、提案型の商社ですが、提案営業は確度が低く営業効率が悪い点を課題として認識していました。そこで、自社のホームページで集客することを検討します。
フェルトの素材や業界ではなく、フェルトが持つ機能性で分け、機能名×フェルトのキーワードで記事を制作することで、集客に成功しました。
現在は、従来の用途とは異なる自社商品の多用途開発に繋がるような問い合わせも増えており、課題だった営業効率も大幅に向上しています。
株式会社小羽皮革
株式会社小羽皮革は、下請けの業務比率が高かったため、下請けを脱却するためにWebマーケティングの取り組みを開始しました。同社の分析を行った結果、同社の強みと親和性の高いブランド皮革製品分野をターゲットに取り組みました。
キーワード選定の結果、ブランド名を含むキーワードの検索需要が多いことがわかり、その分野で上位表示されるように対策を行いました。
また、検索ユーザーの特性について検討をしたところ、信用力の高いWebサイト作りが必要と考えられました。自社サイトでユーザーに信頼してもらえるような情報を掲載することでアピールに成功し、依頼に繋がっています。
まとめ
SEO対策におけるキーワード選定は、狙いとしたユーザーに自社を知ってもらい、魅力を感じてもらうために必要不可欠であり、とても重要な取り組みです。
効果的なキーワード選定を行うためには、3C分析やMFT分析などのフレームワークを活用するのが効果的です。また、効率よくキーワード選定を行うためには、サジェストツールなどを活用するといいでしょう。
実際にキーワード選定を行うことで、製造業や商社などで狙った顧客が増加すると共に、従来の用途ではなく新しい用途開発に繋がるような問い合わせにも繋がることが考えられます。
SEO対策におけるキーワード選定についてお困りの方は、テクノポートがサポートいたしますので、ぜひ一度ご相談ください。